内閣支持率がさらに暴落 - 保守マスコミは石破政権への交代を視野か

c0315619_14440771.jpg待望していた都議選後のマスコミ各社の世論調査が発表された。注目の内閣支持率は、NNN(日テレ)が前回比7.9ポイント減の31.9%、読売新聞が前回比13ポイント下落の36%、朝日新聞が前回比5ポイント下落の33%となっている。35%の線を切る数字を期待していたので、ほぼ期待どおりの結果が出揃ったと言える。安倍晋三の御用新聞の読売の下落幅がきわめて大きく、5年前の第2次安倍内閣発足以降の最低水準を記録した。読売が出した不支持率は52%で、これは朝日の47%よりも高い。安倍政権はあっと言う間に国民に不人気の政権となった。読売のデータに着目すると、今年2月に66%の支持率を達成していのが、5か月の間に30ポイント下落している。特に女性の「安倍離れ」が顕著で、5月には57%もあったのが、わずか2か月で28%にまで急落している。読売の世論調査にはこの国の保守層の政治意識があらわれる。どうして安倍晋三に50%越の高い支持率を4年以上も与えていたのか、私の主観に即せば不思議で仕方がないが、この風景に言葉をあてがうならば、易姓革命のハプンとしか言いようがない。ネットの中では、安倍晋三を支持する岩盤右翼たちが狼狽している。以前の左翼がそう呻いていたように、マスコミの調査は虚偽だと喚き始めた。



c0315619_14455454.jpg保守の論壇と界隈での安倍叩きと安倍離れは怒濤の勢いになっている。本日(10日)、朝刊を開くと2面下に配された文藝春秋8月号の広告が目に入り、「安倍首相が自民党を劣化させた」という村上誠一郎の安倍批判の見出しが載っていた。文藝春秋は6月9日発売の7月号でも、前川喜平の手記を載せて「驕れる安倍一強への反旗」と題した特集を組んでいたが、これで2か月連続の安倍晋三に対する筆誅糾弾と容赦ない。文藝春秋にとっては社を賭けた権力闘争だ。週刊新潮5月18日号のレイプ事件報道とか、文藝春秋7月号の安倍叩きとか、保守論壇の内部で地殻変動が起きている気配を感じたが、時を置かず巨大な噴火と地震となった。6月19日にマスコミ各社が一斉に報道した内閣支持率下落、そこから2週間後の7月2日の都議選と、流れるような速さで事態が進み、安倍政治終焉の地平が手の届く距離感となった。8日のTBS報道特集では、自民党都連最高顧問の深谷隆司が登場し、安倍晋三の国会運営の強引さと傲慢さを批判する場面が出た。安倍晋三のせいで落選を余儀なくされた都議たちの恨み節を代弁している。おそらく、総選挙を1年後に控えた全国の自民党支部や議員の後援会組織も同じ空気だろう。

c0315619_14464509.jpg今週は国会閉会中審査の攻防に注目が集まるが、朝昼のワイドショーも夜のニュース番組も、テレビは安倍政権に対する集中砲火の態勢となるだろう。前川喜平の参考人招致の後は、当然ながら、和泉洋人と萩生田光一を証人喚問して真実を質せという世論になる。隠れて潜んでいる加計孝太郎を国会招致せよという声になる。そして、安倍晋三出席の下での衆参予算委集中審議を開けという要求になり、あらためて焦点となるだろう。先週末(7日)、TBS時事放談の収録に臨んだ中谷元は、安倍晋三が出席した予算委を開催するのが望ましいと踏み込んだ発言をした。野党が要求すれば、与党からも加勢する動きが出て、安倍晋三は応じざるを得ないだろう。国民の8割が加計学園の問題の説明に納得していない。予算委で答弁すればボロが出る。ボロが出ればさらに集中審議ということになり、支持率下降の延焼が続く展開になる。そして同時に、自民党内では憲法改正推進本部の議論が焦点になっていて、世論を追い風に石破茂と中谷元が反安倍の論陣を張って攻勢に出ている。党の手続き論からすれば石破茂の主張が正論で、安倍晋三の提案と手法には正統性に瑕疵があるのは明白だ。ガチンコ論戦になったら論破されざるを得ない。

c0315619_14470025.jpg内憂外患。党内の改憲日程と国会の加計学園疑惑と、両方の政治戦で安倍晋三は追い詰められ、打開する有効な策を打てない。内閣改造は8月初旬で、今からまだ1か月も先であり、その間には長い時間が横たわっている。8月の内閣改造で支持率をV字回復させるためには、少なくとも現状の支持と権力を維持する必要があり、特に改憲日程については安倍晋三が描いたとおりの決定に押し切らないといけない。だが、それは難しいだろう。読売の世論調査で、都民Fの国政進出に「期待する」が35%にとどまり、「期待しない」が54%に上っている事実を見ると、保守層一般の気分だけでなく、何やら読売の作為と布石のようなものを感じてしまう。つまりこれは、間もなく実現するところの、読売や文藝春秋が後見する「石破政権」を織り込んだ「世論」なのではないか。読売が示唆した「世論」は、小池新党ではなく自民党の新しい顔がいいという意味に読み取れる。昨夜(9日)、ネットの左翼方面はこの報道を大いに評価し、国民は小池新党に期待してないから「野党共闘」の出番だと歓迎していたが、どれほど有権者が小池新党に期待してなくても、そのとき不人気の安倍政権が続いていて、小池新党が小選挙区に候補を立て、現職の安倍チルドレンとの戦いになり、「野党共闘」候補との三つ巴になった場合は、有権者は小池新党に投票するのである。

c0315619_14471816.jpgLess worse than の選択で、安倍政権に対する批判票を小池新党に入れる。民進党には入れない。9日の朝、その都民Fの若狭勝がフジの番組に出演し、小池新党の年内の国政進出を表明した。小池百合子自身は国政進出の時期や戦略について明言を避けているが、子分の若狭勝の口から言わせた格好だ。政党交付金をもらえる政党要件を満たすためには、年内に議員5人以上の新党を登録する必要があり、この動きは分かりきったことだった。小池百合子には「日本初の女性総理」を射止める野心がある。自民党と民進党が都議選で大敗していて政局が流動化しており、民進党を離党する右派議員を回収するために、今から計画をアナウンスするのは当然の行動だろう。番組では、憲法改正についても若狭勝が答えていて、マスコミの記事では「安倍政権と憲法改正で連携する可能性」が強調されたが、この部分にさほど重要なメッセージを読み取る必要はないと思われる。そもそも今の情勢では、自民党の憲法改正推進本部(保岡興治)すら予定の結論へ導けるとは思えない。その上に公明党との調整のハードルがある。安倍降ろしが進んで、臨時国会の会期中あるいはその手前で、安倍晋三が失脚して退陣する可能性も十分ある。そうなれば、「安倍政権と提携して憲法改正」など意味がなくなる。当の小池百合子本人が風見鶏の立ち回りを演じ、3日に生出演したプライムニュースで、安倍晋三の路線を(ゴルフの)スライスだと比喩、改憲に慎重な姿勢を示していた。

若狭勝の発言は、今年5月頃に小池百合子と安倍晋三が腹合わせした方針を正直に認めたものに違いないが、易姓革命が起こり、内閣支持率が下落し、政局の環境条件がすっかり変わってしまい、現実的な意味のない、興味の薄い展望になってしまった。



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by yoniumuhibi | 2017-07-10 23:30 | Comments(2)
Commented by ポー at 2017-07-11 16:20 x
>>実はその行動には、唯一、訪問中止になった当事者国>>であるエストニアも不快感を持っているようだ。

 >>安倍首相が訪問中止を発表した後の10日、在日エス>>トニア大使館の公式ツイッターが、安倍首相の前倒し>>帰国を報じるNHKのニュースについて、以下のように>>ツイートした一般ユーザーをリツイートしたのである。

>>「NHK『安倍が被災地思い予定繰り上げ帰国』 9日夜7時・8時45分報じる 3か国中、最後のエストニアだけ削るという 北欧2国も削っちゃうと、閉会中審査出られない理由がなくなる」

 >>このツイートは10日夜、拡散して騒ぎになりそうに>>なったとたん、すぐに削除されたが、大使館が駐在し>>ている国の政権の行動を批判するようなツイートをす>>るのは異例中の異例。

こんなことだろうと思っていましたよ。前川さんが国会に来る日には、日本にいたくなかった小心者。
で、あとはエストニアに失礼を働いても旅の恥は掻き捨て(と本人は思ってるでしょう、それではすみませんが)とばかりに、やりたい放題。北欧旅行すべてキャンセルするなら道理がたちますが、最後のエストニアだけカットするというのは、いかにも安倍みたいな頭の悪い人間がやりそうなことです。
Commented by 長坂 at 2017-07-12 13:16 x
蓮舫戸籍問題、民進のネトウヨぶりが露呈して本当によかった。旧植民地出身者だけではなく、父親が外国籍の子供達にも長い間日本国籍が与えられなかった。女性の政治家達が尽力し法改正し無国籍問題解決の大きな一歩になった。ヘイトスピーチがぁて言ってる党が「戸籍見せろ」「見せればいいんでしょ」は余りにも悲しすぎる。
実は都民ファに一番行きたいのは蓮舫じゃないの?政策に対する考えも小池に近いはずだし。

どうでもいいのですが、このなんたらファーストって名前、賞味期限せいぜい今年いっぱい?本家アメリカファーストの人はシンゾーより先に支持率34パー行ちゃったし、ロシアファーストだったのもばれちゃったし。。。


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