「野党乱立」が敗因ではない - 前原誠司の反共パラノイアと小池百合子の強欲

c0315619_17212951.jpg昨夜(15日)、毎日新聞の世論調査が発表され、自民党が単独で300議席を超える可能性と報道された。一方、希望の党は最大で54議席にとどまり、立憲民主党は40議席台を確保と見込まれている。この調査は15日中に集計されたものだ。朝日新聞が13日中に集計して14日に発表した数字では、希望の党は56議席と予測され、最大値は66議席となっている。毎日と朝日の差はあるが、わずか2日の時差の間に希望の最大議席数の値は12議席も減る推移になってしまった。仮に、希望の党の13日時点の議席予測を56(朝日)とし、15日時点の議席予測を54(毎日)とすると、1日に1議席ずつ減っているので、22日の投票日には48議席になるという結果が想定される。一方、立憲民主党の方はどうかというと、13日時点の比例の最大値(朝日)が33で、15日時点の比例の最大値(毎日)が35となり、2日間で2議席、すなわち1日に1議席増えている勘定になる。この傾向を単純に伸ばすと、22日には立憲民主党の比例議席は42となるという推計になる。現時点(16日)で、比例については立憲民主党が希望の党に追いついた形勢が確実で、小選挙区と合わせた全体でも希望の党を最終的に上回ると予想される。 



c0315619_17221324.jpg毎日新聞の世論調査の続報(16日)では、無党派層の比例投票先率が示されていて、自民16%、立民15%、希望9%となっている。無党派層の反安倍・反自民の期待を立憲民主党が掴んでいる事実が明確で、立民と希望の間の差は投票日までの間にシェーレを描いてさらに拡大するに違いない。希望の党の失速が甚だしく、逆風が吹いていて、その分、立憲民主党に有権者の支持が集中している。立憲民主党は50議席を超え、希望の党は50議席を割るだろう。反安倍の無党派はどこかに投票先を決めなくてはいけない。選択肢は希望か立民か共産の三つだ。投じた一票が生き、選挙ゲームで自らが勝者となる選択(bet)は、今回は枝野幸男の立憲民主党である。無党派は勝ち馬に乗ろうとする。死票を嫌う。そうした心理が、投票前一週間の立憲民主党へのバンドワゴン効果を最大化する契機となる。もし、希望の党が50議席を割る惨敗となったらどうなるだろうか。当然、小池百合子は責任をとって代表を辞任する。若狭勝に押しつけるだろう。不出馬を決めた時点で選挙後の代表辞任は既定路線だったと思われるが、希望の党は混乱と破局を迎えざるを得ない。離党して無所属になり、岡田克也・野田佳彦のグループに身を寄せる者が出るはずだ。党が残っても小池派と前原派で対立し、無能な細野豪志ではとても調整などできない。

c0315619_17222924.jpg選挙報道するマスコミの口上に、野党が乱立したから自民党が有利になったとか、野党が分裂したために自民党が漁夫の利を得たという言説がある。今回の選挙では、この見方が通説化して国民に刷り込まれている。これは要するに、希望の党と立憲民主党と二つに分かれず、一つで戦っていればよかったという苦情と要求だが、この認識は正しいと言えるだろうか。このマスコミの説明を肯定すれば、枝野幸男は立憲民主党を立ち上げない方がよかったという議論になる。民進党の議員が全員揃って希望の党に合流し、改憲と安保法制を認めない左派議員は無所属で立てばよかったという主張になる。リベラル派は排除を受け入れ、民進党はそっくり保守政党たる希望の党に変身した方がよかったという結論になる。果たして、野党の乱立が安倍自民党を優勢化させた原因なのだろうか。経過をよく考えればそれは違う。事実認識が間違っている。もともと、この選挙では小池新党と民進党がそれぞれ別個の野党として戦う前提だった。小池新党と民進党が別々の政党であり、理念も政策も異なる政党であることは誰でも了解するところだろう。小池新党の国政進出によって、落ち目の民進党は大きな打撃を受ける事態が予想されたが、それでも、民進党には全国に組織基盤があり、小池新党の影響力は首都圏に限られていた点は否めない。

c0315619_17224296.jpg別々に戦い、あるいは棲み分けの選挙協力をして、小池新党が70議席を取り、民進党が70議席を確保し、2党で140議席となる展開は可能だっただろうし、マスコミはそのような予想を言っていた。そうなれば自民党は50議席以上減らす結果となり、安倍晋三は求心力を失い、改憲日程はおろか総裁三選をも断念せざるを得ない窮地に追い込まれていたと考えられる。あの9月26日夜の、前原誠司と小池百合子の謀略の政変が起きる前は、大方がそうした楽観的な見方に立ち、安倍自民党の劣勢と後退を見通していたのである。つまり、乱立しても野党は勝っていたのであり、負けるのは安倍自民党の方だった。それだけ、大義のない不道理な解散は悪評だったし、森友加計隠しの解散は国民の不満と反発を高めていた。安倍晋三自身も、議席減は覚悟の上の解散であり、追い詰められ解散に近い逆風下の選挙という意識だったはずだ。情勢を一変させたのは、9月26日から27日の政変で、そこから物語は激変し、前原誠司の卑劣な裏切り工作と小池百合子の驕慢な「排除の論理」と「踏み絵」の劇場となり、二人が破綻し自滅する進行となる。悪役は安倍晋三ではなく小池百合子と前原誠司にスイッチした。国民とマスコミが嫌悪と反感を向ける対象が一転した。

c0315619_17230201.jpg当初、国民を愚弄する解散に出た時点で、策士策に溺れるのは安倍晋三かと思われたが、意外なドラマの進行となり、策士策に溺れて破滅するのは野党の小池百合子と前原誠司の役回りとなった。安倍晋三に幸運の女神が微笑んだというしかない。安倍晋三による国民の愚弄を帳消しにするほどの、前原誠司による国民の愚弄が発生し、欲の皮が突っ張った小池百合子のピエロの茶番となり、それらの蹉跌が相乗した挙げ句、安倍自民党が棚ボタで圧勝する脱力の構図になった。正確に問題を整理するなら、前原誠司の裏切りと欺瞞こそが、この選挙をぶち壊し、国民が落胆する方向へ導いた最も大きな要因だろう。小池百合子の失敗は強欲が過ぎたための自業自得で、65歳という年齢のため焦ったことと、カネ(他人の褌)に卑しかったことが迂闊に謀計に乗った原因と言える。平気でウソをついて仲間を売り、徹底した自己正当化と醜悪な開き直りの態度を続ける前原誠司に対しては、アスペルガー症候群の人格不全を疑う声まで上がっている。異常な反共パラノイアの暴走、それが今回の最悪の事態をもたらした。9月26日夜に何があったのか、小池百合子、前原誠司、神津里季生、細野豪志、山口二郎、これらの間で9月下旬から9月末までに密室で何が行われたのか、その真相については選挙後に証言や暴露が出て明らかにされていくだろう。表の説明には出ていないが、策謀のキーワードは反共で、招かれざる影の主役は共産党に他ならない。

共産党に民進党が引っ張られることを嫌い、共産党と左派を強引に切ろうとした前原誠司の未熟な専断と暴挙が、日本人が嫌う「排除の論理」の騒動となり、マスコミに叩かれ、安倍晋三の勝利を決定づけてしまった。「乱立」が敗因ではない。枝野幸男に責任を転嫁する言い分は不当で侫悪だ。



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by yoniumuhibi | 2017-10-16 23:30 | Comments(7)
Commented by 宮澤喜一や河野洋平の頃は本当に良かった at 2017-10-16 18:39 x
くじらの国(kujiranokuni)という、それまでは左派だったけれど、現在は小沢自由党支持の立場から希望の党も応援してるTwitterが
いるのですが、自分の気に入らないツイートをする人たちに対して手当たり次第に攻撃・脅迫してきます。
「立憲民主が安倍を利してるんだよ!」「社会党時代をひきずってる自称リベラルさぁ、お前らバカか!?」「改憲や安保法に反対ばかりじゃ安倍を倒せないだろ!」
ついには「希望の党低調とかうそのツイートするなら通報するよ」とまで書いていました。もう我慢なりません。
昔の左派にはありえなかったことです。しばき隊と変わりありません。左派が言論弾圧を率先してる状況に虚しさを覚えます。右翼の桜井誠でさえそんな失礼なことはしません。
Commented at 2017-10-16 18:42 x
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Commented at 2017-10-16 21:03 x
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Commented at 2017-10-16 21:33 x
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Commented by 読者 at 2017-10-17 13:34 x
今回の騒ぎで、前原のような人物に2回も代表をやらせていた党のお粗末さに、あきれるばかりです。よく国交大臣が務まったものだと思いますが、辻元さんが副大臣でしっかりサポートされてたのでしょうね。
今回感心したのは逢坂誠二氏です、即座に「私は行かない」と表明し、最終的に立憲入りを明言したうえで無所属で出馬されました。さすが町長経験者で判断が確かだと、感服しました。無所属ですが福山さんが応援に入っていますね。
逢坂、その次くらいに希望に行かないと言った辻元、山本太郎。あとは立憲創立メンバーとして総務省の書類に名前を入れた枝野長妻菅赤松近藤佐々木6人組と福山。このあたりの人は一級ですが、それ以外は所詮期待できないと見ています。山井さんはとても残念ですね。
Commented by Columbites at 2017-10-17 16:04 x
前原は2度にわたって国難を招いた超弩級の無能です.思えば民主党政権時代,この男が侵入船に対してスタンドプレーに走ったために尖閣問題がこじれました.あの時,洋上で適当に処理しておけば,中国に介入する口実は与えなかったでしょう.さらに今回,多くの国民の期待をあざ笑うような裏切りを演じて「想定内」と宣いました.もはや言語道断です.民進党関係者は臨時党大会を開き,前原を解任ないし除名して国民に対して筋をとおすべきです.
Commented at 2017-10-18 13:40 x
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