野間易通が再び敗訴、名誉毀損で賠償命令 - 判決のメッセージを読み解く

c0315619_14300568.jpg初夏の候、野間易通がしばき隊リンチ事件の被害者Mに訴えられた裁判の判決が出た。Mに対する名誉毀損の不法行為が認定され、損害賠償11万円の支払が命じられている。予想どおり、野間易通が敗訴の結果となった。一昨年11月に静岡地裁で出された凪論事件判決に続いて、野間易通は二度目の敗訴を喫したことになる。結果は誰もが予想したとおりで、意外でも何でもない。これで、3年間で二度、野間易通はツイッター上の名誉毀損で訴えられた裁判で不法行為認定された。判決の社会的意味は小さくないだろう。控訴しても結論が覆ることはない。3年間で二度も同じ不法行為を裁判所に認められて責任を問われたわけで、いわば、ツイッターでの名誉毀損の常習犯となったと言ってもよい。今後、野間易通に対するツイッター社の扱いが変わり、次にトラブルを起こした際の対応と裁定に影響が出るだろう。判決を受けて、しばき隊顧問弁護士の神原元が、「実質的には原告敗訴」だとか、「被告の圧勝」だとかの醜い悪あがきを連発する光景が出現した。しばき隊の内部が動揺しないよう、懸命に負け惜しみを喚いて言い繕っている図だが、敗訴は敗訴であり、賠償命令は賠償命令である。野間易通には、判決に従って原告に賠償金を払うか、判決を不服として控訴するか二つに一つの選択肢しかない。



c0315619_14301907.jpgこの事件は、昨年の4月29日に発生した。私が李信恵の謝罪文を公開したその日、突然、野間易通がリンチ事件被害者のMの実名をツイッターで暴露、Mに対して執拗で卑劣な侮辱と罵倒を繰り返し始めた。しばき隊の一員の嶋田眞人が「この騒動の原因を作ったのは誰だ?」とツイートしたのにリプライする形で、野間易通が「□□大学の□□さんです」と実名と所属を晒し、続けて「在日のカウンターが右翼からカネをもらってるとかいうデマを鵜呑みにして当の本人にしばかれたあげく、それをネタに1年以上もあっちこっちでヘゲ盛ろうとしてなんの成果も出ていない□□□□(□□大学大学院)悲惨やな」と誹謗中傷した。さらに5月2日、「おい、□□、みんなおまえがリンチされたって言ってるんだけど、ほんとなの?」とMに恫喝のメンションをかけ、「揉め事の原因をつくったのは日本人である□□□□なんだから、おまえは日本人として深く反省し今すぐ腹を切れ」と脅迫に及んだ。以後、野間易通のMへの攻撃に呼応し加勢する形で、しばき隊の子分たちがMの実名を連呼して悪罵を集中するようになる。その結果、野間易通はMに名誉毀損とプライバシー侵害で提訴され、6月8日に高島弁護士からネット上に報告された。約1年の審理を経て、野間易通に損害賠償命令の判決が下った。

c0315619_14303954.jpgただ、判決の中身は、Mが所感を上げているように、原告に厳しい内容になっていて、原告側の訴えはほとんど退けられ、特にプライバシー侵害(実名暴露の被害)の主張が棄却されている。この点は原告は大いに不満だろう。また、訴訟費用は原告側が95%を負担することが言い渡され、被告である野間易通の負担が軽減される決着になっている。経済的な得失と衡量から鑑みれば、どっちが勝ったか分からない判決になっているとも言える。実は、これこそが裁判官の判決にこめたメッセージだ。形式上は原告勝訴に軍配を上げながら、中身的には一方的な判定にせず、引き分けの意味に解釈できる余地を残したことが窺える。この点が、2年前の静岡地裁の凪論事件判決と大きく異なっている点だ。今回、どうしてこうなったのか。原告側には異存があるだろうが、私の見方を言えば、原告に厳しく出た裁判官の認識と態度は頷けないこともない。プライバシー侵害について言えば、凪論の被害はMの比ではなかった。集団で自宅に押しかけられ、勤務先を襲撃され、何もかも屈辱的に晒され、家族が受けた恐怖と苦痛は計り知れない。それに較べれば、Mの場合は最初からMをガードする陣容と態勢があり、劣勢に立って半狂乱になっていたのは野間易通の方で、Mは凪論のように孤立無援で暴力に蹂躙されたわけではない。

c0315619_14305157.jpg凪論事件とは被害 - 不法行為による実害 - の規模と程度が違う。判決から読み取れるのは、要するに「どっちもどっち」の「喧嘩両成敗」で裁定した真意であり、もっと言えば、ネット上の喧嘩騒動を神聖な裁判所に持ち込むなという司法官僚の拒絶に他ならない。こんな喧嘩を持ち込んでも、裁判所は被害者に味方はしないから、何でもかんでも裁判所を頼って面倒をかけるなというメッセージだ。主文にある「インターネット媒体においてはいささか過激な投稿の応酬が繰り返されることも稀ではない」という表現には、ネットでの悶着は自己責任でカタをつけろという裁判官の主意が投影されていて、こういう訴えで権利救済を泣きついてきても裁判所は相手にせず、訴訟を徒労に終わらせてやるのだという意思(悪意)が示唆されている。おそらく、訴状と答弁書と追加書面全体を一瞥して、またネットでの関係者の応酬を吟味して、裁判官は早くからこの結論を決めていたのだろう。判決の法律論は後付けである。凪論事件判決もそうで、精密で堅牢な法律論は後付けの適用で、結論を弁証するための論理の構成と証拠の採否と配置だった。今回の大阪地裁の裁判官の、当事件を矮小化して意義を些末化する姿勢は、司法責任の怠慢として私は承服できないが、裁判官がどうしてこういう主観に傾いたかについては理由が分からないでもない。

c0315619_14310369.jpg率直に言えば、原告側は方法を間違っていて、初動の方針を誤っていた。野間易通の誹謗中傷に対しては、このように悠長な民事訴訟の提起で対処するのではなく、ツイッター社に通報して即時のアカウント凍結を要請し、裁判所にはツイートの削除と再発防止措置の仮処分申請に動くべきだったのだ。弁護士からツイッター社に働きかけを行うだけでなく、所属する大学関係者の協力や支援も受け、ツイッター社に有効な請願と陳情を積み上げ、野間易通の暴力を止めるべきだった。クイックな救済処置が肝要で、1年もかけて裁判所に判決を出してもらう経路を選ぶべきではなかった。1年も時間が経てば、どんな事件だったか世間は忘れてしまう。高島弁護士から提訴が公表される直前、6月6日、ツイッター社が野間易通のアカウントを凍結処分する動きがあった。提訴と凍結が何らか因果関係がある出来事だったのか、その真相は現在でも不明だ。野間易通がMの実名を晒して攻撃に出た後、辛淑玉文書が暴露され、李信恵が重い口を開き始め、さらにリンチ直後のMの顔写真とリンチの現場録音をおこしたテキストが公開され、5月末までの間に、しばき隊は崩壊の一歩手前まで追い詰められていた。そこに野間易通のアカウント凍結の追い打ちが来た。ところが、不可解なことに、Mの代理人となる高島弁護士が凍結に異議を唱えるのである。目を疑う予想外の事態だった。

c0315619_14312198.jpgMの権利の防護保全というなら、野間易通のアカウント凍結以上の実効的措置はない。1年後に20万円のはした金を受け取るよりも、その方がよっぽど有効な権利救済になる。だが、高島弁護士は凍結反対の声明を発した。重要な事件だ。私は、この事実経過に裁判官が注目したのだろうと推測する。何のために野間易通のアカウント凍結に反対したのか。それは、野間易通をネット空間に生きさせて、ツイッターの応酬の中でやりこめたかったからだ。親分を徹底的に論駁して屈服させる図を実現し、衆目としばき隊軍団の前で勝利を誇示しようとしたからだ。その思惑の所在を裁判官に見破られたのだろう。その動機が看破された途端、このプライバシー侵害と名誉毀損をめぐる一連の問題は、裁判官の主観において無意味で空疎な私闘となった。野間易通のアカウント凍結の解除を被害者側がツイッター社に求めるということは、今後もどんどん誹謗中傷をやっていいという意味になり、乱闘の殴り合いを最後までやって勝負をつけようという挑発になる。裁判官を含めた第三者の視線からは、客観的に、事件と騒動はゲームの性格を強くする。被害者が一方的に権利侵害されて救助を求めている図ではなく、高島弁護士という強力な用心棒を前面に立て、私闘のバトルとパフォーマンスを享楽している図に映る。

経過を冷静に観察した裁判官が、事件の構図をそのように直観したとしても、原告側は不服を言えないだろう。結局、野間易通をやりこめて撃破する図は到来せず、意外にも、神原元が狂気の雄叫びを上げる9月の懲戒処分公告の展開となり、しばき隊側のマヌーバーによる逆襲と反撃が続き、原告側(M・弁護団・支援する会)が落胆する今回の判決となった。


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by yoniumuhibi | 2017-05-29 23:30 | Comments(0)


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