主水事件の構図と訴訟 - 野間易通と辛淑玉の相克、第1弾の次は何か

c0315619_14372196.jpg被害者と弁護団による今回の「第1弾」の次は何か。それを予想する前に以下の二つの問題について考察したい。一つは、なぜ最初に野間易通を提訴する戦略が選ばれたかであり、関連してもう一つは、なぜ野間易通は李信恵の謝罪文が公開された直後に、狂暴かつ無謀に被害者への人権侵害の攻撃を始めたのかということである。念のため、私は当該弁護団とはコンタクトはとっておらず、被害者の裁判について特に意思疎通はなく、自由な個人として事件を論じている立場なので、そのことを前提として申し上げておく。野間易通の異常な行動の分析から始めよう。常識を持った人間からは実に意外なことに、4月29日、野間易通はいきなり被害者の実名と所属をTwで暴露する挙に出た。そして口汚く侮辱と罵倒を始め、子分にRTさせて追随させた。後に提訴される原因となったところの、犯罪被害者への苛烈なセカンドリンチを加えて行った。現時点から顧みれば、まさに墓穴を掘る愚かな不法行為だが、しばき隊の主宰者として、そのときその行動に出ざるを得なかったのだ。それまで、リンチ事件については右翼のデマだと言い、風聞だ都市伝説だと欺き続けて事実を否定していたために、動かぬ証拠を突きつけられたことで、しばき隊はウソをついていることが明白となったから。



c0315619_14373774.jpg追い詰められた野間易通は、窮地を挽回する一策として、被害者(主水)を直接ネット上に引っ張り出し、本人を小突き回すことで、本人から「あれはリンチではありませんでした」「自分の勘違いで迷惑な騒ぎをしました」と発言させようと目論んだのである。それが動機だ。本人の口からそう証言させれば、リンチ事件はなかったことになる。苦境をひっくり返すことができる。野間易通にとって事態を打開する方法はそれしかなく、世間の追及からしばき隊と自己の権力を守るにはその一撃を成功させるしかなかった。そのため執拗に被害者を挑発し、Tw上で口を開かせようとしたのだ。その野間易通の意図は本人のツイートで確認することができる。6月1日に「私はべつに○○を被害者として保護せよなどと述べたことはありません。以前から再三にわたってネットに引きずり出そうと試みています」と正直に漏らしている。異様で悪質なセカンドリンチ行為は、被害者本人をネットに誘き出すことが目的だった。野間易通の一計は、われわれからすれば非常識きわまりないものだが、当人には自信のある起死回生の策だったのだろう。4月末から5月初の時点、高島弁護士やKangKim医師が援護の前面に出る前は、被害者周辺はきわめて頼りない貧相な状態で、被害者もふらふら動揺した様子が看て取れた。

c0315619_14375468.jpg被害者に最も近い位置で支えていると思しき者でさえ、有田芳生の信奉者という面妖さがあり、また、李信恵を批判したかと思えばコロッと転んで李信恵に謝罪する趙博のような、関西在日社会の「大物」が介在していたりと、被害者周辺は要領を得ない杜撰さと混沌とした状況が当時は漂っていた。被害者のしばき隊のマインドコントロールも未だ効いているかと思わせる実態があり、野間易通はそこを衝きに行ったのだ。結果的に野間易通の思惑は失敗したが、野間易通がその暴挙に打って出た理由を考えると、本人の狂気だけでは説明できない構図が見えてくる。2015年の2月3日に殊勝な謝罪文を書き、TwとFBの休止を誓い、講演会活動も停止することを被害者に約束していた李信恵が、わずか2か月後の4月8日に態度を翻し、一方的活動再開宣言の文書を送りつけ、被害者の承諾も同意も得ないままに活動を再開するに当たっては、東京(しばき隊のヘッドクォーター)の意向と介入が大きかったと一部で囁かれている。主宰者の野間易通だ。リンチ事件など隠し通せばよく、被害者を押さえ込めば発覚を封じることは可能で、それよりも対在特会裁判で李信恵が反ヘイトのシンボルとして活躍する方が政治的に重要だから、謝罪文の約束など反故にしてしまえという策略に動いたのだろう。

c0315619_14381136.jpgおそらく、その間、辛淑玉との間で緊張 - 主導権争い - があったに違いない。1月下旬から2月初旬、事件を(一時的にせよ)収拾に導いたのは辛淑玉の指導性によるもので、(1)刑事事件にする、(2)謝罪文を書く、(3)李信恵だけは不起訴処分にする、(4)誠意ある補償で解決を図る、という形で纏まったのは、事件裁定のドクトリンたる辛淑玉文書の力が大きかった。在日の支柱たる辛淑玉の面目躍如の瞬間である。だが、この収拾策に対して不服を唱えるしばき隊の武断派分子が関西に少なくなく、東京の野間易通と男組も、しばき隊の仕切り(ヘゲモニー)を辛淑玉に握られて問題解決に着地するのが不本意だったのだろう。しばき隊の時々刻々というのは、主導権争いと権力闘争に明け暮れる一分一秒であり、ヘゲモニーは野間易通としばき隊の大好物で、まるでパンダの竹と笹である。一日中飽きもせず貪り食っている。つまり、4月29日に野間易通がいきなり被害者の実名暴露に及んだのは、昨年4月の李信恵の一方的活動再開すなわち謝罪文の誓約反故が、自分自身の主導権で強行されたものであったため、ウソの尻ぬぐいをするため、自分で始末をつけてリンチ事件の否定を強引に固めるべく、被害者の挑発とネットへの誘き出しに乗り出したのである。そのように整理すると全体がよく理解できる。

c0315619_14382261.jpg李信恵は、辛淑玉(文治派)と野間易通(武断派)の間で揺れていた。さて、それでは、なぜ弁護団が先に野間易通の提訴に踏み切ったかというと、これは簡単で、何より野間易通による被害者へのこれ以上の人権侵害を阻止するためである。誹謗中傷をさせないためだ。事実として、6月8日20時ちょうどに被害者から発せられた野間易通提訴の報告の後、しばき隊界隈は静まりかえり、リンチ事件で開き直りを叫喚する醜態はなくなった。被害者や被害者を支援する者への恫喝や脅迫は消えた。週刊実話の記事が出てこれまで、リンチ事件の議論に関わってしばき隊を批判する者には、大袈裟でなく身の危険が迫る局面になっていて、その具体例が自宅を襲撃された四国の合田夏樹である。6月9日の高島弁護士の声明により、われわれはようやく暴力の危機から脱して自由に言論する地平を得た。大阪地裁での主水事件の訴訟は、静岡地裁の「凪論」事件と同じ内容だから、原告勝訴の被告敗訴は誰の目にも明らかで、したがって、しばき隊の仲間を含めて誰もTwで野間易通を擁護しようとしない。この順序選択は、被害者と弁護団の訴訟戦略全体からすれば、いわば先手必勝、先鋒勝利を意味し、その後の訴訟を有利な展開に導く条件を作り出す。戦略として秀逸な一手と言える。誰もが、加害者3名に対する民事訴訟が先だと思っていた。

c0315619_14383489.jpg野間易通を野放しにしたまま、すなわちしばき隊に開き直り(デマと罵倒の拡散)を続けさせたまま、3人を地裁に提訴したところで、相変わらずネットでのしばき隊の狂乱と妄動は続き、しばき隊を盲信する左翼リベラルの世論がしばき隊を支持し続け、事態は5月と同じままの不穏な情勢が続く。子分どもの被害者への嫌がらせも止まない。先に野間易通の非を責めて頭を抑えに出たのは正解だ。しばき隊と左翼リベラルの中でも、昨年4月に誓約を破って一方的に活動再開したのは間違いだったとか、リンチ事件の隠蔽工作は誤りだったとか、そういう意識や世論が醸成されてゆき、反省が促される契機が芽生えることだろう。それでは次に何が来るかと言うと、普通に考えれば加害者3名に対する民事提訴だ。が、高島弁護士の声明文の第6項にはこうある。「『セカンドリンチ』の加害者は、被告野間氏だけではありません。主水氏の実名を掲げてプライバシーを侵害しその名誉を毀損した者は複数います。中には、社会的地位のある方もおり、その方のツイートは主水氏の交際相手を取り上げ、脅迫と受け取ることもできる恫喝というほかないものです。『セカンドレイプ』の加担者に対する法的対処は、関係者において協議中です」。名前は挙がってないが、関西学院大学教授の金明秀が俎上に据えられていて、何らかの法的措置の発動を予想することができる。

c0315619_14384660.jpgもう一つの可能性は、李信恵を検察審査会にかけることである。高島弁護士の声明文の第7項にこうある。「2名の暴行・傷害実行犯について略式罰金が科されています。しかし、罰金確定者を含め、複数の事件関与者はいまだ民事責任を果たしておらず、李信恵氏の不起訴処分については不服があるところです。これらの問題についても法的対処を検討・準備中です」。不起訴処分は一事不再理の対象外であり、検察審査会に申立てをすることができる。検察審査会で不起訴不当と議決されれば、検察は李信恵を起訴しなくてはならない。このリンチ事件全体を第三者の視点から見て、どうにも不自然に感じるのは、どう考えても加害者の中で最も責任が重いはずの李信恵が、起訴を免れ刑事責任を免除されている点だ。この真相については現在までのところ、被害者も加害者も黙っていて藪の中だ。このことは、おそらく事件の隠蔽工作と密接に関わっていて、真相解明の中でそれに関与した人間があぶり出される展開になるのだろう。最後に、ひょっとしたらという可能性だが、男組(添田・伊藤・松本)が訴訟の対象になるかもしれない。5月に高島弁護士が暴露した中に男組による事件直後のLINE会話と思われる画面があり、リンチの計画と隠蔽に男組が関わった疑いが濃厚と思わせる証拠だった。伊藤大介と松本英一はリンチの現場にいて、リンチ実行を見届ける立会人となっている。

男組(添田・伊藤・松本)にも法的責任追及の手が伸びておかしくない。


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by yoniumuhibi | 2016-06-15 23:30 | Comments(5)
Commented by ろうのう at 2016-06-15 22:06 x
反経済成長、リバタリアニズム、暴力。
時として悪い経験を積み重ねれば自信を失うことがある。何か注意したら経験論でごまかし続ければこうなる。産業資本の経験論とメディア資本の経験論は性質を異にする部分が多く、機能する経験論というのを誠実に考えないと暴力的事あれ主義に転落することもある。
Commented by NY金魚 at 2016-06-17 11:38 x
この件に関してはじめてコメントさせていただきます。70年代前半の連合赤軍による同志に対するリンチ殺人事件を思い起こします。僕自身はそれまでどちらかと言うと政治意識が薄い青年だったのですが、この事件を契機にかえって日本の過激左翼に深い諦観と絶望を感じ、ほかの場所に自分の理想主義を求めはじめました。海外に行こうと思い立ったのも、これら日本における内向きの、仲間に対する暴力に絶望したことが契機になったと思います。過激派にとっての革命とは権力と闘うことですから、おなじ連合赤軍のテルアビブでの乱射事件は(もちろん同意などできませんが)かれらには意味のあったことなのかもしれません。が、その山岳ベース事件は、共産主義化の理想のもとに厳しい統制や教化が敷かれ、その行き過ぎた末路が14人もの同士を殺しあうリンチ事件となりました。村上春樹の小説にも、この事件にオウムの事件を混入させて、不思議な思想の奇形を語っている部分があります。
今回のリンチ事件は殺人には至らなかったものの、反体制の仲間同士がいがみ合うその歴史を踏襲しているように見えます。
為政者が戦争をはじめようとしている異常な時期に、そのことに対して、団結し連帯して闘わねばならないそのときに、どうして仲間を傷つける時間などあるのでしょうか。闘争の相手をまちがえています。
Commented at 2016-06-18 13:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 七平 at 2016-06-19 08:36 x

(1の2)
​​以前、劣等感と優越感はVector の方向が違うだけで、全く同様の概念であるとの 投稿をしました。本サイトにて 在特会やしばき隊の言動内容を学ぶに連れ、これまた同様に左右のVecotorは違っていてもMentality(概念)は全く同様であると考えるようになっています。 相手の意見を冷静、客感的に聞く耳を持たず、 自分たちに賛成しない人々、正当な批判をする人々を敵対視する。 一旦、相手を敵とみなすと、討議の本題や内容は二次的な問題となり、極めて歪んだ精神構造を基盤に相手を精神的且つ肉体的に傷つける事から快感を得る行動に移行してしまう。 そういう組織の中にも、まともな良心と精神構造を持った人々もいるはずですが、組織内で 村八分にされるのを恐れてか、暴走する人間を止に入らないで同調し挙句のはては弱い者いじめに参加してしまう。 何やら戦前、戦後の日本人のMentality の悪い所が縮図されたような内容です。主様がなされているような意思表示、分析は価値ある物だと感謝します。 Journalistとして、罵倒されても証拠を添えて白は白、黒は黒と言い切る人々がもっと必要です。

日本人の思想が右傾、左傾と広がっていても良いと考えています。 実際、その幅 (標準偏差)が広いほどヤジロベイの腕の長さと同じ原理で国に安定をもたらすはずですし、国として物事を広い角度から検討できるはずです
Commented by 七平 at 2016-06-19 08:37 x
(2の2)
問題の根源は、儒教文化に由来していると考えます。韓国も似たり寄ったりでしょう。 まず、親も学校も教育の一環として ”平等な立場での討論,討議”の仕方やマナーを教えていません。 幼い子供に”親に口答えするものではありません。” (理由なく)年上の人を敬え” とか を叩き込まれ、 大人になっても名刺交換から会話が始まり、学歴や役職を見極めた上での序列文化の箱にきちんと収まっていろとの暗黙のメッセージが差し出されています。加えて、 大人気ないのですが、 子供に対して”切れる”醜態をさらす、親も多いのではないのでしょうか? 子供はそれを学んでしまいます。

討議の内容に的を定め、平等に 討論する経験、訓練が欠落しているだけではなく、それ以前に必要な自分の意見形成、要するに自分なりに考え、自分なりの意見を作る作業、訓練も疎かにされていると思います。 日本の教育制度下では記憶力と反芻力さえあれば、試験には良い点が取れます。 脳細胞の割当をDRAMからCPU に移行する教育と訓練が望まれます。各人、個の確立ができていれば、羊のように狼に振り回されないはずです。


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