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安保法制の委員会審議 - 志位和夫の秀逸な議論と今後の法案の行方

c0315619_1755343.jpg一昨日(5/28)の特別委での志位和夫の質疑は素晴らしかった。ネットに賞賛する声が多く上がっていたが、NHKの国会中継を見逃した者はぜひ録画を確認していただきたい。審議全体のトリを務めた志位和夫の持ち時間は60分だったが、時間はあっと言う間に流れ、30分くらいの短さだったような感覚だった。退屈しないどころか、完璧な講義が目の前で展開され、まさに溜飲が下がる思いをさせられた。志位和夫の質疑には構成がある。入念に練られた設計があり、起承転結のストーリーとドラマがある。持ち時間を考え、相手の回答を予測想定し、問答の中で政治の真実を明らかにする見事なシナリオがある。討論は、最初から最後まで志位和夫が主導権を握り続け、政府側を窮地に追い込み、脱線や混乱を許すことなく、目的とする最後の着地点の結論に持って行く。昨日の質疑は全体で四つの部分に分かれていた。第一部はISAFに参加したドイツ軍の話で、戦後初めて憲法解釈を変え、NATOの域外に派兵したドイツ軍が、本来は治安維持と復興支援を目的とした活動が、現地で戦闘に巻き込まれ、55人の犠牲者を出しただけでなく、多数の民間人を誤爆で殺傷する事態に陥り、ドイツ社会に深刻な傷痕を残した事実を紹介。この法案がこの国の将来にもたらす禍根をリアルに想像させ、議場の空気を一気に静粛にさせた。 

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by yoniumuhibi | 2015-05-30 23:30 | Comments(7)

四つの政治戦が集中した夏 - 60年安保闘争の幸運に深く感謝する夏

c0315619_1723919.jpg安保法制の諸法案(戦争法案)が衆院で審議入りとなった。政府は今国会での成立をめざしている。今の状況から考えれば、法案が可決成立するときは強行採決で押し切った形になるだろう。それはいつだろうか。マスコミで跋扈する政局屋たちが、国会の日程を垂れて法案の行方を講釈する幕はもう少し先だが、産経の記事を読むと、6月24日までの会期を47日間延長して、8月10日が閉会という予定になっている。この記事は少し古い情報なので、今後の審議と駆け引きの中で変動はあると思われるが、お盆の前に参院本会議で可決して成立というのが安倍晋三の基本戦略だ。必要な審議時間から考えてそのタイムラインとなり、それを前提とすると、7月初旬と予想される衆院特別委での審議打ち切り採決が攻防の一つのヤマ場となる。いずれにせよ、あと2か月後には決着はついている。審議先送りになっていれば、われわれの勝利であり、可決成立になっていれば安倍晋三の勝利だ。審議先送りになった場合、私の予測だが、単純に秋の臨時国会に再提出になるのではなく、法案そのものの作り直しになり、来年の通常国会まで持ち越しになる可能性が大きい。それだけ問題点が多く、根本的に不具合で、審議をすればするほど破綻が明らかになって混乱が広がる法案だ。まともに審議できない。安倍晋三は、最初からこの法案をまともに審議するつもりがない。

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by yoniumuhibi | 2015-05-27 23:30 | Comments(11)

ポツダム宣言の歴史認識 - 軍国主義による侵略戦争、被害者と責任者

c0315619_1642190.jpg昨日(5/24)、関口宏のサンデーモーニングがようやくまともな報道をして、志位和夫の党首討論でのポツダム宣言の問題を取り上げた。週末もネットではこの問題が関心の中心であり、先週の政治全体におけるハイライトだったと言ってよい。本来、国会は安保法制の審議に入る前に、ポツダム宣言など知らないと暴言を吐いた安倍晋三の歴史認識を集中的に問題にするべきであり、志位和夫の7分間からバトンタッチして、別の野党議員が、例えば論戦能力のある枝野幸男が、追及の延長戦を引き受けて立つべきなのだ。ポツダム宣言を軽侮し否定する態度は、すなわち先の戦争を侵略戦争と認めない開き直りの意思表示であり、国連憲章の精神を蔑ろにするメッセージの露呈である。欧州のネオナチと同じアウトローの立場であることを意味する。コトは深刻で、まさに重大な国際問題の発生に他ならない。「戦後70年談話」を世界が注目して見守っている中、日本の国権の最高機関たる国会は、この問題に速やかに対処する責任があるだろう。権力を監視する使命を受け持つマスコミも同じで、報道で世論を喚起して安倍晋三を糾弾しなくてはいけない。米スタンフォード大のダニエル・スナイダー(アジア太平洋センター副所長)は、安倍晋三がポツダム宣言を読んでいなかった件について、「政治指導者として恥」だと論評している。日本のマスコミ論者は、どうしてこの同じ意見を正面から言わないのか。

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by yoniumuhibi | 2015-05-25 23:30 | Comments(6)

志位和夫の誠実と安倍晋三の不誠実 - ポツダム宣言問題を無視するマスコミ

c0315619_18485313.jpg志位和夫と安倍晋三が演じたポツダム宣言の党首討論は、特にネットの中で大きな話題と反響を呼ぶ政治となった。討論が行われたのは一昨日(5/20)だが、当夜のNEWS23は全く無視して放送せず、翌日(5/21)の朝日も特に論評をせず、マスコミとネットで関心の差が際立つ状況になっていた。ようやく、今日(5/22)になって朝日が1面の天声人語で取り上げ、志位和夫の質問について力量を評価し、4面に関連する囲み記事を入れている。ネットでの波紋の大きさに編集部が動かされた様子が窺える。昨日(5/21)の朝日は、岡田克也と安倍晋三の討論にフォーカスした紙面が編集され、「武力行使を目的として他国の領土・領海に入っていくことは許されない」とした答弁と、「機雷除去は例外として認められる」とする答弁の矛盾に注目、自衛隊の派遣のリスクを問題にする報道に仕上がっていた。5/20のNEWS23も同じであり、報ステも同じである。5/21の朝日の紙面では、4面に志位和夫の質問内容が採録されていたが、ポツダム宣言をめぐるやり取りを捉えた記事になっていない。安保法制が後半国会の政局の中心だから、マスコミ報道がこのような姿勢になったのだろうが、マスコミの惰性と鈍感と形式主義が強く印象づけられ、政治ジャーナリズムの無能が証明された残念な一幕となった。マスコミの安倍晋三への恐懼と遠慮が垣間見える。

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by yoniumuhibi | 2015-05-22 23:30 | Comments(7)

新興宗教「橋下維新」の終焉 - ネオリベ(改革)の夢を追い続ける病理

c0315619_15442755.jpg大阪での住民投票の翌日、5/18に放送されたクローズアップ現代を見ていると、淀川べりに工場のある中小企業の社長が、若い従業員を集めて都構想への賛成票を投じるよう熱心に説教する場面があった。会社の就業時間中に、社長が業務上の重要な指示でも与えるように、会議室で賛成派のパンフレットを配り、全社員が都構想賛成で一丸になるよう促していた。小さな企業だからこんなこともあるのだろうが、「職場に憲法を」の観点からすれば、まさに論外の逸脱と言うほかない。NHKを呼んで撮影させるくらいだから、大阪の世論環境が、どれほど都構想賛成を当然視する空気感であったかを思わされる。大阪のテレビは賛成派にジャックされ、CMで埋め尽くされていただけでなく、番組のコメントも賛成派の論者が仕切っていて、反対派は異端として排斥されていたらしい。まさに橋下王国。橋下民主主義人民共和国。10年以上前の「小泉改革」や「小泉劇場」の政治が、もっと極端で派手な形となり、単純で粗暴な姿となって周回遅れで大阪で再現されている。大阪の人は、学習能力というものがないのだろうか。投票率が66%と高かったことや、賛否が拮抗していた事実をもって、マスコミは「大阪の民主主義のレベルの高さ」を喧伝する報道に終始しているが、その論評や総括は完全に間違っている。これはむしろ、大阪の衆愚政治のどぎつさと病理の深刻さを証明するものだ。

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by yoniumuhibi | 2015-05-20 23:30 | Comments(8)

希望の光となった「大阪都構想」否決 - 衆愚政治と独裁政治の果ての挫折

c0315619_15383077.jpg大阪都構想の住民投票の結果が出た。反対票が僅かに上回って薄氷の勝利となった。午後11時から橋下徹が会見に出て、「日本の民主主義はレベルアップした」とか、「民主主義という政治体制は素晴らしい」と言い、反対派のTwも、民主主義の勝利とか、草の根民主主義の運動の成果だとか言い、民主主義を感動的に謳歌していたが、それを見ながら違和感を覚えざるを得なかった。今回の政治は、結果オーライではあるけれど、果たして民主主義の勝利などと呼んで手放しで評価し喝采することができる代物だろうか。「大阪都構想の危険性を明らかにする学者記者会見」の映像の中で、富田宏司が「民主主義は熟議である」と言い、熟議を省略した性急な多数決で分断を持ち込む政治の手法を批判している。私から見て、今回の住民投票を含めた8年間の大阪の政治は、とても民主主義と呼べるものではなく、まさに低劣な衆愚政治であり、衆愚政治が生んだ腐った独裁政治そのものだった。昨夜(5/17)の橋下徹の7年半を振り返るテレビ報道の中でも、「今の政治で必要なのは独裁ですよ」と堂々と唱える過去の橋下徹の映像が紹介されたが、大阪の府市民は、1930年代のドイツ市民がヒトラーを歓呼して熱狂したのと全く同じパターンで、橋下徹に心酔して強烈な独裁を求め続けた。

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by yoniumuhibi | 2015-05-18 23:30 | Comments(7)

立憲主義の学説史を探索する - 青版の岩波新書にはその語がない

c0315619_16414218.jpg文部省が1947年に発行した「あたらしい憲法のはなし」の冒頭部分(一 憲法)を引用したい。「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和22年5月3日から、私たち日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました。この新しい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかかわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。国の仕事は、一日も休むことはありません。また、国を治めてゆく仕事のやりかたは、はっきりときめておかなければなりません。そのためには、いろいろ規則がいるのです。この規則はたくさんありますが、そのうちで、いちばん大事な規則が憲法です。国をどういうふうに治め、国の仕事をどういうふうにやってゆくかということをきめた、いちばん根本になっている規則が憲法です。もしみなさんの家の柱がなくなったとしたらどうでしょう。家はたちまちたおれてしまうでしょう。いま国を家にたとえると、ちょうど柱にあたるものが憲法です。もし憲法がなければ、国の中におおぜいの人がいても、どうして国を治めてゆくかということがわかりません。それでどこの国でも、憲法をいちばん大事な規則として、これをたいせつに守っているのです」(P.8-9)。

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by yoniumuhibi | 2015-05-14 23:30 | Comments(6)

想田和弘の勘違いと余計な一言 - 9条を世界の宝と讃えるジョン・ダワー

c0315619_14174999.jpg憲法9条の意義を不当に軽んじる想田和弘の発言に対して、数は少ないが、護憲の立場から真摯な批判が上がっている。この国の憲法は平和憲法と呼ばれ、前文と9条こそに特徴があり、主権在民や基本的人権の原理を基礎づけるに当たっても、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」という前提の上で導出していて、こんな原理構造を持った憲法は他の国にはない。日本国憲法の三原則と呼ばれるものが、決してフラットな並列関係で配置されているのではなく、ラディカルな平和主義が先行した形で構成されていることは、前文を読めば誰でも一目で分かるものだ。それは、第二次大戦の深刻な反省から来ている。華麗な人権カタログを並べた憲法を擁した近代国家が、一度ならず二度までも大きな戦争をやって、国民の生きる権利を根こそぎ奪うという体験をしたから、平和主義の理想を基本に置かないと民主主義も基本的人権も守れないという結論に至ったのである。想田和弘は、憲法9条は付属品であり、サブセットのオプションだと言うのだが、日本国憲法の姿はそうなってはおらず、前文と9条こそが土台であり核心となっていて、人類史的に先進の憲法と呼ばれる由縁のものとなっている。歴史的に新しい日本国憲法は、それ以前の憲法に比べて戦争を強く意識しているのであり、パリ不戦条約の精神が生きているのだ。

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by yoniumuhibi | 2015-05-13 23:30 | Comments(1)

憲法9条を相対化する想田和弘の暴言 - 護憲派に対する無知と偏見

c0315619_1531367.jpg想田和弘が憲法9条を貶めるTWを乱打している。それに対して、おそらく護憲派だと思われるが、多くの者が発言を支持するようにRTをしている。例えば、「僕は9条も大事だと思ってますけど、人権条項などの方が実ははるかに大事だと思ってます、はっきり言って」と明言していて、そのTWに500個以上のRTが付いている。この想田和弘の発言は、護憲派の立場からすれば間違いなく迷惑な暴論だが、500個もRTが付されているのは、大御所の内田樹が率先してTLでRTし、この主張を後押ししているからだろう。若手の映画監督だが、映画の方はそれほど有名ではなく、作品も特に注目を集めたり話題になったことはないが、もっぱら左翼リベラルの言論市場で売れっ子の論客で、その方面では必ず顔が出て来る一人だ。いわゆる左翼リベラル業界の定番論者である。今回の異常な発言は、自民党が進めている緊急事態条項の改憲に対して警鐘を鳴らす意図から出てきたものだが、図らずも、本人の9条観が露呈され、護憲派を傷つける偏見が露出する結果となった。この9条を相対化する想田和弘の9条観は、おそらく内田樹や山崎雅弘も共有するところのものだが、「僕は別に9条は世界の理想だから世界中に広めようとか、そういうことは考えていません」と言った小熊英二の主張とも符牒が合う。9条相対派の率直な意見であり、その拠ってきたる本質は脱構築のバイアスに他ならない。

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by yoniumuhibi | 2015-05-12 23:30 | Comments(9)

『あたらしい憲法のはなし』の中に「立憲主義」の単語がない事実

c0315619_1519812.jpg憲法を守るということはどういうことか。「憲法を守る」という日本語には二つの意味がある。一つは遵守する(observe、follow)の意味であり、もう一つは防護する(defend、guard)の意味である。「憲法を守ろう」と言うとき、この二つの意味の違いがあることに、今日、われわれはどれほど自覚的だろうか。こういう問題提起をどうしてするのか、その動機は、言うまでもなく立憲主義の問題にかかわり、その言説と観念にかかわってくる。私はこの問題に拘る。当世、立憲主義の意味として言われるところの、「憲法は国家が守るもので国民が守るものではない」という常套句は、「憲法を守る」の二つの意味から前者をオミットし、後者の一つだけにフォーカスしてしまっている。そうした思想状況が現実に存在することについては、多くの人に同意していただけるだろう。今年の憲法記念日の東京新聞でも、澤地久枝と竪十萌子が登場した特集面に、「憲法は国民を縛るものではなく、権力に歯止めをかけるものです」とメッセージが見出しされている。今、護憲派が憲法の意義を説得するとき、最初に訴えるコンセプトは立憲主義であり、立憲主義が護憲の看板になり支柱となった。observe the laws や follow the rules の側面は、護憲派の憲法観から全く捨象されるようになった。果たして、本当にそれでよいのか。憲法についての認識と態度として正当だと言えるのだろうか。

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by yoniumuhibi | 2015-05-08 23:30 | Comments(5)


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