<   2014年 04月 ( 14 )   > この月の画像一覧

米国とフィリピンの新軍事協定 - 米軍の駐留経費を負担するのは誰か

c0315619_1423994.jpg朝日の昨日(4/29)の1面トップに、米国とフィリピンが新しい軍事協定に調印した記事が載っている。米国は、海洋進出する中国を牽制するべく、フィリピンに再駐留する決定をした。新協定の骨子を見ると、(1)比軍合意の下、米軍による比軍施設の利用が可能、(2)米軍滞在のための施設建設も比軍敷地内で可能、(3)米軍の派遣場所、規模、頻度は別途協議、などの項目が並んでいる。22年前の1992年にフィリピンから完全撤退した米軍が、再び戻って部隊を駐留させることになった。報道では、海軍のスービック基地と空軍のクラーク基地が拠点として重視されているとある。1986年の民主化革命の後、フィリピンは米軍の撤去一掃を実現し、憲法に外国軍駐留禁止の条項まで書き入れたのに、今回の新協定は何とも残念な事態だ。1995年、沖縄で米兵による少女暴行事件が起きたとき、20年前だが、当時のマスコミは今よりずっと健全で、久米宏のニュースステーションが撤退後の米軍基地跡地の再利用を特集報道していたことがあった。両基地ともにフィリピン政府によって経済特区に指定され、再開発事業が興され、海外からの企業進出を呼び込んで投資と雇用の拡大を実現してきた。沖縄もこうやって発展が可能なのだと、フィリピンを見倣うべきだと、当時のテレ朝やTBSの報道番組はフィリピンを取材してメッセージしていた。時間が経つと何もかも変わる。悪い方向に。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-30 23:30 | Comments(1)

尖閣有事の警戒を弛緩させるリベラル系の「安心理論」と米国依存症

c0315619_12451654.jpg日米首脳会談でオバマが尖閣への安保条約適用をコミットした問題について、いわゆるリベラル系はそれを過小評価する論を一斉に上げている。孫崎享や田岡俊治などがそうだ。このコミットがあったからと言って、尖閣での武力衝突の可能性が大きくなったわけではなく、また、米軍が中国軍と即戦闘を始めるということにはならないと言っている。寺島実郎などもこの意見だろう。これらの面々は、従来からずっとこの基調の主張を続けていて、米国は中国と親密で良好な関係を維持することを望んでいるのだから、尖閣などのために中国と戦争する気などさらさらないと言い続けている。かかるリベラル系の言説と論陣は、尖閣での国防の危機を唱えて対中国ナショナリズムを煽り、日米同盟強化と中国撃退を言い散らしている右翼のプロパガンダに対しては、一つの対抗言論となっていて、過熱する右翼系の中国打倒論に冷や水をかける一つの説得力となっている点は間違いない。また、この認識が、全く根拠のないものではなく、米国のリベラル系の意思や展望とも平仄の合ったもので、米国の中のリベラルが、右翼日本と心中して米国が中国との戦争に巻き込まれる事態を懸念していることも事実だろう。孫崎享や寺島実郎の日米関係論や米中関係論は、米国のリベラル派の思惑の代弁でもある。しかし、彼らの「慎重な見方」は、現実の認識において必ずしもリアルとは言えず、主観的願望を投影した「安心理論」になっている点も否めない。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-29 23:30 | Comments(8)

最悪の結果となったオバマ訪日 - 日中戦争突入へ後顧の憂いなし

c0315619_17592349.jpg昨夜(4/24)、日米首脳会談の結果を伝えて論評する内容が、NHKとテレ朝ではあまりに違っていて、そのことに驚かされた。NHKのニュースでは、オバマが尖閣に安保5条を適用することを明言した事実が大きく打ち出され、また、集団的自衛権の行使容認を歓迎したことも強調され、「満額回答」が宣伝される奉祝報道になっていた。例の岩田明子が登場して、中国を軍事的に牽制するメッセージを米国の大統領の発言として引き出すことに成功した安倍晋三の成果を、日本の成果として賛美する説明で終始していた。一方のテレ朝の方は、ワシントン支局長の新堀仁子が解説として出演、NHKとは逆に、オバマが安倍晋三に対して中国との間で緊張を高めないよう釘を刺した点に焦点が当てられた。NHKのニュースでは、この部分は省略されていて、報ステを見ながら、オバマの安倍晋三への警告がかなり厳しく率直な中味であったことを知らされた。朝日の2面にオバマの発言が書かれている。「対話や信頼醸成の取り組みがなく、事態の悪化を見続けることは大きな過ちだということも安倍首相に伝えた」。また、「私は安倍首相に、事態を平和的に解決し、挑発的行動を取ってはならないと強調した」という発言があったという記事もある。オバマの日中関係をめぐる発言は、明らかに二面性があったわけだが、どちらに光を当てて強調するかで報道は全く異なってくる。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-25 23:30 | Comments(6)

小保方晴子事件の思想構造 - 日本人の「再魔術化」を考える仮説

c0315619_1874950.jpg記事のコメント欄に次の真摯な問題提起があった。「この事件がもし高度成長期に起こったならば、人々の反応はもっと違ったものになっていたと思います。こんな宗教のように『Oさん可哀想』を呪文のようにとなえることはなかったでしょう。ブログ筆者さんがおっしゃるように『再魔術化』が起こっているのだと私も思います。どうして『再魔術化』が起こってしまったのか。私は本当に知りたいです。今のままだと日本は、日本人は駄目になってしまうと思うからです」。このコメントを読んで、しばらくの時間、心が固まって立ち竦む感じになった。この意見に私も同感だ。そして、この問いにどう答えようかと息を詰めて考えた。小保方晴子の事件を追いながら、思い浮かぶことが幾つかあった。命を賭けてソフィストと闘い、知の意味を説いて残したソクラテスの倫理思想。法律と科学の知識が縦横に駆使された、全盛期の立花隆の鋭いジャーナリズム。「白い巨塔」「運命の人」の作品で山崎豊子が描いた、骨太で透徹した社会ドラマと人間の真実。ノスタルジーとして、欠乏と不足として、対置すべき珠玉の契機として、象徴的に想起される。そこからさらに、連想はどんどん弾みをつけて滑走し、関連を暗喩する新しいモメントが思考に立ち現れ、この問題の本質的意味を解く着想(仮説)へと繋がっていく。今日は3点、新しい論点を書きたい。第一は、振り込め詐欺であり、第二は、「人にやさしい」社会であり、第三は、光市母子殺害事件である。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-23 23:30 | Comments(27)

「STAP細胞」から「STAP現象」へ - 定義を改竄する理研のアルケミー

c0315619_16305047.jpg当初、笹井芳樹についてはシロだと確信していた。笹井芳樹が捏造に関与しているという疑いは抱いていなかった。その理由は、不正に手を染める動機が考えられないからであり、功なり名遂げて科学世界の雲上人となり、いずれ文化勲章も首にぶら下げる身の笹井芳樹が、そのような人生を棒に振るリスクを冒すとは思えなかったからである。心証が変化したのは、4/16の会見を見てからだ。言い逃れと他者への責任の押しつけに終始した醜い口上を聞き、そして、小保方晴子と共に「STAP」論文のNature採択に狂奔した2013年の姿を想像し、さらにそこから、今年2月の疑惑発覚後の二人の不審な行動を訝ると、本人も何らか改竄や捏造にタッチしていたのではないかという疑念を拭い去れない。大隅典子の反論記事は、笹井芳樹が「STAP細胞」の存在を合理化する根拠の3点全てに対して、真っ向から疑義を唱えて反駁し、「STAP細胞」そのものが捏造の産物ではないかとする見解を示している。もし仮に、大隅典子の記事のコメントが指摘するように、ライブセルイメージングの観察と解析のプロセスで、そこに操作や偽装が入っていたなら、笹井芳樹の関与は免れないことになるだろう。笹井芳樹には不正の動機がないと思った。だが、よく考えれば動機はあるのだ。それは、後から、下から這い上がってきて、自分を追い越した山中伸弥へのリベンジの執念である。人間の欲はどこまでも深く、男の嫉妬は凄烈だ。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-22 23:30 | Comments(3)

笹井芳樹の「STAP細胞」捏造の関与疑惑 - 大隅典子の告発から

c0315619_14453118.jpg週末、「STAP細胞」の問題を考えながら、あらためて4/4の山中伸弥の国会答弁に意味深い内実があることを思い知らされた。山中伸弥はこう言っている。「僕たちは(ノートを)出さない人は、『不正をしていると見なします』と言明しています」。この発言は、婉曲的ながら、小保方晴子の「STAP細胞」研究が十分に信用できないものだということを示唆しつつ、指導者の立場からの教育論に変換し、理系の学生や研究者たちに自然科学の正規の方法を諭したものだ。この話を聞いたとき、私だけでなく誰もがそうだろうが、後者の意味にアクセントが置かれていると感じた。科学教育の一般論が説かれ、この事件の教訓として念押しされていると受け取った。だが、笹井芳樹の会見を聞き、2013年のNature論文について内情を知り及んでくると、山中伸弥のこの言葉が、単なる科学教育の訓範を垂れたものではなく、もっと鋭く深い含意があったことが察せられてくる。われわれは、小保方晴子の実験ノートの問題について、それをかなり善意に解釈してしまっていたようだ。本人が未熟で、記録の要領や定則をよく心得ず、実験そのものも粗雑だったため、結果的にノートに中味がなく散漫になったのだろうと、そう安易に理解していた。しかし、どうやらそれは誤解なのだ。山中伸弥の言葉のとおり、小保方晴子は不正を意識し、不正を隠蔽するために故意にノートを杜撰な態様にしていたのである。オーディットの目を眩ますため。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-21 23:30 | Comments(18)

笹井芳樹の陥穽 - Nature論文リバイズを「企画」した責任者は誰なのか

c0315619_17931.jpg昨日(4/16)、午後3時から笹井芳樹の会見があった。3時間以上の長丁場の会見で、見ているうちに頭がパンクしそうになり、すっかり疲労困憊してしまった。4/9の小保方晴子の会見時のグロテスクな狂躁と較べると、今回は記者の質問にまともなものが多く、問題の真相に切り込み、笹井芳樹の責任を追及し、「STAP細胞」の虚偽を暴こうとする営為が感じられ、そのことに安堵させられた。特に、医療ジャーナルと日経サイエンスの2人の女性記者の質疑が印象的で、この2人にもっと長い時間が与えられれば、「STAP細胞」の破綻がよく露呈される顛末と効果になっただろう。この2人は科学ジャーナリストの知性として合格だ。医療ジャーナルの記者には不正を糺して真実を究明しようとする熱意があった。日経サイエンスの記者は冷静で論理的に追い詰めていた。いいコンビだ。もう一つ、少なからず溜飲を下げさせられたのはNHKの7時のニュースである。冒頭から二つ目の話題としてこの件が出た。その中味の評価ではなくて、よくあの生放送までの短時間でポイントを整理し、こういう会見だったと要旨を纏め、原稿を書き、批評を加え、映像を編集してニュースのパッケージに仕上げたものだと、その早業に感心させられたのである。プロの技能に驚嘆させられる。会見が終了したのは午後6時過ぎだった。わずか1時間足らずで、あのように見事に情報処理して報道したのだ。恐るべし、NHKの力業。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-17 23:30 | Comments(32)

親の顔が見てみたい - 脱構築教育の最高傑作としての小保方晴子

c0315619_1729916.jpg長く生きていると、世の中というのはどんどん変わる。10年、20年経つと、社会の外形や風景は同じでも内実は相当に変容してしまっている。まして、30年、40年経つと、変質していない方がおかしいのだ。日本国憲法はある。条文は何も変わってない。しかし、憲法の実態というか、この国の法制度の中味は大きく変わり、国防と治安法制の現実を見れば、そしてまたNHKやマスコミの報道を見れば、この国が日本国憲法が生きていない国であることは一目瞭然だ。むしろ、エリートとして国家や組織の要職にある者たちは、両陛下を除き、現行憲法を真っ向から否定し、憲法の理念とは正反対の思想を担いで生きている人々だ。この国には<裏の憲法>が生きている。<裏の憲法>が各実定法を制定させ、教育や外交や他の行政を方向づけ、マスコミの報道と言論を拘束している。30-40年前は、不完全ながら憲法が生きている国だった。憲法の理想と精神を支える人たちが、多くの現場にいて、若い私たちを見守り育ててくれていた。30-40年前と較べて、地上に生きる人の内面がすっかり変わり、価値観が変わり、嘗ての常識が常識でなくなっている。そのことを、今回の小保方事件は痛感させられる。昔であれば、かかる不正事件の発覚後、これほどの同情論が噴出することはなく、擁護派が多数を占めるということはなかった。小保方晴子がヒロインとして世間の支持と共感を集めるという社会現象は考えられなかった。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-15 23:30 | Comments(22)

「不服申立書」の詭弁 - 法曹家の使命と倫理に背く小保方晴子弁護団

c0315619_162336.jpg会見の前日(4/8)に小保方晴子が理研に提出した「不服申立書」について吟味したい。毎日が、入手した全20枚の文書をネットに公開している。テキストではなくFAXの写しだが、全文を読むことができる。この「不服申立書」について、TWで4/9にこう書いた。「弁護士が入念に書いている。たいした代物だが、一言で言って、こういう詭弁の正当化はよくない。青少年の教育にきわめて悪影響だ。学生がこういう詭弁のテクニックを覚えてしまう。やめてくれと言いたい。社会正義を守るのが弁護士なのに」。小保方晴子の事件の本質をソクラテスの問題だと捉えるのは、そこにまさに詭弁の契機が大きく幅を利かせているからだ。この事件の主役は詭弁である。ソフィスト主義の科学への侵害だ。小保方晴子を擁護する側の主張というのは、錯誤による感情論に塗れながら、同時にグロテスクな詭弁に充ち満ちている点を特徴としている。最初に、ネットの辞書で「詭弁」の言葉の意味を確認しよう。「(1)道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。(2)《sophism》論理学で、外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法」。もう少し詳しい説明を見ると、こう記述されている。「『詭弁』の概念がいつごろ誕生したのかは明白ではないが、それが飛躍的に発展したのは古代ギリシャの時代であった。この時代は、弁舌に長じた哲学者達を多く輩出し、『詭弁家』とも称される『ソフィスト』の存在を生んだ」。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-14 23:30 | Comments(21)

小保方晴子とSTAP細胞の破綻 - 科学の正論に戻り始めたマスコミ

c0315619_1783286.jpg馬脚をあらわしたというか、語るに落ちたというか、墓穴を掘ったというか、命取りになることを小保方晴子は昨日(4/9)の会見で喋ってしまった。それは、「STAP細胞の作製に200回以上成功した」という発言だ。今、本人は、この言葉の始末をどうするか、どう辻褄を合わせるか、狼狽して思案している最中だろう。横にいた弁護士は、しまったと臍を噛んだに違いない。会見後、ネットの中は「200回以上作製」の問題に沸いた。夜のテレビも、この問題に焦点を当てた報道になり、結果的に、STAP細胞の存在に疑惑が深まる方向となった。これまで、「STAP細胞の存在」という命題をキーにして、理研を叩き、小保方晴子を擁護してきたマスコミは、この「200回以上成功」を問題視して、逆に小保方晴子を批判する姿勢に大きく転じた。誰もが、「200回以上成功した」の話を聞き、これは眉唾だと直感したことだろう。関心と期待が集まっていた「STAP細胞の存在」は、その信憑性が大きく揺らぎ、結果として、研究者としての小保方晴子の信頼性が崩れる事態となった。テレ朝(報ステ)以外の局は、小保方擁護の姿勢から微かに離れ始めた。テレビ局の中では、NHKが客観的に問題を報道している。NHKは、九大の中山敬一(日本分子生物学会副理事長)による厳しいコメントを紹介、小保方晴子を一刀両断にして、局の解説と見解として視聴者に示した。科学の世界の正論が、マスコミの表舞台にようやく登場するようになった。

More
[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-10 23:30 | Comments(75)


カウンターとメール

最新のコメント

もしラッキーで後20年、..
by 長坂 at 11:43
ブログの主旨に全面的に賛..
by NY金魚 at 02:34
日米両国で大嘘つきの大統..
by 七平 at 06:07
あの人達が左の代表だとし..
by 長坂 at 15:01
私の祖父は敗戦後、GHQ..
by 愛知 at 01:52
『戦争をしない』という魂..
by NY金魚 at 00:27
度々ですが、朝鮮戦争時、..
by ayako at 23:24
おにぎりさんのコメント、..
by ayako at 18:20
「南スーダンへの派遣自衛..
by 愛知 at 00:29
ブログ管理人殿のアイデア..
by 齋藤正治 at 08:01

Twitter

以前の記事

2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング