民進党都連の露骨な造反 - 参院選惨敗を見越した都知事選相乗り策動

c0315619_1442998.jpg参院選の投票まで残り一週間。昨日(7/3)、民進党の都連が、都知事選の候補に長島昭久か増田寛也を軸に検討を進めることを確認したとNHKが報じた。今後の対応を都連会長の松原仁に一任したとある。衝撃的なニュースのはずだが、今朝(7/4)の朝日の紙面には記事が出ていない。この事実が衝撃的である所以は、言うまでもなく、この民進都連の決定が岡田執行部の方針と真っ向から対立するもので、自民とは相乗りしないと明言している岡田執行部に対する造反だからだ。2週間前、6月20日のブログで、私は都知事選をめぐる民進右派のクーデターについて述べたが、参院選の一週間前にして、いよいよそれが現実の動きとなった。松原仁らによる増田寛也を担ぐ動きは、明らかに石原伸晃らと裏で示し合わせた謀計であり、小池百合子を降ろしたい自民都連と、相乗りにしたい民進都連の思惑が一致したものだ。増田寛也は、必ず勝つ形ならば出馬したくて目が血走っているが、負ける可能性があると失うものが大きすぎて躊躇なのである。「東京スカイツリーから飛び降りる覚悟」というのはそういう意味だ。小池百合子を降ろすか、民進と相乗りで決めてくれと自民党に要求している。それを見た松原仁と長島昭久が素早く動き、自民都連と結託して岡田執行部に造反する動きに出た。



c0315619_1444031.jpgこれは、一週間後の選挙惨敗を織り込んだ民進右派の露骨なクーデターである。7月10日夜に岡田克也が辞任表明することが確実で、岡田執行部が死に体となっているから、こうやって堂々と造反ができるわけであり、枝野幸男の失権を世間に強調し、参院選後の党内政局の主導権を握るべく既成事実を作っている。あからさまな権力闘争に出て来た。投票まで一週間を残して、有権者の前で民進党の内紛が丸見えの状態となった。都知事選の告示は7月14日で、参院選の4日後である。増田寛也が出馬に踏み切らない場合は、スペアの長島昭久が出て相乗りの形を作るのだろう。岡田執行部が7月10日夜に崩壊し、右派が奪権に成功し、民進党としての独自候補が出せず、松原仁と石原伸晃の目論見どおりに候補選びが進む可能性が高い。民進党と切れた左翼陣営は、そのときは迷わず宇都宮健児を出す。小池百合子が粘り続けるかどうかは分からない。管義偉が裏金を1億ほど渡して降ろすか、安倍晋三が改造後の閣僚ポストを約束してやるか、取引があるかもしれず、取引がないまま分裂選挙に縺れ込むかもしれない。長島昭久が相乗りで出た場合、イメージが悪く、野合批判でマスコミが叩く進行も考えられ、小池百合子の方に保守票と公明票が流れる展開も十分あるだろう。

c0315619_1445455.jpg選挙戦に入る前、SEALDsが、全国32の1人区で勝って、何としても民進執行部の現在の「野党共闘」路線を維持させないといけないと言っていた。SEALDs・市民連合・共産党の選挙の主眼はそこにあるのであり、議席の数より何より、今の民進党の左寄り路線を保全する結果を導くところにかかっている。つまり、衆院選も今の共闘態勢で臨むことが最大の目的で、そのための参院選だ。が、都連(松原仁・長島昭久)の造反劇を見るかぎり、それはかなり難しい情勢になってきた。選挙後の権力闘争(党内政局)は必ず起きる。岡田・枝野の執行部体制が盤石で続くことは、まず考えられない。民進党が30議席を割れば、岡田克也は責任をとって辞任表明するだろう。共産党との共闘路線が続くかどうかはきわめて危うい。私の見通しでは、32の1人区で10以上取れば、善戦したということでSEALDs・しばき隊・共産党は自画自賛の凱歌を上げ、衆院選も「野党共闘」で戦えと意気を上げるだろう。逆に1人区で8議席以下に終われば、国民は「野党共闘」を支持しなかったという意味づけをマスコミに与えられ、負け犬となったSEALDsやしばき隊学者が出る幕はなくなるだろう。SEALDs・市民連合は勝敗ラインを設定していないが、8から10の数字が事実上の勝敗ラインと見込まれている。

c0315619_145661.jpg時事通信が昨日(7/3)出した終盤情勢によると、「野党共闘」は、岩手、宮城、山形、沖縄の4県の1人区を確保し、青森、福島、新潟、山梨、長野、三重、愛媛、大分の8県で接戦を演じている。このうち、青森、福島、新潟、長野、三重の5県は「野党共闘」がリードしていて、時事によれば9県を「野党共闘」が取るという予想になる。8と10のちょうど中間だ。もし、1人区を10議席以上制し、「野党共闘」に一定の成果ありという評価をマスコミから得られれば、民進党の議席が20台後半であっても、右派との権力闘争に枝野幸男が踏ん張って抵抗する足場ができよう。主導権争いをイーブンにできる粘り腰の担保が可能だ。具体的に言えば、岡田克也が7月10日に辞任表明しても、代表代行のトロイカ(長妻・江田・蓮舫)で時間を繋ぐ形にして幹事長にとどまり、仮に長島昭久の出馬を認めた場合も、長島昭久を「野党共闘」の候補に巧く仕立て上げ、自民との相乗りを防ぐ方針の貫徹に出るだろう。いずれにせよ、一週間前からこんな状況だから、選挙の結果が出た後の民進党は大荒れになり、路線をめぐって左右で激しい衝突が起こるのは確実だ。現在の民進党は、選挙での議席減を減らすべく共産党と組んだことで、ネイティブの路線よりも左寄りに傾斜した諸政策を掲げている。

c0315619_145185.jpg選挙敗北後に揺り戻しが来るのは当然だ。例えば、憲法政策について見ても、左派とされる枝野幸男は、2013年に集団的自衛権の明文化を提唱して文藝春秋に論稿を載せている。懸念されるのは、参院選後に憲法改正の議論が本格的に始まることで、その動きと民進党の内紛なり分裂なりの騒動がリンクして推移することだ。右派の側は、権力闘争の攻勢に必ず憲法改正の問題を俎上に据えるだろう。最近の民進党の憲法政策は、辻元清美が担当でテレビで説明していて、まるで民進党がそっくり社民党に入れ替わったかのような印象を受ける。民進党(民主党)というのはカメレオンで、その場その場の状況に応じて変幻自在に基本政策の説明を変える政党だ。だから、この政党と長く付き合ってきた国民は、参院選後に民進党が憲法の姿勢をコロッと変えるだろうと見ているし、そのように豹変しても何も驚かない。TPPについても、いつの間にか反対の公約になっていて苦笑させられる。まるで小沢一郎が代表をやっていたときの、9年前の「国民の生活が第一」の時代と瓜二つだ。私の予想では、おそらく民進党は参院選に負けた後、憲法政策で党内全体が右によって9条改憲を言い出すようになり、マスコミの要求に応じて、消費税増税と社会保障切り捨てで自民党と歩調を合わせる「一体改革」の路線に戻るだろう。

共産党との共闘関係は白紙に戻るか、そうでなければ党内で泥沼の混乱となり、党が分裂する事態になるだろう。


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by yoniumuhibi | 2016-07-04 23:30 | Comments(0)


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