都民Fと自民が拮抗となった世論調査 - 都議選での自民惨敗は決定的

c0315619_16431957.jpgマスコミ各社から都議選の世論調査報道が出た。有権者に投票先の政党を尋ねた項目では、各社とも同じような結果が出ていて、都民Fと自民が拮抗している。数字を並べると、朝日が、都民25%:自民25%、毎日が、都民27%:自民26%、読売が、都民26%:自民23%、日経(共同)が、都民26%:自民25%。どれも同じだ。各社で傾向に差がないことから、投票一週間前の情勢として正確なものと考えられる。二党が接戦で競っている状況について、都民Fが意外に伸びてないとか、自民が逆風の中で健闘しているという見方がネットで出ている。だが、自民の今回の25%という数字は、4年前の前回、NHKの出口調査で確認された自民39%という数字の3分の2でしかない。2013年の都議選では、自民党は圧勝して59議席を獲得している。その比率で単純に計算すると、今回の予想議席は38議席に減ることになる。都民Fの数字は自民とほぼ同じだが、そこに公明票が加算され、7ある1人区の6を取ると想定されているので、44議席ほどが投票一週間前の見込みと踏んでいいだろう。一週間の間に情勢が変化し、常識的に補正をかければ、態度未決定の無党派票が都民Fの方に流れて上積みされる。



c0315619_16433087.jpg今回、期日前投票の出足がよく、有権者の関心が非常に高い。投票率が高くなると予想されている。こうした要素も有権者の動向に影響を与え、勝ち馬に乗ろうとする投票心理が都民Fに有利な条件に作用するだろう。23日付の読売の記事では、都連幹部の「40議席以上は確保したい」という本音が漏れていて、現時点で40議席が攻防ラインとして仮設定されている。40議席を割ってマスコミが「惨敗」と報道する結末になれば、下村博文の引責辞任は必至であり、自民党内は激震が走って大きく動揺する。都議選で自民党が惨敗した場合は、マスコミはすかさず世論調査で追い打ちをかけるのであり、そこでさらに内閣支持率が下落すると、安倍晋三の求心力は一気に失墜してしまう。山口那津男がアドバルーンとエクスキューズの両方の目的で小声で表明したところの閉会前審査容認論に、自民党の中でも呼応する者が現れ、8月の改造人事での派閥リクエストを暗に含んで駆け引きするという暗闘が始まるだろう。これは、従来のプルーラルな自民党であればネイティブな現象である。改憲案の自民党内決定を前倒しして臨時国会期間中に提出するという策は、苦境から強行突破を図る安倍晋三の反撃戦略だが、それが効を奏するとは私は思わない。

c0315619_16434339.jpgその政局を仕掛ければ、それなら自民党憲法改正推進本部の会合に自ら出席して、党の正式な改憲草案を反故にした理由を説明せよと要求している石破茂とガチンコ対決になる。現時点では、党憲法改正推進本部は安倍晋三の支配下にあり、下村博文や高村正彦が睨みを利かせて異論を封じ込める体制に固めているが、支持率が40%を切る局面になれば石破茂や中谷元に同調する古参議員が出るだろう。ガチンコの混乱を避けたい幹事長の二階俊博は、タヌキの立ち回りをして取り纏めの早期前倒しを阻止しようと動くはずだ。安倍晋三の改憲案取り纏めの前倒しは、改造人事の前倒しとセットであり、8月後半と言われていたタイミングを8月初めに持ってきている。これは、改憲案を党で強行するに当たって、障害物となる二階俊博を排除したいためで、安倍晋三の思惑は幹事長に菅義偉をスライドさせる人事だろう。設計図は見えている。7月は波乱の季節になり、自民党の党内抗争が水面下で火花を散らし、民進党のお家騒動が表舞台で乱舞してマスコミを賑わせるという進行になる。民進党にも体質と生理があり、どれほど勢力が縮小してもお家騒動をやめられない。一つの理念で結束した同志集団ではないから、サル山のボス争いのヘゲモニー闘争と路線闘争を繰り返す。

c0315619_16435581.jpgかくして国民の期待は、政治の新たな主役となった小池百合子に集まることになる。連合は都議選を契機に全国で小池新党を応援する方針に転じ、民進党右派を小池新党に流れ込ませ、民進党の全国組織を小池新党のそれへ編成替えしようと企むだろう。嘗て、と言っても20年前だが、社会党を潰して各地の自治労を民主党の組織運動基盤に再編したように、各地の連合組織を小池新党が全国展開する拠点にしようと画策するに違いない。残った民進党左派は、社民党・自由党をインボルブして小さな左の合流新党を結成する方向に向かい、連合非主流の自治労がそれを地方で支えるという構図になるだろう。連合そのものが二つに分裂する可能性もある。さて、今回の調査で、都民Fへの支持が思ったより伸びていない点については、小池百合子本人の支持率がどんどん下がっている事実から納得できる。朝日の調査結果がそれをよく説明できる材料だ。結局、小池百合子というのは、強いイデオロギー的主張がなく、思想信条がなく、執念を燃やす政策上の持論がない。その正体は、ポピュリズム一辺倒の俗物政治家だ。マスコミに依存し、マスコミに寄生し、マスコミの持て囃しを栄養源にして生息し活動する政治家であり、その条件を欠けば何の存在感も生命力もなく、一瞬で萎れてしまう。

c0315619_16440931.jpgこれまで、その依存と寄生の生き方を一貫させ、細川護煕に、小沢一郎に、中西啓介に、森喜朗に、小泉純一郎に癒着して政界を生き抜き、最後に、媚態する相手をマスコミと大衆に切り換えた。小池百合子のリーダーシップの資質のなさは、豊洲移転問題にもあらわれているけれど、私から見ても不思議に思うのは、脇を固める有能なブレーンを集めない、あるいは人が寄って来ない点に尽きる。鳴り物入りで都知事になり、英雄としてマスコミの称賛を受けながら、そして国政に出てポスト安倍を狙う野心を隠さなかったにもかかわらず、人材を招聘・抜擢して軍団を作る図がなかった。小池新党の執行部(幹部集団)が形成されなかった。小池百合子一人が、高額なファッションを見せびらかせてマスコミの脚光を浴びるだけであり、カメラの前で人気取りを演じ、面倒な問題からは調子よく逃げて時間稼ぎするだけだった。通常、一年もあれば、その時間を使って新しいチームとマニフェストを作るはずで、夢のある未来構想を発信して国民の支持を集めようとするはずだ。一年経ってもブレーンの姿が見えず、参謀らしい参謀がいない。トランプにとってのバノンがいない。新党の輪郭が全く見えない。言葉がなく、人がいない。派手な公募で候補者を集めたわりには、小池百合子に命を賭けて従う優秀な部下が揃っていない。

c0315619_16442047.jpgこれはなぜかというと、小池百合子にイデオロギーとビジョンが欠如しているからだ。政治理念を共に戴く仲間がいないからだ。人気とブームに便乗する利益動機の者ばかりだからだ。辺見庸は、橋下徹のことを「マスコミがひり出した汚物」と呼んだが、その表現例に倣えば、小池百合子はマスコミが噴射したジャコウアゲハの放屁だろう。放屁であっても、きっと安倍晋三の猛毒の青酸ガスよりは安全無害なのであり、安倍晋三の強権独裁に倦み飽きたマスコミと大衆にとって、小池百合子は待望の「受け皿」の出現であり、下がっていた支持率は都議選勝利を機に再び上昇に転じるだろう。驚いたことに、読売新聞が報じた東京都内の世論調査では、安倍政権の支持率が39%に落ちてしまった。わずか一週間前の6月17日と18日の全国世論調査では、内閣支持率は49%もあったのに、東京地域限定とはいえ10ポイントも凋落している。この世論の変化に即応するように、本日27日の読売の社説では、「閉会中審査も辞さずに説明を」などと書いて安倍晋三の政治姿勢を批判している。安倍晋三の御用新聞の読売が、何やら距離を置くような姑息な動きに出た。系列の日テレが25日に放送したバンキシャも、かなり厳しい論調と編集で豊田真由子の問題を取り上げ、また、安倍晋三が獣医学部を全国に設置するとした件に噛みついていた。

この読売の変わり身の報道は、7月2日の保守層の投票に影響を与えるだろう。



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by yoniumuhibi | 2017-06-27 23:30 | Comments(1)
Commented at 2017-06-27 18:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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