資本主義と社会主義 - サンダース現象に狼狽する日本の言論空間

c0315619_1954541.jpg 社会主義者を自任するサンダースが支持を集め、今回の米大統領選で旋風を巻き起こしている現実について、それを捉える日本の報道やネットの言論には、どこか屈折感があり、腫れ物に触るような態度が感じられる。この現象をどう理解し、評価し、自らの立ち位置との距離感を測定し、言葉を与えればよいか、戸惑いと逡巡があるように見受けられる。2/3の夜に報ステでコメントした立野純二の議論などは、まさにその混乱が逸脱に至った典型で、サンダースの異端性を無理に強調しようとするあまり、サンダースの政策である国民皆保険や公立大学無償化について、それを極端で過激なものだと性格づけて斬り捨てるという無茶をやっていた。政治の解説としては支離滅裂で、真意を疑う面妖な言論だと言わざるを得ない。国民皆保険の選挙公約や政策要求が、どうして、よりによって朝日の記者によって「極端」だとレッテルが貼られ、不当視され、ネガティブな表象と範疇に処理されるのだろう。立野純二が、このような失言と責められても仕方のない偏見を犯したのは、サンダースという政治対象を理性的に認識できず、イデオロギー的なバイアスに牽引された動機のまま、サンダースを説明しようとしたからだろう。



c0315619_1955476.jpgサンダースが社会主義者であり、これまでの報道でも「極左」という図式で整理されているから、その政策まで含めて、全て否定的な決めつけで処理せざるを得なかったのだ。テレビで論説する者は、基本的に公平中立の心理拘束が作用するから、「極左異端」の評価がマスコミで定着している政治存在に対して、積極的なコメントはできないというのがサラリーマンの立野純二の言い分なのだろう。立野純二の混乱と不全は、かなりプリミティブな事例だが、Twで喋々されている左翼リベラルのサンダース論にも、同じような思考回路の屈折が看取され、奥歯にモノが挟まった言い方がされている。彼らにとって「社会主義」は禁断の魔境で、政治言論のアンタッチャブルなタブーであるようだ。誰もが周到に、社会主義と自己との間に一線を引き、おそるおそる社会主義者サンダースについて論じ、それを何とか積極表象にする説明に苦心している。中には、イデオロギーと政策とは違うなどという理屈を言い出す者もいて、その「努力」に苦笑させられる。恰も、タイツの中に凶器を隠し込んだ悪役レスラーが、レフェリーの前で両手を広げて潔白をポーズしているような、そんな滑稽な場面を郷愁させられる日本の左翼リベラルのサンダース論だ。

c0315619_19551579.jpgここで思い出すのは、辺見庸が朝日新聞のインタビュー(1/21)で語っていたSEALDs批判の言葉と、2011年秋のOccupy Wall Streetの抗議運動に参加した市民たちがプラカードに掲げていたメッセージのフレーズ群である。最初に、辺見庸の発言から思い出そう。こう言っていた。「米国や欧州でのサミットに反対するデモは、資本主義のあり方そのものに反対している。(略)日本とは『怒りの強度』が全然違う。なぜ、国会前デモのあとに行儀良く道路の掃除なんかできるんでしょうかね」。これが紙面に出た後、しばき隊を中心とする左翼リベラルは、またぞろ猛然と辺見庸に噛みつき、辺見庸に「左翼」のレッテルを貼って罵倒する光景が見られた。私の1/22のブログ記事は、こうした愚劣な左翼リベラルへの批判を企図していたため、辺見庸の主張を補完すべく、敢えて5年前のOWSのプラカ-ド写真を証拠として添付したのである。最初に示したところの、NYの街路を行進するかわいい女の子が掲げているプラカードには、「THE WORKING CLASS MUST UNITE」と書かれている。直訳すると、「労働者階級は団結しなくてはならない」だ。これは、高校の世界史と倫社で教わったように、マルクスの「共産党宣言」の末尾にある有名な結語である。

c0315619_19552623.jpg最近のしんぶん赤旗には載ってないようだが、昔の赤旗新聞には、1面上の「赤旗」のタイトルの横に、「万国の労働者、団結せよ」の標語があった。「万国の被抑圧民族、連帯せよ」の標語も並んでいたように記憶する。ちなみに、北京の天安門の毛沢東肖像画の横に掲げられているのは、左に「中華人民共和国万歳」、右に「世界人民大団結万歳」であり、同じ共産党として平仄が合う。OWSのデモの写真では、「REVOLUTION」と書かれたプラカードが実に多かった。そして何より、「CAPITALISM」を正面から批判する言葉を掲げたものが目に付き、私は本当に驚かされた。反資本主義の立場が明確に主張されていた。ゲバラだけでなく、レーニンのアイコンを掲げて歩いている者もいた。日本でそういう場面を見られるだろうか。OWSのプロテスターの「REVOLUTION」が、まさに社会主義革命を意味していることは歴然だった。20世紀の経験をマニュアルとする思想ではないが、資本主義のシステムを否定する革命の行動提起がメッセージされている。正直、腰を抜かして刮目させられたというのが当時の感想で、5年前の記事にはそのことが縷々書かれていて、マルクスが最初の革命は資本主義が最も発達した英国で起きるだろうと予言したことを想起して書いた。

c0315619_19553753.jpgサンダースの選挙運動は、5年前のOWSとそのまま繋がっているのであり、社会主義者を標榜するサンダースに支持が集まることは、特に不思議なことでも何でもない。OWSがハプンする2年前、2009年にマイケル・ムーアは映画「キャピタリズム」を制作公開しており、そのエンディングには国際労働歌「インターナショナル」が挿入されていた。日本人は、少し奇妙な錯覚をしていて、自分たちの政治社会の現状を基準にして、米国は日本よりも反共イデオロギーの土壌が強く、マルクスや社会主義思想へのアレルギーが強いだろうと考えている。しかし、実態を観察すれば、米国の市民の方がはるかにクリアな資本主義批判を言葉にし、その意思を抗議行動の標徴言語にして示している。資本主義批判の思考がストレートで、人を不幸にする諸悪の根源がそこ(新自由主義)にあるという認識が徹底している。日本のような屈折や自家撞着の澱みがない。日本人が錯覚を起こす原因は、日本に共産党や社民党があり、国会の議席があり、そこに投票する人間が何百万人もいて、左翼リベラルの業界と市場が回っているからだろう。だが、日本には共産党や社民党はあるけれど、資本主義批判の言葉はない。誰も資本主義を批判せず、資本主義の揚棄や超克を問題解決として上げない。

c0315619_19555026.jpg私は前に指摘したけれど、資本主義が存続するかぎり社会主義が死滅するということはないのだ。二つは表と裏である。人間が資本主義という経済社会のシステムの下で生き続けるかぎり、その矛盾に直面する人間は、抵抗と反逆をせざるを得ず、それを否定、超克、改造、修正しようとする思想と運動を生起させざるを得ない。マルクス的な形をとるか、別の形になるかは別に、反資本主義のイデーとポリティックスを持ち、そこに共鳴しコミットする人々を生み出さざるを得ない。そのイデーとポリティックスを社会主義と呼ぶかどうかという問題であり、歴史的にそれは社会主義と呼ばれ、資本主義の本質的矛盾を射抜いた思想だったことが確認される。昨年のSEALDs運動の情景を思い出したとき、代表としてマスコミの前に現れた奥田愛基が、一番会いたい政治家は小泉進次郎だと言ったことがあった。その発言が政治的正体を隠すカムフラージュの作為だったのか、本音だったのか、判断は人に任せるが、少なくとも、SEALDsからOWSのような資本主義批判の言葉はなく、辺見庸に対して、奥田愛基は衒いなく「左翼にはなりたくない」と罵倒を返している。自分は左翼ではないという自己認識(アイデンティティ)の確認の弁だ。奥田愛基にOWS的な反資本主義のイデーとコミットがないことは論を俟たない。

c0315619_1956032.jpg5年前にOWSの運動に参加し、今はサンダースを応援している米国の若者たちが、SEALDsの国会前デモを見て、そこに資本主義批判の欠如を指摘する辺見庸の発言を読み、そして、その辺見庸を集団リンチで誹謗するしばき隊の「左翼批判」の妄言を見たとき、果たしてどちらに軍配を上げるだろうか。しばき隊の学者と隊員は、ネットの中では、現在の日本の左翼リベラルを代表する位置にあるのだが、彼らの言葉の中には、どこにもマルクスを読み込んだ痕跡が感じられず、マルクス的なデモーニッシュな資本主義批判の精神が感じられない。それは、しばき隊スタディーズに隣接して外縁を構成するところの、SEALDs学者(内田樹、佐藤学、山口二郎、高橋源一郎)にも言えることだ。マルクスを読んでいるのは、SEALDsを批判する辺見庸である。マルクスでなくても、別の社会主義思想でもよいが、資本主義と緊張感をもって対峙する契機がこの国には著しく欠けている。逆に、社会主義を否定する空気はきわめて濃く、反社会主義はデフォルトの真理であり、社会常識になっている。従来、資本主義という言葉(用語)は、基本的にマルクス的な意味で使われてきて、そこには批判的含意が前提されているから、資本主義批判を嫌忌する者は、なるべくこの語を使わず、自由主義だの市場経済だのを代用してきた。

そうした習慣が全面化してから20年以上経ち、資本主義という言語を使ったり聞いたりする環境もなくなったもので、資本主義の意味(概念)すら日本人は疎く遠くなってしまった感がある。資本主義という言葉も自在に使えないから、社会主義という言葉にはもっと抵抗感と拒絶感があるのだ。要するに、嘗てはそれが当然だったところの、眼前の社会を資本主義の言葉で批判的に認識する、あるいは、あるべき社会像から照らして相対化する、という社会科学的な基礎の態度が不全になっていて、だから、サンダース現象の前で狼狽するのである。われわれは、その対象を資本主義とか資本主義社会というタームで呼ぶことができなくなっていて、格差とか格差社会という批判語でそれを代替してしまっている。資本主義と格差社会とは意味が違うのに、そのことに無批判なまま、自己欺瞞的に、無意識的に、格差社会という言葉を使ってその場凌ぎの思考と議論をやっている。


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by yoniumuhibi | 2016-02-04 23:30 | Comments(9)
Commented by 旅マン at 2016-02-04 23:14 x
同じことはニュース23(金曜)のコメンテーターにも言えますね。
問答無用で、サンダーズさんを社会主義者だと切り捨てた、日経新聞記者の態度に呆れた。
民主党の支持者で、85%を越える三十才過ぎくらいまでの人々がサンダーズさんを応援していることに驚きました。
というより、このサンダーズさんは
所謂『赤い』社会主義ではないのではないか?
民主社会主義者だという触れ込みには、春日一幸や佐々木良作といった
『とんでも』似非社民主義者を連想もしたが(笑)、おそらく、北欧などの社民主義者に過ぎないのでは?まともな人なんだろう。あの民社党と違って(笑)。
つまるところ資本主義の権化アメリカで社民主義者が格差是正とか大きな政府論などを仕掛けている?
アメリカで、というのが異様に感じられるところなんだろうが、格差問題が突出した鬼畜米英日ならば、遅きになんとやらなのでは?
日本は中曽根やら土光やらのころから、小さな政府礼賛の風潮をマスコミがやりまくってきた。小泉が登場する前辺りからは、朝日新聞なども
この流れに棹をさしてきた!
未だに橋下なんぞをちやほやする朝日新聞に辟易する私だが、こんなやからにしてみたら、サンダーズさんの大健闘は、あ、『不都合な真実』
ってやつですかね?
Commented by mori at 2016-02-05 10:39 x
「右でも左でもない」という中立表象は未だに「冷戦構造の崩壊」の尾を引きずっているらしきこの国の相対的左翼たちにとって、新しい論壇価値だったのでしょうし、唯一の倚って立つべき地盤に見えるのでしょう。しかしながら、敵を何と見定めるか、その敵を敵と認識する根拠は何か、ということについて「右でも左でもない」中立の政治的立場とは、結局「過激主義」を諌める程度にしか機能しないわけです。右の過激も左の過激も許さないと言っているだけで倫理的内面に訴求しない。「かくあるべし」の理想像が「まぁまぁ穏当に」という程度であれば、呻吟する大衆の社会現実の前では何の魅力にもならないのです。
資本主義を批判する視角が日本の論壇から失われているというご指摘は非常に鋭く本質的なもので、日本の左翼アレルギー(中立主義)が末期的症状に至っていることをこの事実から皆が悟らなければなりません。中立主義というのはどこからも自由な立場からとらわれずに批判することであって「右でも左でもない中立」ではないのです。その程度の中立は結局、ほんのちょっとの抑圧、ほんの少しの戦争(東南アジアの局地戦・尖閣紛争)、じわじわとした言論弾圧、一見麗しき迎合、という「中庸」には、"過激ではないという理由で"諸手を上げて賛成する翼賛勢力に堕すでしょう。眼前の新自由主義、眼前の戦争に対しての批判視角として社会主義というのは未だに「生きている」立脚点です。反資本主義的で反戦的なことを言っておいて同時に反社会主義で権力迎合的なことを言っているから、日本の論壇や反政府政治運動は説得力も迫力も魅力も持たなくなったのです。
Commented by 長坂 at 2016-02-05 19:08 x
ホントおっしゃる通りですね。ソ連崩壊後マルクス全否定の日本。冷戦時共産主義イコール悪魔だったアメリカで、"Revolution" "Unite"のプラカードを掲げる若者が見られるなんて感慨深い。逆に変なバイアスが無く、自分達は強欲な資本主義の犠牲者だと言う自覚がある。大学卒業と同時に6万ドル(学生ローン)の債務者に。就職難に高い家賃や保険。Wall Streetの代表でないバーニーは若者の救世主。サンダース陣営への一人当たりの寄付の平均が27ドルというのもかわいい。社民主義の教皇が人気なのも頷ける。日本じゃサミットやG7は単なる祭り。共産主義や社会主義は中国北朝鮮を支持する事だと、リベラル達さえ忌み嫌う。「民主主義って資本主義だぁ」らしい。
Commented by からから at 2016-02-05 22:20 x
大手企業や首都圏にしがみつく労働者貴族的社員と結託し、血税(大型公募増資や産業革新?機構も含む)を湯水のように使う企業経営者に怒りを感じずに飼い慣らされた若者の本当の怒りを期待します。マスコミに出て喜ぶシールズメンバーがあまりにもアホ、実感のなさが見えるのは私だけでしょうか。
Commented by NY金魚 at 2016-02-06 01:33 x
2月1日、アイオア党員集会では、0.3ポイントの僅差でサンダースはヒラリーに敗れたが、来る9日のニュー・ハンプシャーは、地元なのでサンダースの勝利は確実。オキュパイのデモに連日日参した身にはまさに溜飲の下がる思いです。メーデー発祥の地アメリカは、反体制勢力のなかで社会民主主義の基盤は強く、ネットで強力に広がった若者の支持層が、今後も異常増幅し、8年前のオバマ旋風の再来となるでしょう。特にここNYやCAで猛烈な旋風になり、大学経由で全米の若者に広がっていく。
サンダースの善戦は、欧州の若者に支持された新しい左派勢力、例えばスペインのイグレシアス(左派政党ポデモス党首)、イギリスのコービン、スコットランドのスタージョン、などの運動に類似しています。そしてそれらはすべて2011年からの「オキュパイ」の精神を継承したもの。いままでのアメリカの政治家のなかで(日本は論外)、これほど高潔な人格を見たことがありません。
Huff Post 日本語版の記事には、8年前のオバマと今回のサンダースとの決定的違いは、サンダースには当時のオバマのような「変革」を体現できる若さが欠如している、と書かれています。74歳になるサンダース氏は、若年層を中心とした有権者が現在抱えている「不満の受け皿」にはなるが、ホワイトハウスを視野に入れる民主党大統領候補にはなり得ない、と。
ふざけるんじゃない、アメリカの若者たちをなめるんじゃない。サンダースは物理的年齢は年寄りだけど、魂はピカピカに若い!いつの時代も若者は「エネルギーのある人間」にしか牽かれない。2010年12月のブッシュ政権から続いていた減税措置の延長をめぐって8時間半に及ぶ議事妨害・フィリバスターの映像 (Senator Bernie Sanders Filibuster)がYoutube に上がっています。8時間後の最終弁論も冒頭と比べてまったく衰えていません。
このHuff Post 日本語版の記事を書いたひとは若者ぶってるけど、ソートーなおっさん、もしくはサンダースのあまりに高潔な魂に嫉妬したのかも。あるいは世に倦む氏のいう、社会主義アレジー。
サンダースは勝つ! 
さきほどニュー・ハンプシャー党員大会で、トランプ復活というニュース。賢者を支持する者たちと、それを上回る愚者たちの行列。
ニュー・ハンプシャー大会のあとに、ブログ・アップの予定。

Commented by 旅マン at 2016-02-06 02:09 x
私の見方が偏っているのか?
そんなつもりはないが、23などの
クリントンとサンダーズさんの討論の報じ方に、違和感あり!
クリントンが『現実的でない』とか
サンダーズさんにダメだしをかましまくるシーンばかりを流していませんかねえ?
サンダーズさんが捲し立てられて些か、口を膨らますような表情をする
ところばかり報じていた。
そもそも、クリントンの台詞ばかりをテロップで流す。サンダーズ側は
多くて二回しか、テロップが出ないというのに、私はエゲツナイ作為を感じました。
さすがは、新自由主義万歳な日本のテレビマスコミだとね。
これが日テレやフジならまだしも、
6chとかだもんね。
日本に住む者としては、ひたすらお馴染みのクリントンさんが、あんた誰よなオッチャンを威勢よくフルボッコにしているようにしか見えないって感じ(笑)?おいおい、これでどうして、あんな超大接戦になるんだと?
偏見だろうとバカにされるのを承知で言えば、多分、日本のテレビマスコミによる作為では?
でなければ、かの地で老人のハグレ者議員が、世界的に超メジャーな彼女にあんな激闘がやれるわけ、ないだろう。
サンダーズさんのお説が左翼バリバリであろうが、構わないだろ(笑)?
あんな極右差別野郎のトランプの主張は『垂れ流し』にしまくるくせに
、社民主義者のサンダーズさんの主張をなぜ、なぜ、隠す??
こんなところにも、このくにの右傾化ぶりがとは、社民主義者である私の思い過ごしかな?
Commented by 私は黙らない at 2016-02-09 01:29 x
そもそもサンダースの政策、そんなにアレルギーを起こすほど極端な主張だろうか。
国民皆保険も、公立大学無償化も、今アメリカの一般市民が直面する一番切迫した問題じゃないだろうか。アメリカの医療制度は、完璧に医薬品会社、医療機関、保険会社の利益のためであって、国民の健康がとりのこされている。家族4人でまともな医療保険に入ろうとすれば、最低でも年間1万ドル以上。(州によって違うかもしれないが。)こんな金額、個人で払えますか?医療費が払えず破産する高齢者も多いと聞く。私の住む州では、無保険でも緊急病棟に行って、長い行列を待てば診てもらえから、まだマシな方で、他州では、無保険だと診察拒否されるそうだ。貧乏人は早く死ねと言わんばかりの制度だ。
 貧しい家庭の子供達に良質な教育の機会を与えることも急務だと思う。アメリカは住む場所によって、公立学校の質が大きく異なる。家賃の安い治安の悪いエリアの学校は、教師のなり手もなく、クラス運営もままならない。親が貧しいと、まともに教育も受けられないのだ。裕福な家庭に生まれた子供が圧倒的に有利な社会。自分は貧しくとも、身を粉にして働いて子供には這い上がってほしいと望むのは親心というのもだろう。それさえかなわないとしたら、こんな息詰まる世の中はない。
 医療と教育は、資本の論理だけにまかせていてはいけないと思う。誰でも必要な医療が受けられること、親に金がなくても、まともな教育が受けられるということは基本的人権じゃないだろうか。経済活動の自由より、基本的人権の方がよっぽど大事だろうと言いたい。
私がアメリカ市民だったら、サンダースに一票を投じる。普通にまじめに働いている人が、報われる社会、子供が夢をもてる社会にしてほしい。そして、くれぐれも、権力の座についたとたん「転向」するようなことはしないでほしい。
Commented by 私は黙らない at 2016-02-09 05:31 x
実はこの両日、のどにささった魚の小骨のように気になっていた事がある。2011年9-11直後、武力行使を問うアメリカ両院での決議に反対した議員はたった一人だったはずだ。ということは、この時、サンダースは武力行使に賛成したのか、気になっていた。今、彼のWebを隅々まで読んで、ちょっとがっかりした。あの時、アメリカは一種ヒステリー状態で、アフガンへの武力行使に反対する者などいなかった。この賛成票以降、サンダースは一貫して武力行使はあくまで最終手段だと言っている。彼の外交政策はどうなのか、とても気になる。
日中間で武力衝突が起こった場合、日本もあの時のアメリカ同様、マスコミをあげてヒステリー状態に陥り、国を挙げて右向け右になるのだろうか。あの時、たった一人反対票を投じたバーバラリーのような議員が今の日本にはたしているだろうか。
Commented by toshi at 2016-06-08 01:07 x
自分の知る限り、バーニーサンダース候補についてOWSからの流れとして高く評価していたのはジャーナリストの堤未果氏のインタビュー記事(どの新聞だったかは忘れましたが)のみです。彼女はトランプ氏とサンダース氏は同じコインの表と裏であり、米国の悲鳴だと分析をしていました。ここのブログ主様がおっしゃるように、他のテレビのコメンテーターや米国通を自負する評論家や学者も皆サンダースとトランプの台頭についてまともな解説が見つからずフラストレーションを感じていましたが、堤氏(彼女は先日朝まで生テレビでも同様の指摘をしていました)の分析と、ここのブログの記事にたどり着き、ようやく腑に落ちた思いです。
日本は同盟国であるアメリカの現実を知らないのですね。


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