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沖縄の「政府」と「党」 - 沖縄タイムスの社説から、リーダーと議論の必要

c0315619_1537428.jpg今日(10/30)の沖縄タイムスの社説にこう書いてあった。「埋め立ての既成事実を積み上げること、それによって後戻りできない状況をつくり出し裁判を有利にすること、県民にあきらめの感情を植え付け地域を分断すること-これが政府の狙いであることはあきらかだろう」「県が孤軍奮闘するだけでは政府の強硬姿勢を改めさせることはできない。全国の弁護士から知恵を借り、影響力のあるさまざまな人々からアイデアを提供してもらい、現地での取り組みと国内外に向けた発信力を強めていくことが急務だ」。一文一文、考えながら、思いを重く廻らしながら書いていることが分かる。この社説には共感を持てた。辺野古埋め立ての本体工事着手のニュースについて幾つかの反応を見て回ったが、私と最も近いと感じたのは、この沖縄タイムスの社説だ。県の孤軍奮闘だけではだめだと言っている。全国の影響力のある人々からアイディアを集めるべしと言っている。同感だ。ここで言われている「県」とは、県知事の翁長雄志のことだろう。辺野古の政治を見ていて感じるのは、埋め立てに反対して政府に対抗する取り組みの主体性と起点が、あまりに翁長雄志一人に集中していて、運動全体がそこにディペンドしている点だ。他のところに発信力と説得力の主体性がない。

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by yoniumuhibi | 2015-10-30 23:30 | Comments(6)

共産党が9条改憲を決断する日 - 一強多弱→衛星政党→大政翼賛会

c0315619_17212171.jpg10/25に放送されたNHKの「新・映像の世紀」。そこで映し出された第1次大戦の生々しい歴史を見ながら思ったことは、もうすぐ同じような世界大戦が始まるということだった。この観想に導かれるのは以前からのことだが、最近はますます強くなって具体的なイメージになっている。第2次大戦から70年が過ぎ、主要国の間で戦争の記憶が薄れ、平和を希求する精神の粘りが脆くなっている。戦争の恐ろしさへの想像力が弱くなっている。世界秩序を仕切ってきた米国の力が衰え、新しい秩序体制へ移行せざるを得ない中で、対話ではなく武力で解決する方向に流れ、足下ではブロック経済の営みが遂行されている。何より、地上で生きている人の多くの実相を捉まえたとき、新自由主義の害毒と疲弊が限界にまで来ていて、これ以上、人類はこの生き方を続けられない状況に来ている。呪わしく疎ましい新自由主義が木っ端微塵に破砕され、人を蝕んで不幸にするそのシステムとイデオロギーが地上から消滅する、「最後の審判」的な explosion の契機が、特に弱者や敗者となった人々の無意識の中で渇望されている。希望を持てず、絶望に塞がれた人の方が多くなる中、希望の言葉が地上にない。新自由主義が人を変え、人を冷血にし、言葉を無力にし、弱者を無価値なものにしている。

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by yoniumuhibi | 2015-10-28 23:30 | Comments(4)

参院選の前の風景 - 民主と共産の議席予想、「第三極」壊滅の難民票

c0315619_14241037.jpg岡田克也のインタビュー記事(10/24)が出ている。共産の「国民連合政府」についての質問に対して、「共産とは安全保障政策などに大きな違いがあり、ともに政府をつくるのは無理がある。ただ、共産が候補者を立てなければ民主が当選する1人区はたくさんある。そういう意味での協力に期待はしている」と答えている。従来よりさらに態度を明確にさせた。政策に隔絶がありすぎるので連立政権を組むのは困難という基本的立場と、選挙区で民主が立てた候補に共産が無条件に票を流してくれるのは歓迎だという対応である。このインタビューでは、9月には言っていた「安保法廃止で野党が一致して選挙協力」という肝心の要点が消えている。「民主を応援してくれる人たちの支持を失う協力では意味がない」と語り、例の、民主が共産と組めば保守の支持層が逃げるという論点も強調した。この認識を党首の岡田克也がマスコミの前で披露したのは、今回が初めてだと思われる。共産と共産支持者からの熱いラブコールとは裏腹に、民主(岡田克也)の「国民連合政府」に対する無関心と冷淡さは、時間が経つほどに際立ってきている。全野党共闘を媒介するところの、安保法廃止という目的や動機の強さが、9/19の強行採決から遠ざかるほどに、次第に薄まってきている感を否めない。

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by yoniumuhibi | 2015-10-26 23:30 | Comments(5)

誰が9条改正を阻止してきたのか - この国の護憲派と改憲派の論争の真実

c0315619_16171236.jpgこんな内容のメールが届いた。「自分も烏合の衆に成り下がってしまっていたことに気づいておりませんでした。一番大事なことは憲法9条の理念なのに、多くの言説と一緒にSEALDsを新しい動きとして肯定していたのですが、貴方のおっしゃる通り運動体としては間違いなく失敗してるし、反省も無い。9条の本質を見ていなかった自分の浅はかさを今回の新9条の批判解説で理解できました。目を覚まさせていただきありがとうございます」。烏合の衆というか、付和雷同型の人間が本当に多くなっていて、踏み止まって理性的に思考する人間が少なくなった。スマホとSNSの普及と習慣がその状況に拍車をかけている。TwのRT数やFBのLike数の多さがその主張の価値や優劣の基準になっていて、SNSの数のゲームの勢いに乗らないと孤立と不安を感じる世の中になっている。嘗て、筑紫哲也はNEWS23で「少数派になることを恐れるな」と言ったが、SNSの群れの中で少数派になることを恐れず、勇気を出して正論の立地に踏ん張ることは本当に難しい時代になった。プラトンとアリストテレスが説いたように、民主政(Democratia)とは常に衆愚政(Ochlocratia)でもある。SNSへの依存を深める言論状況は、日々、確実に人を無思考にさせ、衆愚的惰性の度を強めさせ、安易なブランド信仰や徒党の暴力と威圧への恐怖が全体を支配する傾向を強めている。

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by yoniumuhibi | 2015-10-23 23:30 | Comments(4)

共産党の「安保容認」方針と東京新聞の改憲工作は表裏一体の政治か

c0315619_1814778.jpg東京新聞が「こちら特報部」に「新9条」の特集記事を載せて1週間が経った。現在のところ議論は不活発で、大きな話題になっていない。本来、これは衝撃の事実であり、護憲派あるいは左翼リベラルの界隈を揺るがす大事件のはずなのだが、激震が走ったという状況にない。「新9条」論は、個別的自衛権と自衛隊を認めて9条を改定しようという明文改憲論で、まさに「普通の国」への移行であり、こんな提案が東京新聞から打ち出されたのを見れば、普通の護憲派の市民は腰を抜かして驚き、蜂の巣をつつく騒ぎになって当然だ。が、そうした反応を示している例がほとんどない。護憲派の憲法学者から反論が上がらず、マスコミで著名な定番論者から批判が聞こえて来ない。波紋が広がらず、議論がなされず、不思議な静けさに包まれている。おそらく、皆、関心がないわけではなく、事件を知りながら知らないフリをしているのだ。様子見している。日和見をして待機しているのである。口を差し挟めば、自分の意見を明確にしなければならない。「新9条」論に賛成か反対か、立場を決めなくてはいけない。常識で考えれば、提案の中身だけを判断すれば、平和憲法を否定する明文改憲に賛同できるはずもないのだが、想田和弘だの、伊勢崎賢治だの、左翼リベラル業界で人気のブランド文化人が提起した運動であり、定評ある東京新聞が担いだ取り組みだから、率先して異を唱えるのには躊躇を覚えるのだ。

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by yoniumuhibi | 2015-10-21 23:30 | Comments(6)

東京新聞が仕掛けた左からの改憲策動 - 「新9条」の正体は「普通の国」

c0315619_1518037.jpg先週(10/14)、東京新聞の「こちら特報部」の紙面に「平和のための新9条論」と題打って、小林節、伊勢崎賢治、今井一の3人による憲法9条の改正案が特集報道された。解釈の余地を政権に与えないため、専守防衛の自衛隊を明確に位置づけるための新9条の制定だと紹介されている。記事を企画編集した記者の署名は、中山洋子、池田悌一、佐藤圭。冒頭の説明に「安倍流の改憲を許さないための新九条である」とあり、東京新聞がこの提案を積極的に肯定し推進していることが分かる。今井一の新9条案には、「わが国が他国の軍隊や武装集団の武力攻撃の対象とされた場合に限り、個別的自衛権の行使としての国の交戦権を認める」とある。伊勢崎賢治の新9条案にも、「個別的自衛権を行使するため、陸海空の自衛戦力を保持(する)」とある。完全な明文改憲だ。小林節はもともと生粋の改憲論者であり、従来からの主張なので驚くには当たらない。他の2人についても、この明文改憲は以前からの持論なのだろう。最初に言っておかないといけないことは、この主張の中身が、ずっと前から9条改定を目論む保守派によって唱えられてきたものと同じで、小沢一郎の「普通の国」の所論と同じだということだ。戦争と軍隊を放棄した9条を止揚する。自衛隊を憲法に正式に位置づけ、個別的自衛権を明確に認める。「普通の国」になる。まさしく、自民党など改憲派の本筋がこれであり、憲法を現実に合わせる立場の基本がこれだった。

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by yoniumuhibi | 2015-10-19 23:30 | Comments(10)

世界のコンセンサスになった南京大虐殺 - 日本の歴史歪曲外交工作の失敗

c0315619_19145118.jpg南京大虐殺の歴史資料がユネスコの記憶遺産に登録されたことについて、中国側の関係者がどう発言しているか、日本のマスコミ報道では内在的に紹介した情報がないのでネットで探してみた。華春瑩報道官が10/9の定例会見で語った言葉が北京週報にある。「南京大虐殺と慰安婦の強制連行は、日本軍国主義が中国侵略戦争中に犯した重大な罪だ。中国は歴史に責任を負う態度で申請を行った。これは日本を含む各国の人々が、侵略戦争の残酷さを認識し、歴史を銘記し平和を惜しみ、共に人類の尊厳を守っていくことを促す」。中国政府による公式の論評の全文を見たいが、日本語の検索では見つけることが難しい。華春瑩のこの発言は会見の質疑応答の一部だろう。私も同じ立場で異論はない。1972年に日中国交正常化を果たしたとき、日本の政府もマスコミも国民も、この華春瑩の認識と立場を等しく共有していた。私はそこから動いていない。中国系米国人の団体である「世界抗日戦争史実維護連合会」の副会長の言葉を拾った記事があり、「これは中国政府と海外華人が長年取り組みを続けてきた結果。記憶遺産への登録によって、南京大虐殺という史実の世界的な認知度がますます高まるだろう」と言っている。共感する。2004年に自殺したアイリス・チャンのことを思い出した。

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by yoniumuhibi | 2015-10-15 23:30 | Comments(4)

日本の常識は世界の非常識 - 南京事件の記憶遺産登録と才女イリナ・ボコヴァ

c0315619_14242100.jpg10/11のサンデーモーニングで、ユネスコが南京大虐殺の歴史資料を世界記憶遺産に登録した件が取り上げられ、田中秀征が「中国による政治的挑発としか受け取れない」と言い、「日本政府を支持する」とコメントを垂れた。番組には金子勝と目加田説子も出演していたが、2人からの発言はなかった。予め、田中秀征だけにコメントを振る台本が準備されていたようで、すなわち関口宏と岸井成格もこれと同意見であり、番組制作者の見解も同じだという内情が示されている。この番組はリベラル色が強く、常に右翼から攻撃の標的になっているけれど、国内政治については政府批判の言論を流しつつ、中国や韓国の問題となると、NHKやフジと同じ右翼的なスタンスで論評をするのが特徴だ。中国や韓国との外交問題では自民党と歩調を合わせていて、そうすることで全体のバランスをとり、政権に阿諛と妥協を見せてお目こぼしをもらっている感がする。こうした、国内的には強烈な反安倍・反自民だが、中韓に対しては右翼と同じ立場という者は、左翼リベラルの中で異常に多く、むしろ左翼リベラルの中で多数派と言ってもいい。小沢系はほぼ全員がそうだし、共産党系でも半数がそうだ。左翼リベラルも含めて反中嫌韓が常識になっていて、国民全体の右翼化は日々強まっている。日本の常識は世界の非常識。挑発をしているのは日本ではないか。

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by yoniumuhibi | 2015-10-13 23:30 | Comments(9)

なぜ安倍内閣の支持率は上がったのか - 暴挙から3週間で安泰の謎

c0315619_13324519.jpg10/7の内閣改造の後、マスコミ各社から世論調査が発表された。読売新聞では安倍内閣の支持率は46%で、前回から5ポイント上昇している。共同通信の調査では44.8%で、前回よりも5.9ポイント上昇。日経新聞の調査でも44%で、前回を4ポイント上回った。毎日新聞の調査でも39%で、前回よりも4ポイント上回っている。朝日新聞とNHKの数字はまだ出ていないが、おそらく同じ傾向になるだろう。朝日の前回は35%だったから、40%くらいになると予想される。各社の前回調査は強行採決の直後(9/19-20)のもので、あれから3週間も経っていない。まさに喉元も過ぎてないのに、「民主主義の敵」である安倍晋三の支持率が反転上昇した。普通に考えれば、国民の怒りが爆発し、安保法反対の世論が強く尾を引き、慣性の法則で支持率下落の流れが固まってよいはずである。国民と安倍晋三との間に決定的な断絶が生じ、支持が元に戻らなくなってよい。だが、その事態にはならなかった。この結果は私には予想されたものだが、法案反対派の左翼リベラルにとっては衝撃の事実だろう。9月のデモの意味を無化する数字であり、9月のデモを「民主主義の成熟」だとか「主権者意識の高揚」だと自画自賛して有頂天になっていた者たちに冷水を浴びせる政治の進行だ。数字こそが冷厳な現実を示している。

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by yoniumuhibi | 2015-10-12 23:30 | Comments(6)

野党とマスコミはなぜ憲法53条を言わないのか - 臨時国会の政治の欺瞞

c0315619_1528835.jpg臨時国会の開催の問題が一つの焦点になっている。新内閣を発足させたわけだし、新内閣の所信表明を国民は聞く必要があるから、臨時国会が開かれるのは当然のことだ。だが、安倍晋三は先送りを示唆していて、外交日程が詰まって窮屈だからとかという言い訳をマスコミに流させている。非常に不思議なのは、マスコミ報道の説明が、臨時国会の開催が与野党の合意で決まるものだという前提になっていて、恰も開催の諾否の最終権限が政府与党側にあるという議論になっていることだ。臨時国会の開催は慣例で決まっている問題ではなく、国の最高法規である憲法に規定があり、第53条に「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と明記されている。もし参院の議員61名が署名して議長に要求すれば、それで憲法の要件は満たされるのであり、内閣は開催を拒否することはできない。それは憲法違反である。現在の参院の構成は、民主58、共産11、社民3、生活2となっているから、この合計74名が要求すれば、それで臨時国会は開催に至る。憲法に条文があり、統治機構である国会の手続きが決められているのだから、それに従うのは当然のことだ。この半年間、政治のキーワードになったのは立憲主義だった。眼前の臨時国会の開催は、まさに立憲主義の問題そのものではないか。

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by yoniumuhibi | 2015-10-08 23:30 | Comments(3)


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