添田充啓の勾留延長 - 攻勢に出た沖縄右翼が流す山城博治逮捕の噂

c0315619_15271453.jpg昨日(10月16日)、琉球新報の社会面で添田充啓の勾留延長の決定が報じられた。14日に検察が再び勾留請求し、26日までの勾留を裁判所が認めている。結局、限度いっぱいの20日間の長期勾留となった。しばき隊の方は、添田充啓の件について誰も何も喋らなくなった。逮捕から2週間になるが、弁護士が誰も名乗りを上げず、担当弁護士が不明のままの異常な状態が続いている。現地で高江の抗議行動の救援をやっている小口幸人は、一度も添田充啓の件についてTwで話題にせず、名護署に接見に出向いた様子もない。東京から弁護士が入ったのは10月7日の一度だけで、きわめてエクスキューズ的でアリバイ的な動きに止まっていて、まともに被疑者を救出する意思がないことが歴然だ。見捨てている。男組のHPも更新がない。5日に「東京と沖縄の2箇所で対応チームを結成し、早期釈放を勝ち取るべく対応を行なっております」と声明を発表したが、実際には何もやっていなかった。添田充啓の勾留の法律論については、刑事司法の専門家である高島弁護士が短く解説している。それに対して、しばき隊側からは何も反論がない。弁護人のなり手がなく、国選弁護人がつく意外な展開になるのではないか。



c0315619_15274108.jpgしばき隊側の「対応」としては、10月11日に辛淑玉ら3人がのりこえTVで臨時動画を上げたのが唯一の動きだった。「その逮捕、おかしくありませんか」というタイトルで、辛淑玉が、添田充啓の逮捕と容疑について無実で不当だと言い、不起訴になるだろうと述べている。宇都宮健児を同席させたのがミソだったが、宇都宮健児は沖縄の基地問題の一般論を述べるに止まり、つまりお飾りとしての役目に徹し、添田充啓の事件について法律家としての所見を何も具体的に語っていない。この動画はしばき隊側の「対応」ではあったが、単にしばき隊や左翼内の世論工作のためのプロパガンダの意味しかなく、添田充啓の無実を証明する説得力になっていない。事実関係の詳細はなく、現場で始終を目撃していた者の証言もなかった。この動画で辛淑玉が発信したメッセージとして受け取れる中身は、とにかく在日の子がかわいい、在日の子が愛おしい、在日の子は目に入れても痛くないという、母親がわが子を徹底して庇護する強引で非合理的な態度と心理である。だから、この動画はしばき隊や左翼や沖縄の人々に対して発信したと言うよりも、むしろ在日の者たちに対して感情的に訴えていて、同胞を信じて助けろという主眼のみが印象に残る。在日問題こそが真のポイントだ。

c0315619_15275534.jpg辛淑玉が共同代表を務める団体「のりこえねっと」は、「高江に『私たちの市民特派員』を送ろう!」というキャンペーンを張っていて、「市民特派員」には「往復の飛行機代相当の5万円を支給します」と支援を打ち出している。本来、「のりこえねっと」は反ヘイトスピーチの団体であり、沖縄の反基地闘争とは関係ないのだが、現時点で、可視的なところでは、高江のヘリパッド阻止闘争に対して最も精力的に肩入れしている団体であり、資金援助まで公式に提供しているのは「のりこえ」だけだろう。「のりこえ」としばき隊が一体である状況が窺える。7月11日に防衛局が工事を強行した後、しばき隊の添田充啓がすぐに沖縄に入って張りつき、8月には野間易通、香山リカの高江入りと現地報告が続いた。ヘイト対策法が成立し、在特会の路上活動が下火になり、やることがなくなったしばき隊が新しい活路を沖縄に求め、高江の抗議行動に新規事業ドメインを開拓し確立する図に見えた。辛淑玉の親心は、「男組」などと称して暴力を前面に押し出した「手を汚す」活動ばかりに在日の子たちを押し込めておくのではなく、もっと日の当たる立場と役割を与えてやり、正規の市民運動の前線で活躍させ、人生の実績を積み重ねさせてやろうと考えたのだろう。その心情は理解できる。

c0315619_15281091.jpg一方、ヘリパッド阻止闘争を指導する沖縄の山城博治の方は、一人でも多くの座り込みの運動人員を必要としていて、本土からの「兵隊」の補給はありがたく、ここで辛淑玉・しばき隊とのWinWinが成立したと思われる。両者を接着させる媒介役となったのは、社民党の福島瑞穂と池田幸代だろう。人員補給の必要はよく分かるし、その判断はやむを得なかったのかもしれない。だが、それは結果的に間違いだった。しばき隊を沖縄に招き入れるべきではなかった。新しい事業ドメインの柱を欲望するしばき隊の戦略と関係を組むべきではなかった。添田充啓でなくても、必ずしばき隊の誰かが防衛局と紛争を起こす羽目になり、被害届だの刑事告訴だのの敵の術中に嵌まったに違いない。しばき隊とは暴力を政治に活用するゴロツキ集団である。関西弁で「しばく」とは「暴力をふるう」という意味だ。彼らはそれを「超圧力」と呼んでいるが、暴力の行使が軍団の原点であり、本来の行動様式であり、暴力で相手を叩き潰して目的を遂げるのがしばき隊の日常と習性だ。そして、彼らにとって警察というのは、在特会との間に入ってくれるボディガードであり、デモで中核派を検挙し排除してくれる公権力であり、デフォルトで親しい存在だった。

c0315619_15283129.jpgしばき隊には思い上がった倒錯意識があり、自分たちは敵に対して自由奔放に暴力をふるうことができ、公権力は常に黙って見逃してくれ、警察が自分たちに対して牙を剥くことは決してないと高をくくっていた。しばき隊にとって公安警察は、デモの後に国会正門前交差点で輪になって仲よく反省会をする信頼できる間柄だったのであり、だからこそ、しばき隊はデモ参加者に「警察とトラブルを起こすな」「警察の指示に従え」と言い続けてきたのだ。そんなしばき隊が沖縄に入って防衛局とフィジカルコンタクトの接点を持ったら、どのような結末になるかは火を見るより明らかだろう。沖縄は本土とは違う。沖縄の公権力である防衛局は、しばき隊と仲良しの東京・大阪の公安警察と同じではない。政治的性格が違う。今、沖縄の右翼が不気味な噂をFB動画で流している。8月25日にP1裏で小競り合いがあった後、防衛局が被害届を提出していて、捜査を始めた沖縄県警が、何と、リーダーの山城博治を近日中に逮捕する方針を固めたと言うのだ。信じられない話だが、デマとして簡単に見過ごすことができないのは、沖縄右翼の情報網の事実であり、添田充啓の勾留延長も琉球新報が記事にする前にTwで予告していたからである。警察の動向を掌握している防衛局から、あるいはもっと上から情報を得ている。

c0315619_15284919.jpgこの衝撃の情報をネットで流した手登根安則という沖縄の右翼は、佐藤正久と確実に繋がっている。添田充啓が傷害事件を起こした9月24日の直後、佐藤正久はすぐに反応し、「知人の手登根氏によると、防衛省職員が暴行され全治二週間のケガ」と9月25日のTwで書いていた。そして翌9月26日、「警察と防衛省と対応協議」と報告している。権力の手の内を堂々と開示していて、ここから一週間後に添田充啓の逮捕となった。佐藤正久が右翼民間人の手登根安則と密に連絡を取り合い、互いに情報交換しながら事を進めている真相が窺い知れる。と言うより、恐ろしいことに手登根安則と佐藤正久はそれを隠してない。むしろ開けっぴろげに示威している。実権のある国会議員の佐藤正久と民間右翼の手登根安則の間には、防衛省中枢があり、沖縄防衛局があり、沖縄県警警備部がある。福岡高検那覇支部もある。国家権力の組織がある。民間右翼が事実上の報道機関となって、防衛局側の次の一手をアナウンスし、反基地運動に威嚇と牽制をかけている図だ。辺野古や高江の大地の上だけでなく、ネットの現実についても、本土では信じられない状況が沖縄では出現している。まさに占領地。まさにファシズム。公権力の法的なタテマエが消えていて、警察と民間の権力の境目がない。民主主義国家の前提が溶けている。

丸山真男の日本ファシズム論を想起するではないか。戦前、黒龍会など右翼団体の大物幹部たちは、顔パスで自由自在に参謀本部に出入りし、戦争政策と大陸支配について高級参謀と密談を繰り広げ、その提案や謀議の結果が実際に国策に反映され、法律や軍令となっていた。官吏でもなく、軍人でもなく、議員でもなく、何の法的権限も公的資格もない市井の右翼浪人が、白昼、同志である高級参謀と会談、軍の建物中枢で政論を交わし合い、国家の統治や法制を決めていたのである。とまれ、防衛局側の反攻は9月24日の添田充啓の事件から始まった。そのアクシデントが防衛局側に口実と契機を与え、10月4日の逮捕から本格的な逆襲が始まる。その前、8月25日にP1裏で「書類強奪」の衝突が置きたときは、防衛局から被害届が出ていたにもかかわらず、県警は1か月半もそれを寝かせたまま捜査を始動させていなかった。つまり、事件化せず見送りの公算だった。可能性として、添田充啓が警察で本件とは別の(8月25日の)件について誘導尋問に嵌められて自供、関係者の容疑を固める根拠となる証言を与えたことが考えられる。こうなるリスクがあるから、しばき隊を沖縄に招き入れてはいけなかった。


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by yoniumuhibi | 2016-10-17 23:30 | Comments(0)


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