プライムニュース(4/25)での北海道5区補選論議

c0315619_1225466.jpg昨夜(4/25)のBSフジのプライムニュースで、北海道5区補選が話題になって議論されていた。出演していた茂木敏充の話の中で印象に残った点が二つある。一つは、SEALDsが選挙区に入って池田真紀を応援した集会についての目撃証言で、学生など若者の参加者は前の方にほんの少しいただけで、ほとんど高齢者ばっかりだったと言っていた。今回の補選に限らず、SEALDs・しばき隊・市民連合が主体になって市民を動員する政治運動の集会は、常に基本的に茂木敏充が暴露したとおりの実態を持っている。にもかかわらず、その集会や運動を報告するマスコミ報道は、必ず若者の一団の写真付きで紹介され、若者を中心にした市民の動きとして美化されるところとなる。いつも同じだ。主催者発表12万人の昨年8月30日の国会前集会がそうだった。現場を撮ったYouTubeの映像を見ても、白髪頭の60代から70代の男たちの姿ばかりが目立つ。昨年行われた最大の集会だったが、参加した学生の数は200人ほどしかいなかった。TBSなどテレビのカメラは、全体の中ではごく少数でしかない若者の姿を集中的に捉え、それのみを編集して放送していたのであり、その絵に全体を象徴させて「若者中心のデモ」のイメージに仕上げていたのが実情だ。



c0315619_123734.jpg情報工作であり、主催者の意図に加担したプロパガンダである。それが今も続いていて、北海道5区補選でも同じ手法が繰り返された感がある。本当は、圧倒的に高齢者が押しかけていて、高齢者中心の集会なのに、その事実は周到に隠蔽され、SEALDsが呼びかけて若者たちが自然発生的に動いて池田真紀を応援した集会が行われたような印象操作がなされている。現実には、北海道においても、若い世代ほど自民候補への支持が強く、それが投票にも現れている。茂木敏充の暴露は、公人の立場の者がテレビで行ったものとしては初めてのものだった。あらためて、昨年の反安保法の運動とその報道のあり方が検証されるべきときだろう。同じ番組に出演していた山口二郎は、正直に、SEALDsや文化人の応援活動は票の掘り起こしには繋がらなかったと言い、今回の選挙が組織対組織のガチンコの戦いだったことを認めていた。両陣営が、自らの陣営の票固めにガチガチに動いた選挙で、双方が陣営の票固めに成功した結果、組織の大きな自民勢力に負けたと言い、自然発生的なブームが起きなかった事実を認めている。このあたりの率直さは山口二郎らしいところで、政治評論家として好感が持てる性格があらわれたと言える。

c0315619_12589.jpgもう一つは、やはり茂木敏充の発言で、参院選(同日選)の本番になれば、政策論争となり、消費税、TPP、原発などの柱となる経済政策が焦点になるが、そのとき、共産党と民進党の矛盾が露呈して、1人区の選挙区で立っている「野党共闘」の候補者は立ち往生になるだろうという批判である。このことは、私は以前から指摘してきたが、左翼リベラルの側は全く問題視せず無視したままが続いている。ここで考えなくてはいけないことは、北海道の補選と全国一斉に行われる参院選とは状況が違うということだ。今回の北海道の選挙でもテレビ討論の機会はあったらしく、それなりに政策論戦があったように聞いている。だが、おそらく、そこでの討論というのは、安倍政権の政治がトータルに問われ、アベノミクスによる格差や貧困などが訴えられ、保育の問題が指弾され、TPPが問題とされ、池田真紀が安倍政権を批判するという図になっていたに違いない。それは、多くの北海道の人々の政府への不満の代弁である。だが、参院選の本番で政策討論が行われたときは、そういう図にはならないのだ。NHKの島田敏男が進行を仕切り、その場には、自民、公明、民進、共産、お維の幹部が居並び、一つ一つの柱の政策についてディベートが行われる。

c0315619_127659.jpg各党の幹部は自党の公約に基づいて主張を述べる。北海道5区補選では、野党の主張は池田真紀が一人で代表し、道民の政府批判を代弁する形ができたが、参院選のディベートでは民進と共産が座っているのであり、そこに自民・公明・お維がいて、さらに安倍晋三の息がかかった司会がいて、激しく民進と共産の政策の齟齬を衝いてくることが予想される。民進のマニフェストにはこう書いているが、共産はどうなんだという質問が飛ぶ。複数区と1人区と、言っていることが違うじゃないかという話になる。公明やお維が割り込んでくる。突っ込みを入れる。実際に、番組を見る視聴者の興味と関心は、民進と共産の二者が基本政策をどう擦り合わせたのか、水と油の二党が、基本政策を矛盾させながら選挙共闘する立場をどう弁明するのか、というところに向かうし、番組側はそこを焦点にして掘り下げる進行にし、視聴者のニーズに応えようとする。放送は全国ベースのものであり、北海道のマスコミのように、民進寄り、反安倍姿勢の基調のものにはならない。NHKの「公正公平」の基準は、現在の政党支持率や国会の議席比率に従った言論主張バランスにすることで、要するに安倍晋三の思惑どおりの政治討論ショーにすることだ。北海道の選挙討論のようにはならない。

c0315619_1271646.jpgが、北海道の選挙結果を見ても思うことで、最近の世論の空気にも感じることだが、安倍晋三の政治体制は以前のように盤石ではなくなっている。しばき隊と左翼リベラルは、自民が「野党共闘」を恐がっているという話を誇大に宣伝して「野党共闘」の正当化を図っているが、実際には、自民が恐れているのは民進と共産の連携の力ではなくて、安倍晋三とアベノミクスの威光の衰えなのだ。あそこまでやったのに接戦だったのかとか、楽勝のはずだったのにという自民幹部のボヤキは、「野党共闘」が敵として手強いという意味ではなくて、味方の側の急所の問題であり、つまり安倍晋三の独裁政権に国民が嫌気がさしてきていること、アベノミクスへの期待と信頼がなくなり、、にもかかわらず安倍晋三が有効な新政策なり新境地なりを打ち出せてない点にある。昨日(4/25)発表された報ステの世論調査では、「アベノミクスはうまく進んでいますか」という質問に対して、「思う」が15%、「思わない」が64%という数字になっていた。最早、完全に、国民意識の中ではアベノミクスは否定されていると言っていい。アベノミクスへの帰依と盲信の時代は終わった。北海道5区補選の選挙結果はそのことを示している。自民幹部が恐れているのは、口には出さないが、アベノミクスでは選挙に勝てないという現実だ。

これまで、2012年、2013年、2014年と、安倍晋三は3回連続して国政選挙に勝ってきた。どの選挙でも、争点として訴えたのはアベノミクスで、アベノミクスの恩恵が間もなく地方まで行き届くという約束だった。国民はその約束を信じ、三度、安倍晋三を国政選挙で勝たせたのである。


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by yoniumuhibi | 2016-04-26 23:30 | Comments(2)
Commented at 2016-04-26 14:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by わかめ at 2016-04-26 22:01 x
私も昨夜(4/25)のフジプライムニュースを見ました。私もブログとほぼ同じ感想を持ちました。
あと、民進党議員として右派とされている玄葉議員だった為か、共産党と選挙協力関係を持っても、
仮に政権を取った場合でも共産党を閣内で一緒にやるイメージが全くない、と言っていたのも、
選挙が終わったから言える本音だと思いました。
コメンテーターの山口二郎は、野党連合の主張がシングルイシュー(安保廃案、憲法違反、秘密保護法廃止、安倍政権打倒)のに対して、
選挙権を持つ人の関心は、経済と社会福祉が強いのに、池田候補は未経験と知識がない為に主張できなかったと、
どうも歯切れが悪い。
距離をとりたがる玄葉議員に対して一言言いたい様子に感じたが、野党連合でも一応「無所属」出馬になってるのを、
「もし当選したらどこの党、どこの会派に所属するつもりか?」
「当選してから考えますでは、候補者の活躍を国民は読めないのでは?」
の質問に対しても何も返答できず、しぼんで見えました。
素人視点でも、そんな疑問がでてくる状態で、自民党が野党連合は恐れるに足りずという感じが茂木議員の発言の端々にでてました。
自民党が経済政策で主張を展開できずに、評価を得られないならば、安倍政権に審判があるやもしれませんが、
だからと言って、野党連合のどこに期待をできるのでしょうか。
沖縄の宜野湾市長選挙でも、辺野古シングルイシューに野党がした為に、自民党にかわされて敗けてしまった。
私の見え方では、北海道5区でも、その反省なく同じ戦法で敗けた感じがしてなりません。
シールズやしばき隊などは、地方視点ではラップと太鼓でリズミカルに掛け声での政治運動をする「奇抜な兄ちゃん、姉ちゃん」でしかありません。
70年安保がしぼんで、その後に「シラケ世代」が生まれた時代を知る者からすれば、
どこかの政党の壊れた広報レコードでしかありません。
あれで多数の意見を集約できると思ってやってるなら、国民をバカにしてる、としか見えないでしょう。


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