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不安定な「ヘイトスピーチ」の定義 - 規制立法に「迫害」の用語を

c0315619_18322482.jpgいわゆる「ヘイトスピーチ」について、前の法務大臣だった松島みどりは、9/3の就任会見の席上、「定義がはっきりしているのか疑問」だと語っている。この見解は松島みどり個人のものではなくて、法務省、つまり日本政府の現在の立場の表明と言える。「ヘイトスピーチ」を法規制せよという声は、国内外から高まりを見せていて、特に国際社会からの要請に応える必要という点からは、もう一刻の猶予もない現状であることは間違いない。だが、一方、法規制する上においては、どうしても法律上の定義を明確にする必要があり、その定義が将来にわたって妥当し、この国で有効に適用されるものでなくてはならず、矛盾をきたしたり、すぐに手直しするような不具合が生じたりしては使いものにならない。司法当局の慎重な - すなわち消極的な - 姿勢は、それなりの理由がある。ネットを一瞥したかぎり、「ヘイトスピーチ」規制の立法化について日弁連のガイドラインが見当たらない。日弁連がこういう条文の立法措置をすべきと、そうコンセプトを具体的に明示すれば、国民の議論のたたき台になるのは確実だが、今のところその提案は示されていない。各政党は法案を検討作業中だけれど、意外なことに、社民党や共産党からの試案は未だ提出されていない。昨年の赤旗記事を見ると、共産党は「検討・議論が必要」と言うに止まっていて、規制立法の青写真について発表していない。

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by yoniumuhibi | 2014-10-29 23:30 | Comments(3)

大喧嘩時代 - 橋下徹・桜井誠・反原連系の今どきの政治の言語と様式

c0315619_2061038.jpg橋下徹と桜井誠の10/20の「乱闘」事件について考えている。やはり、巧妙に仕掛けられた計画的な政治だったと推論せざるを得ない。この時期に、何も大阪市長が在特会の会長を呼んで「面談」し、マスコミを100人も集めて撮らせる必要はなかった。大勢の報道陣を集めてイベントを開催し、「乱闘」騒動を起こしてメディアで拡散させたのは、きわめて意図的な政治であり、そこに周到な戦略と目的があったからだ。二人は派手な喧嘩をしているように修羅場を演出し、主張が真っ向から衝突しているように見せながら、実際にはWinWinの協力関係で政治目的を達成している。まさに八百長プロレスそのものだ。二人の狙いが何であったかは、この政治の結果を見れば簡単に理解できる。それは、次の3点に要約できる。①桜井誠の主張と著書をテレビが紹介して社会的認知度を一気に高めた。②マスコミが桜井誠を公共圏の政治的存在として認定した(異端解除)。③特別永住者制度の見直しがアジェンダ設定されて国会の場に持ち込まれた。本来、在特会の主義主張というのは、公共圏の中に持ち込んではいけない邪悪な性格のもので、それを政治の思想信条として認めて市民権を与えてはいけない危険なものだ。市民社会から隔離されるべき有害なもので、それを呼び込むことで市民社会が破壊される猛毒のペスト菌である。反社会的集団である在特会が、テレビ報道で紹介されるフラットな対象となった意味は大きい。

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by yoniumuhibi | 2014-10-24 23:30 | Comments(7)

桜井誠に吊るし上げられたマスコミ - 「ヘイト」批判への右翼の巻き返し

c0315619_1622530.jpg一昨日(10/20)は、「政治とカネ」での閣僚のダブル辞任があり、そして、大阪市役所で橋下徹と在特会の桜井誠との面談があった。ネットを見ていると、反響や影響は後者の方が大きい。実際には、面談というような平穏なものではなく、悶着とか騒動というべき不快な事件だったのだが、与えた衝撃と昂奮がとても大きく、2日経った今でも余韻が尾を引いている。余熱を冷ますかのように、Twや2chで話題に上がり、各人が感想を漏らしたり、他人の反応を気にして覗き込んだりしている。予想していたより、ずっと大きな問題になった。今年は大きな政治事件が続けざまに起こったが、この厭わしい「乱闘」騒動もまた、朝日叩きに続く大きな事件で、一つのキーモメントと言うか、時代のマイルストーンとして刻印される出来事だろう。ネット界隈の様子を見ると、世間の注目と関心は、「政治とカネ」の閣僚ドミノではなく、すっかりこちらに奪われていて、それだけ強烈なインパクトがあったことが察せられる。「政治とカネ」を脇に追いやる勢いだ。せっかく閣僚2人の辞任劇があり、安倍晋三が逆風に立つ政局が訪れ、さらに「政治とカネ」の嵐が吹き荒れようとしている好機なのにと、この事件の割り込みが何とも迷惑で苛立たしい。気づかなくてはいけないのは、桜井誠が今の日本の政治の主役である現実だ。そこに、期待や同調や反発や嫌悪や拒絶や不安や、さまざまな感情を集め、賛否の意見を巻き込みながら、台風の目の存在であることだ。

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by yoniumuhibi | 2014-10-22 23:30 | Comments(5)

秋国会を「政治とカネ」祭りに染めよ - 折田謙一郎の自殺に警戒を

c0315619_16545852.jpg政局が動き、小渕優子と松島みどりがダブル辞任となった。先週、小渕優子が国会の質疑で追及されている場面をニュースで見ながら、その答弁を聞いたとき、週明けに辞任かなとすぐに状況を推測できた。野党議員の質問に対して、「その件は、調査を進めておりまして、確認して週明けにお答えいたします」と釈明していたからだ。これはすなわち、「説明ができないので、週明けに辞任します」の意味である。後藤謙次が報ステで解説していたとおり、週刊新潮が発売され、国会で追及を受けた10/16から、小渕優子の腹は固まっていたように見えた。もともと、入閣したのは本人の希望でも何でもなく、安倍晋三が人気取りのために強く懇請してきたからで、大臣の職への未練や執着など全くない。ただ、組閣1ヶ月半で看板閣僚に引責辞任されたら、当然ながら安倍晋三の方の打撃は大きく、全力で慰留工作に出るのも見えていて、週末の時点ではどう動くか予測できなかった。マスコミは、NHK・産経・読売だけでなく、現在はほとんどの社が安倍晋三の直属の子分になっていて、本当なら、小渕優子周辺を取材して、辞任の方向、辞任は確実と騒ぎたて、永田町の空気の流れを作って行くのだけれど、安倍晋三の思惑に沿って報道を控え、日経だけを例外に、どこも辞任観測を流さなかった。安倍晋三の統制と台本どおりに書いている。が、結局、小渕優子の辞意が固く、引き留めに失敗し、仕方なくダブル辞任で局面を打開する手に出たのだ。昨夜(10/20)のNHKは、まるで安倍晋三の「英断」のように宣伝していた。

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by yoniumuhibi | 2014-10-21 23:30 | Comments(0)

閔妃暗殺と明治国家 (3) - 「謀殺と侵略の日本史」の自己認識

c0315619_18534287.jpgヤマト(倭・大和)とは、もともと奈良盆地の東南地域を指す呼称で、大和政権の拡張と共に征服した領域をその名で呼ぶようになり、さらに列島全体の国号となったものである。王権が出発したもともとの国の名が、支配を拡大した全域を指すようになるのは、秦や宋など中国の歴代王朝のパターンと同じだ。沖縄の人々は、本土の人間をヤマトンチューと呼ぶ。大和人。その後、7世紀に国号をヤマト(倭)から日本に変えた。閔妃暗殺の問題に考えを集中させると、どうしても、古代以来のこの国家と民族の歴史に思いを馳せざるを得ない。日本は、長い歴史の中で、何度か国家滅亡もしくは分裂の危機に瀕してきた。その最も近い経験は、69年前の1945年のことで、このとき歴史上初めて外国軍に全土を占領され、天皇制の存続も危うい事態になる。70年前の今ごろ、1944年の10月とかは、この国の誰もが、日本は滅びるのではないかと漠然と思ったことだろう。日本人も絶えてなくなる、民族が絶滅すると、そういう不安に苛まれていたはずだ。663年、白村江の戦いに敗れた直後、天智朝が近江京の要塞に逼塞して「本土決戦」を覚悟していた当時も、まさにそういう恐怖と焦燥にかられていた時期だっただろう。そろそろまた、同じカタストロフに直面する時節ではないかと、私はそう感じている。そして、今度こそ、国家(日本)と民族(日本人)が滅びるのではないかと、悲観の念を強くしている。その根拠はと言えば、司馬遼太郎が逝く前にそう予言を残していたからだ。

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by yoniumuhibi | 2014-10-17 23:30 | Comments(4)

閔妃暗殺と明治国家 (2) - 幕末に準備されていた征韓論

c0315619_1655324.jpgいわゆる高文研スタディーズ、とそう私は勝手に呼んでいるが、安川寿之輔の丸山真男批判や中塚明の司馬遼太郎批判を読んでいる。すぐれた研究業績であり、きわめて有意味な歴史認識の問題提起だ。多くの人に読んでもらい、議論の中味を知ってもらいたい。それらを踏まえた上で、私の見解や反論も上げたいと思うが、それにはもう少し準備の時間が要る。観点と着想はあって、当然ながら、それは脱構築主義批判の動機からのものだ。そうした大きな問題を意識しつつ、閔妃暗殺と明治国家について続きを論じたい。年を重ねると、いろんなことが新しい視点から見えてくるようになる。今までに考えたことがなかった発想が不意に思いつく。なぜ、東アジアの中で日本だけが近代化に成功し、朝鮮と中国は失敗して取り残されたのか。この問題は、20世紀の日本の社会科学がずっと格闘してきた核心的なテーマであり、経済学から、政治思想史から、多くの先哲がアプローチして持論を展開してきた重要な問題系だった。日本の社会科学は、この問題に取り組んで論争をする中で理論を発展させ、方法的財産を増やし、水準を高めてきたのであり、日本の社会科学の古典の宝蔵には、この問題に挑んで(後に)標準的な学説となった理論研究の諸作品が収められている。その代表的なものが、①講座派と労農派の日本資本主義論争であり、②丸山真男の「日本政治思想史研究」である。

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by yoniumuhibi | 2014-10-15 23:30 | Comments(5)

閔妃暗殺と明治国家 (1) - 閔妃(明成皇后)とは何者なのか

c0315619_1724335.jpg韓国の地検が産経の前支局長を在宅起訴したのが10/8で、この日は偶然にも、119年前の1895年に閔妃暗殺事件が起きた日だった。在宅起訴の件をニュースで知ったとき、一瞬、脳裏に閔妃暗殺の歴史が過ぎり、ネットの情報に目を通していたのだけれど、そうしたら、何と同じ日の出来事だという「偶然」に気づき、愕然とさせられたのだった。その衝撃と昂奮のまま、一週間が過ぎようとしている。これは偶然の一致ではなく作為の政治であり、韓国政府からの暗喩のメッセージに違いないと、日を追う毎に確信を深めている。閔妃の問題について書かなくてはいけない。まず、日本史の教育の問題だ。私が高校で日本史の授業を受けたとき、閔妃暗殺事件は教科書に載っていた。と言うより、角田房子が「閔妃暗殺」の表紙に使っている閔妃の写真が、教科書のページに大きく載っていて、きわめて鮮烈な印象として残った。事件そのものが何とも不気味で不可解だったが、全体が薄暗いトーンで撮影された肖像の、特にプレッツェルの形状をした大きなかつらの姿が異様で、授業中にずっとその写真に見入っていた記憶がある。教科書は家永三郎著の三省堂のものだった。最近の若い世代は閔妃を知らないという噂があり、まさかと思い、手元にある山川出版社の1996年発行の教科書を確認したところ、驚いたことに閔妃暗殺の記述がなかった。エッと絶句させられたまま、信じられない気分で時間が経っている。標準と言われた山川の教科書の、本文にも欄外にも閔妃の記述がなく、索引にも名前がない。

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by yoniumuhibi | 2014-10-14 23:30 | Comments(6)

韓国叩きのファシズムに抗せ - 朴槿恵大統領の決断と矜持を支持する

c0315619_1715281.jpg一夜明けた今日(10/10)、韓国叩きのファシズムがさらに苛烈で容赦ない状況になっている。朝日が韓国叩きの社説を上げている。毎日の社説も韓国を厳しく叩いている。東京新聞の社説も韓国叩きに加わっている。北海道新聞の社説まで追随。これらの社説の主張は、どれも尤もな正論なのだけれど、自分たちの言論が韓国叩きのファシズムの一部を成していて、日本国内を反韓ナショナリズムの空気一色に染め上げているという問題について、どこまで客観的に自覚しているのだろうか。ついでに言えば、社民党共産党も、韓国叩きのコメントを幹部の名前で発表している。つい1ヶ月前に見たところの、池上彰の事件から一気に高揚した朝日叩きの付和雷同と疾風怒濤が、まさに相手を韓国に変えて同じ形で盛り上がっている。再現されている。東京新聞は、ネットの左派には評判のよい新聞だが、今日の社説は読売のそれと全く同じ論調で、何も異同を感じない。知らない者が読み、読売の社説だと言われても頷くだろう。今日の新聞の社説は、まさにオールジャパンの一枚岩で、ナショナリズムが発揚している政治的現実そのものだ。東京新聞の社内で、踏み止まった方がいいと声を上げた者はいなかったのだろうか。敢えて異端の立場を選ぶことで、日本国内を一色(=束=ファッショ)に塗りつぶすことを防ごうと、独立不羈のジャーナリズムの精神を発揮しようとする者はいなかったのか。逆風を覚悟して、日本国内に少数意見の在処を示そうと、そういう勇気と気概を持ったサムライはいないのか。

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by yoniumuhibi | 2014-10-10 23:30 | Comments(4)

韓国司法による在宅起訴を支持する - 隣国元首への悪質なデマと性的侮辱

c0315619_1654255.jpg昨夜(10/8)、報ステを見ていたら、韓国の朴槿恵に対する名誉毀損の問題で、産経の前ソウル支局長が在宅起訴された報道があった。そのニュースに古館伊知郎がコメントを加え、厳しい口調で韓国を非難する一幕が続いた。今日(10/9)の朝日の紙面でも、1面と3面に記事が載っていて、韓国側を強く批判する論調になっている。見出しを並べると、「韓国、異例の起訴強行」「国内外から懸念」「報道萎縮の可能性」などである。日本国内のマスコミで、韓国側の立場への支持を表明する社はおろか、中立で静観している社は一社もなく、全社が口を揃えて猛然と韓国政府を叩いている。ネットを見ても、朴槿恵と韓国へのバッシング一色で、反原連シンパの左翼系の小僧まで右翼の合唱隊に混じって韓国叩きを絶叫している。1ヶ月前の池上彰と朝日叩きの事件を彷彿させられる様相になってきた。ファシズムの波だ。焦る。ここは、どうしても少数意見の立場から論陣を張らないといけない。日本国内に、韓国政府の姿勢と措置を支持する声があることを示す必要がある。日本国内が反韓右翼のファッショに染まっていないこと、その流れに抗して踏ん張る少数派がいることを証明しないといけない。少数派が健在でなければ民主主義にはならない。したがって、私は韓国叩きに与せず、同調せず、異端の立場を選んで即くことにする。天邪鬼の論に徹する。この2年間ほど、本当に目眩がするほど韓国叩きの報道と情報に漬け込まれてきた。

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by yoniumuhibi | 2014-10-09 23:30 | Comments(9)

樋口直人の「ヘイトスピーチ」論の盲点 - 極右と保守は切り離せるのか

c0315619_16515634.jpg朝日の10/2のオピニオン面(15面)に、「ヘイトスピーチへの処方箋」と題された特集が載っている。そこに、樋口直人、師岡康子、坂口正二郎の3人が登場し、いわゆるヘイトスピーチの法規制について、賛成と反対の両論jから議論が紹介される構成になっている。弁護士の師岡康子が賛成論、憲法学者の坂口正二郎が反対論。二人の主張は賛否の立場の代表で、どちらの議論にも納得させられる。暴力から被害者の人権を守るため、早急に対策をとらなくてはいけない問題でありながら、同じく人権上の懸念から、法整備への踏み込みを簡単に判断できない問題でもある。賛否については別に論じたいが、この企画で注目したのは、「極右を保守から切り離せ」と題した樋口直人の整理と提議であり、違和感を感じた点が二つほどあったので論評したい。45歳の社会学者である。おそらく、今回の論壇デビューの後、朝日や左派の雑誌に頻繁に顔を出し、この系統の専門の論者として活躍することになるだろう。最近の古市憲寿や嘗ての宮台真司を想起させられる。何度も、何十年も見続けて、溜息をつかされてきた光景だ。この手の「若い社会学者」を、マスコミは珍重して商売に使う。この国の市場は「若い社会学者」を消費して喜ぶ。新商品を飽くなく求める。脱構築のアカデミー芸人の世界。最早、批判する体力も気力も失せた。樋口直人がその先入観を否定する新星であることを願うけれど。

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by yoniumuhibi | 2014-10-06 23:30 | Comments(6)


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