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水野誠一の辺見庸批判と丸山真男の「つぎつぎになりゆくいきほひ」

c0315619_1626662.jpg辺見庸による日記でのSEALDs運動への批判に対して、10/2に水野誠一がTwで罵倒する一幕があった。その中に、「時代の変化に着いていけない焦りなのか」という一節があり、気になった。同じような口上での辺見庸へのこきおろしはTwの中に溢れている。辺見庸の発言に対して、支持や理解の声はほとんどなく、悪意に満ちた誹謗中傷ばかりが目立つが、そうした左翼リベラルの反応に共通した傾向が、水野誠一的な「辺見庸は時代遅れ」というレッテル貼りの排斥手法である。古い時代の価値観(イデオロギー)にしがみついていて脱皮しないから、そのような古い時代に拘った偏屈な態度になるのだという切り捨てだ。ここには、自分たちは時代の波に乗っているという自覚がある。SEALDs運動を絶賛している自分たちが時代の主流であるという自意識があり、今回の政治の結果を民主主義の輝かしい勝利だとする自分たちの立場に絶対の自信を持っている様子が窺い取れる。水野誠一は辺見庸とほぼ同世代。同じように戦後の政治を見てきた同世代として、水野誠一からは辺見庸が古臭い過去の遺物に見え、70年代的な古代左翼のシーラカンスに映るのだろう。確かに、辺見庸の表象にはそういう一面があって、辺見庸を叩くときはこの種の悪口が効果的だという事情はある。辺見庸のハプニングから一週間が経った。

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by yoniumuhibi | 2015-10-05 23:30 | Comments(2)

説得力がなかった「学者の会」 - 60年安保の丸山真男の演説との違い

c0315619_1523328.jpg今回の法案反対運動には、本当に言葉がなかった。憲法学者を例外として、心に残る言葉、心を動かした言葉がない。この人の、この日のこの集会でのこの言葉という、歴史に残る、後世に感動が伝えられるものが一つでもあっただろうか。SEALDsの集会には、内田樹をはじめ、錚々たる顔ぶれの大学教授たちが出揃ってマイクを握り、その様子はネット動画でアップされ、東京新聞や朝日新聞の紙面でも多く紹介されていたが、印象に残ったものが何一つない。心を揺さぶる渾身のアジテーションがない。シェイエスの「第三階級とは何か」とか、ウェーバーの「職業としての政治」とか、リンカーンやキング牧師の演説のような、中身のある格調高い弁論あるいは文章がなかった。そんなことはないと言われる方は、一つでもよいから反証のサンプルを挙げていただきたいと思う。60年安保のときは言葉があった。清水幾太郎、日高六郎、竹内好、鶴見俊輔らが活発に言葉を発し、現状分析と行動提起の言論で人を動かしたことは言うまでもないが、とりわけ、60年安保を戦後民主主義の歴史として意味づける知の遺産として、丸山真男の「選択のとき」と「復初の説」がある。日本政治学の不朽の古典になっている。「選択のとき」は、1960年5月24日に神田の教育会館で行われた学者文化人集会での講演であり、「復初の説」は、6月12日に行われた憲法研究会での講演の記録だ。

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by yoniumuhibi | 2015-10-02 23:30 | Comments(0)


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