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マイケル・オースリンとデビッド・アッシャーを国会に参考人招致せよ

c0315619_15595146.jpg昨年の12/9に報ステが特集した集団的自衛権の映像は、放送された直後も大きな反響を呼んだが、半年以上経ち、安保法案が国会で審議されている現時点で見ると、その衝撃はさらに強烈に伝わってくる。秀逸なテレビ報道の作品というものは、こうして時間が経った後で価値を増し、繰り返し何度も見られて人々に記憶されるのだろう。ここでは二人のいわゆるジャパンハンドラーズ - 一般には知日派の安保外交専門家と呼ばれる米国工作員 - が登場し、新ガイドライン策定後および安保法案成立後の自衛隊の活動について具体的に期待が述べられている。一人は民主党系シンクタンク(新米国安全保障センター)シニアフェローのデビッド・アッシャーで、もう一人は共和党系シンクタンク(アメリカン・エンタープライズ研究所)日本部長のマイケル・オースリンだ。民主党系のアッシャーは、自衛隊にはイスラム国掃討後のイラクでPKO活動をやってくれと言っている。戦闘は米軍がやるから、治安維持は自衛隊が引き受けてくれと。共和党系のオースリンは、南シナ海で中国軍とコンバットをやってくれと言っている。米国はこの地域で中国と戦争するつもりはないから、自衛隊が担当してくれと。自衛隊は優秀な装備と能力を持っているので、実戦の戦闘経験を持つべきだと勧めている。私が何度もこの映像を紹介するのは、安保法制と新ガイドラインの狙いが端的に示されているからだ。

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by yoniumuhibi | 2015-07-30 23:30 | Comments(6)

中国との戦争への想像力を - 民主党が衆院で憲法論議をやらなかった理由

c0315619_168560.jpg6月の衆院特別委での安保法案の論議で、民主党が法案を阻止する有効な質問をせず、無駄話ばかりで時間を潰していたのを不審に思っていた。長島昭久は堂々と政府の集団的自衛権行使を援護射撃する議論ばかり繰り返し、後藤祐一は法案細部の枝葉末節を穿り返し、辻元清美はプロレスの「乱闘」場面を作ってマスコミに「対決姿勢」の演出の絵を提供し、頭の悪い寺田学は横畠裕介に論破されて恥をかくという、わけの分からない質疑を延々と続けて時間を浪費していた。「100時間以上の審議時間」はそうしたガベッジ・コレクションの堆積だ。国民が見たかったのは、長谷部恭男や小林節が講義した違憲論の戦術応用であり、憲法学者による批判の論点をそのまま政府にぶつけ、国会で噛み合ったディベートが演じられる進行だった。つまり、民主党議員が憲法学者の代理人となり、国会で憲法論争をたたかわせて法案の破綻と不全を証明することだった。不毛な「新三要件」の詭弁で逃げる安倍晋三を立憲主義の論陣で撃破し、包囲攻略し、違憲立法の結論に導いて窮地に立たせることだった。その期待を担って登壇するべきは、党内きっての弁達者で法曹家の、そして党内で憲法政策を仕切ってきた枝野幸男であるはずだった。だが、2か月近く100時間以上の長丁場の審議で、幾度もNHKの中継が入りながら、われわれは遂にその瞬間を見ることはなかった。

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by yoniumuhibi | 2015-07-29 23:30 | Comments(2)

「言論の府」である外国人特派員協会への提案 - 論点を外から持ち込む

c0315619_15414.jpg参議院で安保法案の審議が始まった。このところ、安倍晋三の側は中国脅威論のプロパガンダのシャワーに躍起になっていて、おそらく、参院特別委の審議でも中国脅威論を前面に押し立てて法案の正当性を訴求し、維新や民主の「対案」を引き出す戦略に出てくるだろう。情報によると、参院の審議では、与党の質問時間を多くすると言っている。「日本を取り巻く安全保障環境の変化」の方向に議論の土俵を持って行き、憲法論議を遮断し、マスコミ報道の関心を中国脅威論にフォーカスさせようという思惑なのだろう。ただ、この安倍晋三の目論見が奏功するかどうかは不明だ。日経の世論調査では、支持率が前月比9ポイント下がって38%に低落した。注目したいのは、この電話調査が7/24-26に実施されたものだということで、例の、中国のガス田開発のプロパガンダの後に行われた調査結果である点だ。当然、この不意の暴露作戦は、週末(7/24-26)に実施されて発表される読売と日経の世論調査を睨んだ策略の投入で、支持率下落を少しでも抑えるための姑息な情報工作である。が、どうやら官邸が期待したほどの効力は発揮しなかった。安保法案のための露骨な宣伝ネタであることが見え見えだったため、動機を見透かされ、思うような成果を得られなかった。逆に、カードを勝手に官邸に利用され、9月の訪中外交の調整で中国に対して立場を失った外務省は、折衝で中国側に妥協を迫られる苦境になるだろう。

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by yoniumuhibi | 2015-07-27 23:30 | Comments(6)

共同の世論調査で護憲派が60%に - 民意を正しく議席に反映する政治へ

c0315619_1747187.jpg共同通信が7/22に発表した世論調査が興味深い。「憲法改正」の是非を問うた郵送方式の回答で、「このまま存続すべきだ」が60%になり、「変えるべきだ」の32%の2倍の結果になった。この数字には驚かされる。感無量だ。護憲派が国民の中の圧倒的多数となった。改憲派が完全な少数となった。日本国憲法の普遍性は、歴史の中でこうして危機になると真価を発揮する。力強く生命力が甦る。100年や200年では終わらない不滅の価値があることが確認される。日経が2004年から2015年までの世論調査をグラフにした記事があり、護憲と改憲の比率の変化を見ることができるが、護憲派は2000年代後半からどんどん増えて行き、とうとう改憲派の2倍のボリュームに達した。世の中全体が右傾化しながら、反中反共のイデオロギーが空気中で毒々しく濃密化しながら、その思想傾向とはパラレルに、政治現象としてパラドクシカルに、護憲派が勢いよく増えている。日経が調査を始めた小泉内閣時の2004年、護憲は28%、改憲は55%であり、ダブルスコアで改憲派が圧倒している。10年前は確かにそうだった。10年の間に人々の意識が変化している。憲法の価値を再発見し、いのちとくらしを守るものとして積極評価する方向に変わった。今回の共同の調査に反映された意識の変化は、おそらく一過性のものには終わらないだろう。

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by yoniumuhibi | 2015-07-24 23:30 | Comments(4)

両刃の剣の60日ルール - 「鼓腹撃壌と政治の世代」の仮説と断想の続き

c0315619_179035.jpg7/16に法案が衆院本会議で可決された直後、マスコミは異口同音に「これによって、法案は今国会で成立する公算が大きくなりました」と報道した。安倍晋三の私設放送局と化しているNHKがこの決めつけの見方を撒くのは理解できるが、テレ朝やTBSまでが口を揃えて「成立の公算大」を言うのは頷けず、どうして政府側に立った既成事実化の世論工作に与するのかと不審に思われて仕方がなかった。普通の政治ジャーナリズムの感覚からすれば、冷静に考えて、9月の国会で法案が成立する可能性は五分五分の観測となるだろう。強行採決の後、安倍晋三の支持率は急速に低下し、毎日の調査では35%にまで落ちた。参院の審議が進む中で支持率が回復に転じるとは予想しにくく、逆にさらに落ち込むのは理の当然だ。安倍晋三の退陣を要求する市民のデモは勢いと広がりを増してゆく。テレ朝やTBSや外国人記者クラブによる安倍晋三批判も攻勢が強まる。支持率が30%を切り、25%近くに達したとき、与党内が今のように盤石で安泰かどうかは怪しい。通常、支持率が25%に落ちたら、政権はレイムダック状態となってダッチロールを始める。9月の政局の動向を価値判断自由に予測したとき、現時点で「法案成立の公算大」と政治記者が原稿を書くのは、あまりに安直な、また過度に政府寄りに偏向した判断と言えるだろう。60日ルールの衆院3分2再議決は、実は安倍晋三にとって両刃の剣なのだ。

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by yoniumuhibi | 2015-07-22 23:30 | Comments(5)

「鼓腹撃壌」と政治の世代 - 日本の政治と個体の生き方への仮説と断想

c0315619_1838628.jpg毎週毎週、全国何十か所もの都市で、安保法案に反対のデモが行われている。国会前では平日も行われていて、途切れることがなく、むしろ勢いが増している。衆院で強行採決が行われたことによって、デモに参加する市民の熱気も、それを伝える報道の論調も、安倍批判のボルテージはさらに高まっていて、国民的な盛り上がりを見せている。毎週毎週、全国で何万人もの市民が「首相退陣」を求めてデモをする風景など、これまで一度も見たことがない。3年前の脱原発運動も同じほど盛り上がったが、「首相退陣」は要求になく、6月に始まって7月末にはすぐに下火になった。今回は、6月、7月とずっと続き、8月、9月とさらに噴火の規模が拡大することが予想される。週末(7/18)、今度は田勢康弘のテレ東の報道番組が「SEALDs」を特集し、先週(7/11)のTBS報道特集に続いて学生デモを絶賛、宣伝する動きに出た。テレ朝、TBSに続いて、テレ東が「SEALDs」の応援団の中に入った。テレビ局が競うように「SEALDs」にコンタクトし、コラボ報道でブームを演出し、モメンタムの増強をサポートしている。現時点で、学生デモは「国民的」表象の獲得に成功していて、政治における正義の代表となり、悪の安倍晋三を討滅するという<物語>の構図を固めてしまった。今は内閣支持率は35%もあるが、予測すれば、これから1か月半で10%は下がるだろう。

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by yoniumuhibi | 2015-07-20 23:30 | Comments(11)

代弁されない7月15日の国会前 - デモのスピーチがショボすぎてふるえる

c0315619_18354378.jpg衆院特別委での法案の強行採決があった7月15日は、岸内閣が55年前に総辞職した日だった。アイク訪日が中止となり、流血の惨事となった混乱の責任をとる形で、岸信介は退陣を余儀なくされ、それ以降、日本の政治の表舞台に出ることはなかった。日本の戦後の保守政治家の場合、総理総裁を降りた後も、何かと政局に登場して口出ししたりする場合が多く、党の最高顧問として名誉職の地位が与えられ、政界で悠々自適の日々を送るものだが、岸信介の場合はやや例外で、徹底的に悪役となり、陽の当たる表に出ない「妖怪」となった。後を継いだ池田勇人は、高度成長の経済政策一直線に突き進み、岸信介の右翼路線を完全転換し、自民党政権を護憲派に旋回させたハト派のシンボルに収まって、後世の者たちから積極的な評価を受けている。だが、60年安保のときは、岸内閣の閣僚の中でも毒々しい強硬派で、自衛隊を治安出動させて市民を武力鎮圧する案の筆頭に立ち、反対して結束する旧内務官僚たち(国家公安委員長、防衛庁事務次官、警察庁長官、警視総監)を説き伏せていた。タカ派の池田勇人が権力を掌中にすると一転してハト派に転じたのは、日本の保守政治家のパターンを示していて、小沢一郎や亀井静香がその類型を引き継いでいる例として検証・確認できるだろう。 

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by yoniumuhibi | 2015-07-17 23:30 | Comments(20)

戦争か革命か - 55年前と同じ岐路 (7月15日は岸内閣総辞職の日)

c0315619_16224360.jpg市民革命の語の定義を辞書で引くと、「新興の産業資本家を主体とする市民階級が封建権力や絶対主義権力を倒し、国家権力を掌握する政治変革。ブルジョア革命」などという説明が出て来る。学校でもそのように習うし、正確な説明に違いないが、これが全てではあまりに教科書的で、社会科学的に厳密な概念にすぎて、この語の本来の活力が生かされないように感じる。不満だ。この定義だと、カテゴライズされる具体的な事例が特定の歴史にのみ限定されてしまい、杓子定規的で窮屈な語法になり、言葉の生命力を失う結果に導かれている気がしてならない。もっと言えば、この定義づけは、マルクス主義の歴史認識の方法にかなり影響されていて、発展段階論と階級闘争論を前提として概念が構成されている。今日、社会科学の世界でマルクス主義の理論が退潮し、マルクス的な学問体系の説得力が頭から否定され、条件反射的に拒絶・排斥されている中、この市民革命の定義は一般感覚として何か古臭く時代遅れに感じられ、敬遠されて積極的使用をためらう術語になるのではないか。そう懸念を覚える。現代社会で起きている事件を把握して表現する生きた言葉ではなく、教科書の中にお蔵入りした過去の概念になってしまいそうで、できればもう少し広義の意味を与え、市民社会で普通に使える言葉になればいいと思う。

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by yoniumuhibi | 2015-07-14 23:30 | Comments(10)

市民革命のパノラマ - 官邸の屋上から安倍晋三がヘリで脱出する日

c0315619_18192164.jpg前回の記事で、1960年6月15日のデモの参加人数を33万人と書いたが、毎日新聞社刊の「60年安保闘争の時代」を読むと、この人数は6月18日のもので、樺美智子の合同慰霊祭が東大で行われ、6月19日午前0時に迫った安保自然承認を阻止すべく、民衆が国会前に集まったときの数字だった。「日本政治史上最大規模の国会デモ」(P.129)と書かれている。前日の6月17日、例の新聞3社による共同宣言が出され、岸信介が自衛隊による治安出動を打診していた。このとき、国家公安委員長の石原幹市郎と防衛庁長官の赤城宗徳が反対し、自衛隊の治安出動は頓挫している。産経のサイトに最近載った記事を読むと、その前日の6月16日、前日の流血デモの衝撃を受けて、岸信介はアイク訪日中止と退陣を決断したと書いている。私は、これは逆で、岸信介が先にアイク訪日中止を決断したのではなく、米国側が日本に中止の意思を伝えたのだろうと推測する。このような重要な日米の外交決定で、現在もそうだが日本側に主導権はない。このときアイゼンハワーはマニラにまで来ていた。産経の記事で面白いのは、アイク訪日を決行すれば、「空港で出迎える昭和天皇に危害が及ぶ恐れさえある」と岸信介が言っている点である。これは、アイク訪日中止を正当化する弁解だが、ひょっとしたら、逆に、昭和天皇の方が岸信介に「やめとけ」と示唆したのかもしれない。

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by yoniumuhibi | 2015-07-13 23:30 | Comments(3)

岩手の中2自殺事件といじめ防止対策基本法 - 教師の不作為の責任

c0315619_14495093.jpg岩手の中2男子自殺事件について、基本的には尾木直樹と同意見なのだけれど、少し違うところがある。持論がある。尾木直樹は学校の安全配慮義務違反を言い、法律違反だと言っている。それはどういう法律なのだろうと検索すると、20年前、サッカーの試合中に落雷を受けて重度の障害者となった高校生の事故についての最高裁の判例が出てきて、民法715条が適用されているらしいことが分かった。この事故と判決についてはNHKのニュースで念入りに報道されていた記憶がある。学校側の監督責任になるから注意するようにと、政府が全国の学校と教員に電波で告知をしている趣きが察せられた。尾木直樹の指摘は、この判例とそこから教育現場に下ろされて定着している義務や慣行について言っているのだろう。が、これは民法の民事責任の範疇の問題だ。本来、いじめ自殺の問題については、暴行傷害や虐待の犯罪を行った加害者だけでなく、それが教室で行われているのに見て見ぬふりをして、事実上、残酷ないじめに加担した教師の不作為の責任が問われるべきで、刑法の業務上過失致死が問われるべきだというのが、私の従来からの考え方である。過去の記事でもその旨を論じていた。いじめ自殺の問題では、どうしても30年前の中野富士見中の「お葬式ごっこ」の事件を思い出す。

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by yoniumuhibi | 2015-07-09 23:30 | Comments(8)


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