逮捕された添田充啓 - 仲間が勾留されたのに沈黙して逃げ腰のしばき隊

c0315619_13161353.jpg先週(10月4日)、沖縄の米軍北部演習場でしばき隊の男が逮捕された。ヘリパッド工事に反対する抗議行動の最中に、防衛局職員を突き飛ばして転倒させ、頭部打撲など2週間のけがを負わせた傷害の容疑である。男の名前は添田充啓(高橋直輝)。しばき隊の戦闘部門である男組の組長を名乗っている。前科三犯。過去3年間、男組の活動中に3度逮捕され、いずれも暴行・脅迫で有罪になっていて、今回で4度目の逮捕となる。このうち、2013年11月に東京で起こして2度目の逮捕となった事件では、傷害罪で懲役10か月・執行猶予3年の判決を受け、現在は執行猶予中の身だった。今回の事件は9月24日に発生、被害届が27日に出され、一週間後の10月4日に逮捕されている。要注意なのは佐藤正久のTwで、事件翌日の25日にすぐに反応して怒りを表明、翌々日の26日には「警察と防衛省と対応協議」したことを報告、違法行為に対してはあらゆる法律を駆使して取り締まる旨を宣告している。このTwから3日後の29日、複数の政府関係者が高江の抗議行動に刑特法を適用すると示唆した事実が琉球新報の1面記事で報道、基地内への不法侵入(刑特法2条)で抗議者を容赦なく逮捕するという政府の強硬姿勢が伝えられた。



c0315619_13163141.jpgそして週が明けた10月4日午後、那覇空港で添田充啓が逮捕される。高江のヘリパッド工事は参院選の投開票が行われた7月10日の直後、7月11日午前6時に狙いすましたように作業が始まったが、それから2か月以上の抗議行動で5人以上10人近くの逮捕者を出している。が、いずれも公務執行妨害の現行犯逮捕で、今回のように警察が予め入念に捜査して容疑を固め、逮捕状を取って執行に及んだのは初めてのケースだ。佐藤正久が事件翌日に警察と防衛省と協議して指示を入れ、現地の捜査当局がそれに従って動いた事情が推測される。添田充啓の方は、10月6日から関西各地でしばき隊主催の「高江報告会」が予定されていて、それに出席しようとして那覇空港にアクセスしたところを捕縛された。被害届を受理した警察が、早々に逮捕方針を固め、逮捕状請求と同時に添田充啓の動きを張っていたのは間違いない。航空便の予定を押さえ、確実に逮捕できる那覇空港で身柄を待ち構えていた。逮捕の一報はすぐに産経新聞の記事となり、夜にはNHK那覇支局もニュースを報じている。ネットに流れて騒ぎとなった。間髪を置かずに産経が報じたところも、佐藤正久の指示と捜査関係者との連携プレーが効いていることを想像させる。読売も報じた。

c0315619_13164687.jpg問題はそこからの展開で、逮捕の報に接してネットで騒いだのは右翼だけで、当のしばき隊は「不当逮捕」の声を上げず、幹部全員が押し黙ってしまった。逮捕翌日の10月5日、男組はネット上に声明を発表したが、そこには「不当逮捕」の文字はない。「事実無根」の文字も「無実」や「弾圧」の文字もなく、きわめて弱々しい表現で、「このような抗議活動中に暴力を振るうことはありえず、抗議行動を萎縮させるための見せしめとしての逮捕であると考えています」と妙な言い訳を書いている。この文面を一読すれば、逮捕の容疑が確実だという印象は誰でも持つ。しばき隊の幹部たちはダンマリで、野間易通もこの事件には言及せず、有田芳生と神原元と五野井郁夫は一言も触れずに知らんふりの態度を決め込んでしまった。また、産経の記事で「現地を訪れた際には(容疑者と)行動をともにしていた」と書かれた福島瑞穂も、さらに福島瑞穂の片腕で高江にずっと張り付いていた池田幸代も、Twで何も抗議の意思を発信することなく、注目が集まる中で無言を通したままだった。例えば、9月18日の福島瑞穂のTwを見ると、抗議行動で名護署に逮捕されていた市民を、弁護士として接見の上で釈放させたことが書かれている。福島瑞穂が直に飛んで行って見事に救出した。

c0315619_13165920.jpgこうじゃなきゃいけないし、不当逮捕に対してはこれで当然だ。だが、弁護士は誰も動かなかった。高江の抗議行動で救援活動をしているキーの弁護士は、八重瀬町に事務所を構える小口幸人である。小口幸人のTwを見守ったが、10月5日と6日の2日間、何も書き込みがなかった。しばき隊顧問弁護士の神原元も、男組の声明をTwで紹介するだけで、全く動きがなく拍子抜けさせられた。刑事訴訟法では、警察は被疑者の逮捕から48時間以内に検察に送致しなくてはならず、送致しない場合は釈放となる。48時間が勝負で、先の福島瑞穂の例はこの時間帯に署に飛び込み、逮捕された市民の身柄奪還に成功している。固唾をのんで48時間を見守ったが、顧問弁護士たちは貝のように口を閉ざしたまま、静かに時間が流れて10月6日の夕刻を迎えた。しばき隊は添田充啓を援護救出する行動に出なかった。結局、添田充啓は身柄を那覇地検に送られ、検察が粛々と勾留請求の手続きを進める。逮捕から48時間以内に被疑者を受け取った検察は、24時間以内に裁判所に勾留請求をしなくてはならず、勾留請求しない場合は釈放となる。すなわち逮捕から72時間後だが、10月7日の夕刻を迎えても被疑者釈放の報は上がらなかった。しばき隊の幹部も弁護士も沈黙を続けた。

c0315619_13171346.jpg10月6日の夕刻、逮捕48時間を過ぎた後だが、名護署前で約20名の集会があり、この場で翌7日朝に東京から弁護士が来て3名で被疑者に接見することが報告されている。そして10月7日の夕刻、東京から来た弁護士の一人である原田學植が名護署前でマイクを握っている写真がネットに上がった。何を話したのか詳細は不明。東京から来た弁護士のもう一人は、どうやら顧問弁護士の神原元のようで、その痕跡を窺わせるTwが10月9日の本人のTLに残っている。添田充啓とどこでどう接見したのか、本人がどのように無実を訴えたのか、弁護士としてどう助言と激励をしたのか、何も語られていない。しばき隊の弁護士としてあまりに無責任に見えるし、釈放に本気で尽力してないことが一目で悟られる。たとえ容疑が動かせないものであっても、高江の工事を妨害するために挺身していたのであり、しばき隊の神聖なミッションの遂行中のアクシデントで、顧問弁護士であれば救援任務に没頭するのが当然ではないか。通常、こうした場合、弁護士は被疑者の意気軒昂と解放への不屈の闘志を伝え、保釈がかなわなくても法廷闘争を勝ち抜く決意と自信を言い、支援者に支援を呼びかけるものだ。今回、弁護士だけでなく幹部全員がダンマリで、しばき隊お得意の電話抗議の扇動もなかった。

c0315619_13174011.jpg普段であれば、名護署の電話とFAXが故障するまで抗議せよと号令をかけて一斉攻撃するのがしばき隊の芸当だ。大阪の寿司屋のわさびの件では、あれだけ派手に怒声を上げて電話抗議をしながら、仲間が逮捕された今回の事件では、しばき隊はお通夜のように悄然と静まりかえってしまった。客観的に判断して、添田充啓は完全に見捨てられている。前科三犯で執行猶予中の身であり、かつ容疑の証拠が万全で、騒げば世間体が悪く、しばき隊を政治的に不利にするだけなので、なるべく騒動にならないように息を潜めているのだ。先に触れたように、7月の高江の工事強行の後、警察が逮捕状を取ったのは初めてのケースだが、同様に、検察の勾留請求が認められたのも初めてのケースとなる。福島瑞穂や小口幸人の活躍によって、高江の逮捕者はどれも身柄奪還に成功していて、那覇地裁は県警と検察の勾留請求を悉く却下していた。高江の工事が沖縄と政府にとってクリティカルであり、抗議行動に大義名分があり、全国機動隊を動員した抗議者排除の「公務」が強権的だったからに他ならない。だが、しばき隊が派遣した前科三犯の添田充啓は例外となった。被害者は政府事務官のお役人。同僚の防衛局職員が暴行の一部始終を撮影していて証拠は完璧。安倍政権の断固たる意思もあり、裁判所は逮捕状と勾留請求を承認した。

c0315619_13175368.jpgしばき隊はこの件を完全に諦めている。だけでなく、添田充啓のスマホの通信履歴から割り出される内部情報の漏洩に戦々恐々となっている様子が察せられる。添田充啓は7月の早い段階で沖縄に渡り、高江に張りついて抗議行動に専念、9月9日には東京で最初の報告会を開いて宣伝に努めていた。高江での行動は個人単独のものではなく、しばき隊の組織的活動の一環で、潤沢な活動資金がどこからか出ている。そうでなければ、沖縄に長期滞在する費用を工面できない。勾留は10日間続き、取調べの尋問を受け、さらに10日間延長される。おそらく起訴され、すぐに公判が始まって有罪となるだろう。執行猶予が取り消され、そのまま収監される可能性が高い。しばき隊が添田充啓の件を一切口にしないのは、収監の前途を折り込んでいるからだ。日頃は仲間だ同志だ有志連合だと言いながら、いざとなったら薄情なものではないか。新潟日報事件の坂本秀樹のときも同様で、しばき隊幹部は無関係を強調して遁走した。今回の傷害事件は、当然ながら那覇地裁で民事訴訟が続くことになる。防衛局側は添田充啓の組織的な背景と責任を探り、資金提供して支援していたしばき隊(の誰か)を賠償請求訴訟の被告に据えるかもしれない。賠償が多額だと本人だけでは責任を負えないからである。

これまで、在特会や中核派やヘイトスピーチに反対する会や一般市民を相手に、言わば気楽に抗争していたしばき隊が、初めて政府(防衛省と公安警察)を敵に回し、国家権力から追及される日陰者の立場になった。


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by yoniumuhibi | 2016-10-11 23:30 | Comments(2)
Commented by おにぎり at 2016-10-11 21:25 x
これはっきり言ってやり過ぎましたね。
ここではしばき隊の焦点が当たった内容になっていて、確かに最近しばき隊周辺(のりこえねっとやら、女性精神科医やら)が現地に乗り込んだりして、騒いでるようなんですが
相当ひどいらしいですよ。

こんな事されてるのに「警察の蛮行」?
https://twitter.com/moominedaddy/status/770780554442657792
ケネディ大使襲う沖縄極左
https://www.youtube.com/watch?v=qLwIUTocIpQ
三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記-第17回
https://www.youtube.com/watch?v=7vHDfRcEjM4
東村高江で村道を封鎖・検問するヘリパッド建設反対団体
団体が一般市民の車両を「勝手に」検問する動画 (問題のシーンは1:30秒から)
https://youtu.be/TSbJlNS9rmU?t=1m35s

要するに、過激派の重点活動地域になっていて、
学校の教師が米軍基地で親が働いている子供を攻撃する
米兵の家族や子供が基地に入るのを、辺野古周辺の活動家が脅す
上にもありますが、一般道を活動家が勝手に封鎖して地元住民の生活の邪魔をする
選挙の際には圧力をかけて投票を強いる、という事が日常茶飯事だそうです。
地元マスコミが活動家と一緒になって米軍基地に不法に入って、それで不当逮捕だと騒ぐのがザラだそうで。
地元の警察官が逮捕しようとすると、「お前の家族を探し出してやるからな」と脅すので
沖縄と関係がなく、身元情報を突かれない県外からの機動隊を派遣したそうです。
これにさらに中国・朝鮮系の工作員が入っていて、探せばそれぞれの言葉で書かれた旗やのぼりの画像が出ます。
米国も米議会で「反米基地運動の裏に中国の工作活動がある」という報告が出され、米軍もその情報を収集して対策に本腰を入れ始めたそうです。
これは恐らくテロ指定される可能性が高いです。
ある国(ここでは米国、中東南米でも可)が指定されると、国際機関にテロ指定されてリスト入りし、
自動的に世界中でテロ指定され、相応の対策が取られます。
はっきり言ってやってる活動がテロと変わらないですからね。
Commented by NB at 2016-11-20 02:31 x
しばき隊…そういう人たちも居たなあと久方ぶりに思い出させられたかんじ。
もう一般人に向けて俺たち正義のヒーローだぞとアピールするの完全に諦めてるよね。
だからメンツのために不当逮捕とか奪還とかって対外的に勢いだけでブチあげるような動機がもう無いんでしょう。
もはや内輪の目しか意識してない。今は反基地に蝟集してる、サヨクソサエティの中だけで生きていくと思い定めたんだろう。
その中でヘタレとかなんとかって突き上げ食ったりしたらそれは気にするんだろうが
今はまだそういう内ゲバフェイズには至ってないと。


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