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Nスペ『STAP細胞 不正の深層』 - 説得的だった笹井芳樹の解体と描写

c0315619_16555980.jpgNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」は大きな反響を呼んでいる。NHKの毅然としたジャーナリズムが評価され、この事件の行方に気を揉んでいた国民に希望の光を取り戻させた。安倍晋三と下村博文の横槍で、小保方晴子の処分が延期されて「再現実験」の特赦となり、早稲田の博士号までヴィシンスキーによって安堵されるという悪夢の進行が続き、いよいよ日本の科学も北朝鮮と同じ暗黒に堕したかと、そう落胆して焦燥していたこの国の多くの人々にとって、この番組のチャレンジとエクセレンスは救いと励ましを与える光明となった。挫かれかけていた理性と良識と正義を信じる心を、再び立ち直らせる力を与えてくれたと、そう言うことができる。制作したNHKのスタッフに、あらためて拍手と声援を送りたい。逆に、不正の側は追い詰められた。放送が投げかけた告発と批判に対して、三木秀夫は何の有効な反論もできず、ヒステリックな感情論で反発しているだけだ。この半年間、ずっと同じだった。鉄面皮で開き直って虚勢を張り、感情論で空騒ぎし、詭弁が通じなくなると、権力(安倍晋三・下村博文)の内懐に逃げ込み、右翼カルト権力の介入と庇護で破滅を免れてきた。小保方晴子らが破局を逃れ、身を安泰にさせて時を稼いでいる醜悪な過程は、後に科学史に世界三大不正事件の一つとして刻まれる経緯説明の一行一行であり、日本の科学の信頼と実績が損壊して、尊いブランド・エクイティが泡と消えている一日一日である。

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by yoniumuhibi | 2014-07-30 23:30 | Comments(15)

Nスペ『STAP細胞 不正の深層』 - 小保方晴子は若山研からES細胞を盗んでいた

c0315619_16412443.jpg昨日(7/27)のNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」は、よく出来た良質のドキュメンタリー番組だった。制作スタッフの鋭気と執念がよく伝わった。おそらく、安倍晋三や下村博文からのNHK上層部を通じた圧力は凄まじいものがあり、現場に脅しや妨害が入っていたに違いないが、そうした厳しい環境の中で、よくあれだけの作品に仕上げたものだと拍手を送りたい。番組にはNHKらしさがあり、NHKらしい特集報道のオペレーション・エクセレンスが感じられた。並々ならぬ意気込みは、山根基世がナレーションを担当したことからも察せられた。NHKが日曜夜9時放送のNスペに山根基世を起用するということは、その番組に格別の重みを置いたことを意味する。山根基世があの口調で語ると、視聴者の心に響く説得力がまるで違う。今後、官邸や自民党からNHKに不当な横槍が入るだろうが、NHKにはそれに屈せずに取材と報道を続けて欲しいと思うし、Nスペでのこの事件検証の続報を期待したい。本の出版もお願いしたい。私の想像だが、おそらく、藤原淳登ら取材陣は、6月末に理研から懲戒処分の決定が下され、事件が大きな山を越えると想定、その楽観的な見通しを前提に、夏休み向けの教育啓蒙番組としてこの特集を企画していたのだろう。状況が変わり、政権が全面的に小保方晴子を支援する姿勢に固まり、ネットとマスコミ他社が小保方擁護に旋回したため、このジャーナリズムはタフなチャレンジとなった。

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by yoniumuhibi | 2014-07-28 23:30 | Comments(23)

丸山真男を守らなかった「丸山学派」 - 全共闘事件と「ある日の津田博士と私」

c0315619_18364555.jpg前回の記事で、7/19に放送されたNHKの丸山真男特集の番組に小さな誤りがあることを指摘した。誤謬というよりも、瑕疵といった方がいいかもしれないし、制作したスタッフは、それを重大な誤りだとは認識していないだろう。助手となった丸山真男が日本政治思想史の研究を始めたことが、本人の意志と選択によるものではなく、南原繁の指示と計画によるものだったこと、その点をNHKは省略して説明を飛ばしたのだが、NHKにすれば、90分しかない番組にその経緯と事情を詰め込んで説明を膨らませるのは、全体の構成の時間配分から考えて不具合で、面倒だから端折ってしまえという判断がはたらいたのに違いない。しかし、一般向けの丸山真男論の教科書を作るときに、この事実を概説内容から落とすことは、私には到底容認できないことだ。山口二郎が言っていたように、戦後は、まさしく丸山真男(たち)が作ったから始まったのだけれど、それは実は戦前から始まっていたのであり、あのファシズムの暗黒の時代空間の中に、それに抵抗するアンチテーゼが生命体として胚胎されていたのである。そのシンボリックな契機こそ、南原繁と丸山真男の出会いのドラマであり、特高体験を持った学生を庇護し、右翼の圧力に抗して新設の東洋政治思想史講座をリベラル・アカデミーに確立するべく立ち向かうという、知識人の意地と大胆不敵な挑戦に他ならない。われわれはその歴史に負っている。だから、この物語を割愛してはいけない。

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by yoniumuhibi | 2014-07-25 23:30 | Comments(5)

南原繁の勇気と挑戦 - ファシズムの中の「東洋政治思想史」講座

c0315619_17492916.jpg前回の記事で、7/19にNHKで放送された丸山真男特集について、「間違った説明は特になかった。基本的に正しい」と書いたが、一点、訂正が必要と思われる部分があり、気になったので触れておきたい。錚々たる面々が制作に関与していながら、これはどういうことかと首を傾げたが、番組では、丸山真男が卒業後に助手に進んだとき、自ら研究テーマを日本政治思想史に選んだという説明になっていた。自発的に、自らの問題関心で、過去(徳川期)の思想史の探求に踏み出したという整理が示された。番組の進行では、その前に例の一高時代の特高体験があり、それを契機に、本人が何らか日本の過去からの思想に問題意識を持ち、自ら積極的に研究を始めたのだと概説された。何も知らない者は、この「自然な流れ」に頷いてしまう。だが、これは全く事実と違う。そのことは、熱心な丸山真男の読者でなくても常識の範疇と言えるだろう。NHKの標準の教育番組なのだから、基本的な史実の紹介で誤りがあってはいけない。丸山真男が研究対象として日本の政治思想史を選ぶことになったのは、本人の希望や意志によるものではなく、師となった南原繁の勧告と指示であり、南原繁の計画と深慮によるものである。それはまさに、今日から振り返って、奇跡の英断の歴史だったと言えるのだけれど、そのときの学生の丸山真男にとっては、南原先生に困惑の課題を与えられて、渋々と取り組むことになった対象だった。

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by yoniumuhibi | 2014-07-23 23:30 | Comments(2)

NHKの丸山真男特集の作為 - 正統を簒奪し私物化する官僚アカデミー

c0315619_16321986.jpg7/19の夜、NHK-Eテレで90分の丸山真男の特集番組が放送された。『戦後史証言PROJECT 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち』という長いタイトルのシリーズの、その第3回として制作されたものだ。先週(7/12)、第2回は鶴見俊輔の特集だった。EテレのETV特集は、2年前の2012年に『日本人は何を考えてきたのか』と題した全12回の大型シリーズを放送したが、今回はその続きとなる戦後編の企画で、おそらく同じスタッフが担当している。第4回は司馬遼太郎が予定され、半年後の来年1月に後半の第5回から第8回があることが案内されている。番組の内容は、丸山真男の紹介としてコンパクトに纏まった良質なものだった。丸山真男について何も知らない者が見て、有益で参考になる情報であり、百科事典的な「丸山真男」の知識を提供するものである。そう評価できる。NHKが丸山真男について番組を制作するのは、死の直後の1996年11月に放送した『丸山真男と戦後日本』以来二度目のことで、18年ぶりの取り組みである。18年の歳月が流れているから、番組スタッフは代替わりしているに違いないが、今回の制作メンバーは、どうやら前作の『丸山真男と戦後日本』をかなりよく見ていて、前作と同じ趣旨と基調の作品に仕上がっていた。前作がよく反映されている。映像の登場人物にも前回と同じ顔ぶれが並び、基本的に同じ言葉で丸山真男の思想を説明した。

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by yoniumuhibi | 2014-07-21 23:30 | Comments(3)

衝撃と戦慄の早稲田調査委報告 - 安倍晋三の恣意と寵愛と横車

c0315619_17265336.jpg昨日(7/17)発表された、早稲田調査委による小保方晴子学位安堵の報は衝撃だった。不条理はガザだけではない。世界人権宣言とパレスチナのブラックジョークは、研究活動のガイドラインと小保方晴子との関係にも当て嵌まる。今回の調査結果は意外なものだった。理研の懲戒委が小保方晴子に処分を下すかどうかは、いわゆるトカゲの尻尾切りの問題があり、裁判を恐がって理研が慎重になる事態が想定されたが、早稲田の場合にはそうした事情が絡むことはなく、判断に支障が及ぶ条件は何もない。早稲田が小保方晴子の博士学位を取り消す決定を出しても、単に遅くなったことが問題であるだけで、世論から批判を浴びるということはない。あの博士論文に関しては、小保方晴子側にそれを正当化する余地は全くなく、不正が確認されて学位が剥奪されるのが当然だった。どうして、早稲田はこのような行動に出たのか。それはタイミングに関係がある。これは、7月末の丹羽仁史の中間報告に影響を与えるための政治だ。下村博文と安倍晋三の理研への一撃だ。7月末の理研の「検証実験」の中間報告は、一瞥したところ理研の態度はハーフハーフで、もう「STAP細胞はない」と正直に結論を出して、この問題から手を引きたいという気分も窺えるし、同時に、下村博文からさらに強烈に圧力がかかってきたら、「STAP現象がないとは断定できないので引き続き『実験』を続ける」と言って逃げる可能性も見えていた。

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by yoniumuhibi | 2014-07-18 23:30 | Comments(20)

「暴力の応酬」って言うな! - 世界人権宣言とガザの屠殺の不条理

c0315619_16313610.jpg世界人権宣言には次のように書かれている。「第3条、すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。第5条、何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。第6条、すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。第7条、すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する」。いつも思うのは、どうして世界の中で、パレスチナに住む人々だけが、この高尚な宣言の例外に置かれているかということだ。1948年の第3回国連総会で採択され、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として、いわば世界の憲法として尊重され遵守されているはずのこの人権宣言の適用と効力から、どうしてパレスチナだけが除外されるのかということだ。そしてまさに、この私の素朴な疑問への痛烈な回答と言うべきか、第2条にはこうも念入りに書いている。「(すべて人は)、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他の何らかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない」。何という壮大なスケールのブラックジョークだろうか。安保理でガザ問題を討議するときは、これらの条文を太字でパネルにしたものを、あの丸テーブルの中央に置くべきだ。

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by yoniumuhibi | 2014-07-16 23:30 | Comments(6)

滋賀県知事選の政治 - 僥倖の朗報、福島への期待、再稼働の政局

c0315619_1512587.jpg滋賀県知事選で自公候補が敗北した。朝日と毎日と日経の編集部は、この結果に安堵していることだろう。この選挙結果ほど、「安堵」という言葉がぴったりくる政治はない。重苦しかった気分が少し軽くなり、絶望の中で微かに希望の光を見出す心理状態になった感がある。絶望と閉塞の状況は何も変わらないのだけれど、鬱病を発症するところまで追い込まれずに済んだというのが正直な感想だ。その意味で、このニュースを届けてくれた滋賀県民に感謝したい。微かな希望というのは、10月の福島県知事選のことである。あくまで希望的観測にすぎず、庶民目線の楽観論の吐露にすぎないが、今回の情勢の僥倖を受けて、小泉純一郎と細川護煕が福島県知事選に向け再起動を始め、それを脱原発を争点にした大型の政治戦に組み上げ、自公候補に勝利する図へと持ち込むことを希う。そういう期待と願望を持って、厳しい酷暑の日々を生活することができる。安倍晋三の主観では、今回の選挙に勝つ予定であり、確実に勝てると踏んでいたのだろう。だから、投票翌日の7/14から2日間、衆参予算委で集団的自衛権を集中審議する日程をセットしたのだ。その場で野党とマスコミのカメラに向かって、「滋賀県知事選の結果を見て下さいよ」「これが民意じゃあないですか」と啖呵を切るつもりだったのに違いない。選挙に敗北する想定はなく、裏目に出るリスクは計算になかった。暴君で倨傲な安倍晋三らしい。

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by yoniumuhibi | 2014-07-14 23:30 | Comments(7)

盧溝橋事件の歴史認識 - 「暴支膺懲」の論理と衝動、謀略前夜の今昔

c0315619_1721715.jpg侵略戦争だった日中戦争について、「軍部の暴走によるもの」として総括し、軍部だけに責任をかぶせる歴史認識があること、その観念が戦後に一般的に定着し、われわれもそうした教育を受けてきたこと、さらに、21世紀の現在でもその認識が歴史教科書の基調であることを、前回の記事で指摘した。最近、少し議論されていることとして、中国の側が、国交正常化と日中友好の際に、侵略戦争の責任について、やはり、「軍部と一部の軍国主義者によるもの」とした歴史認識の問題がある。この中国側が定義した侵略戦争の歴史認識を、われわれは中国側による独自のものと思い込んでいるけれど、今から考えれば、その由来は、先に日本側に原型があったのであり、日本で一般的に定着していた歴史認識をベースに中国側も共通認識として採用したものだということが分かる。まさに、コンパチブルな歴史認識だ。歴史認識をコンパチブルにさせないと国交正常化はできない。原因と責任を「軍部」と「一部の軍国主義者」に押し被せ、日本の政府と国民と昭和天皇を免責した歴史認識を、日中は双方で採用して「正史」に据え、国交正常化すなわち戦争の後始末をしたのである。それは、政治的で、妥協的で、仮構的で、タクティカルな歴史認識だったと言える。戦前日本の上から下までの毒々しい悪魔性に目を瞑った歴史認識だった。そのとき、戦後も連続して生きていた政府(官僚)と国民と天皇は、責任がロンダリングされてシロが確定した。

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by yoniumuhibi | 2014-07-12 23:30 | Comments(7)

盧溝橋事件の歴史認識 - 朝日の社説、辺見庸のBlog、高校教科書の記述

c0315619_15494628.jpg盧溝橋事件から77年の日の7/7、習近平が現地での記念式典に参加して演説、そのニュースが日本国内で大きく取り上げられた。国家の最高指導者がこの式典に出席するのは異例のことらしいが、日本のマスコミはこれを「日本批判」の動きとして否定的に報道、習近平と中国共産党が歴史問題で安倍政権に対して揺さぶりに出て、中国国内向けに「反日宣伝」の工作を強化したと意味づけた。7/9の朝日の社説はこう書いている。「『侵略の歴史を否定、歪曲、美化しようとする者を中国と各国の人民は決して認めない』と習主席は述べた。安倍政権への批判であることは明らかだ。(略)習政権の歴史問題をめぐ日本バッシングは際立っている。露骨な政治利用の姿勢には首をかしげざるを得ない」。産経ではなく朝日の社説がこう書いている。これは、菅義偉が不快感を示して反論したところの、「いたずらに歴史問題を国際問題化することは、地域の平和と協力のために何ら役に立つものではない」という主張と同一の立場の論調だ。右傾化した日本のマスコミの反中プロパガンダには、私自身も、もうすっかり漬け込まれて感覚が麻痺している一人だが、相対的にリベラル寄りと評される朝日が、このような悪辣な中国叩きを堂々と社説でやり、反中ナショナリズムの扇動をやっていることに、あらためて愕然とせざるを得ない。読売やNHKではなく、朝日新聞がこうなのだ。

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by yoniumuhibi | 2014-07-10 23:30 | Comments(3)


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