マイケル・オースリンとデビッド・アッシャーを国会に参考人招致せよ

c0315619_15595146.jpg昨年の12/9に報ステが特集した集団的自衛権の映像は、放送された直後も大きな反響を呼んだが、半年以上経ち、安保法案が国会で審議されている現時点で見ると、その衝撃はさらに強烈に伝わってくる。秀逸なテレビ報道の作品というものは、こうして時間が経った後で価値を増し、繰り返し何度も見られて人々に記憶されるのだろう。ここでは二人のいわゆるジャパンハンドラーズ - 一般には知日派の安保外交専門家と呼ばれる米国工作員 - が登場し、新ガイドライン策定後および安保法案成立後の自衛隊の活動について具体的に期待が述べられている。一人は民主党系シンクタンク(新米国安全保障センター)シニアフェローのデビッド・アッシャーで、もう一人は共和党系シンクタンク(アメリカン・エンタープライズ研究所)日本部長のマイケル・オースリンだ。民主党系のアッシャーは、自衛隊にはイスラム国掃討後のイラクでPKO活動をやってくれと言っている。戦闘は米軍がやるから、治安維持は自衛隊が引き受けてくれと。共和党系のオースリンは、南シナ海で中国軍とコンバットをやってくれと言っている。米国はこの地域で中国と戦争するつもりはないから、自衛隊が担当してくれと。自衛隊は優秀な装備と能力を持っているので、実戦の戦闘経験を持つべきだと勧めている。私が何度もこの映像を紹介するのは、安保法制と新ガイドラインの狙いが端的に示されているからだ。



c0315619_160659.jpgこの報ステの特集映像は、もっと注目されて話題になってよいのではないか。安保法制をめぐる議論の中で、マストの情報アイテムとして広く共通認識され、参照され、論議され、小林節と長谷部恭男の違憲立法論と同じほどに反対派の武器として重宝されてよいはずだ。野党の議員は、どうしてこのテレ朝のレポートを委員会の集中審議で有効活用しないのだろう。総理、こういう報道があったのをご存知ですか、という切り出しでいい。中谷大臣、この二人と面識はありますか、の切り口でもいい。アッシャーもオースリンも、売り出し中のジャパンハンドラーズで、アーミテージの子分である。今後、マスコミでの露出はもっと多くなるに違いないが、おそらく、中谷元は何かの会合で同席した記録が残っているだろう。証拠を探し出すのはさほど難しくないはずだ。二人の映像での発言は、安保法制と新ガイドラインの動機と目的を短刀直入に語っている。そして安保法制の正体が、米国の国益のために米国の指図によって作られたものである本質が伝えられている。であれば、この情報を国会の場に持ち出し、国民に参考資料として広く知らしめ、政府に答弁させて反応を映像に残し、何らか言質を取ってマスコミに騒がせるネタにすればよいのだ。ジャパンハンドラーズという言葉を知っているかという、ベーシックな質問からでも面白い。安倍晋三はどう答弁するだろう。

c0315619_1602862.jpgこの二人は対日政策の専門家で、米シンクタンクの要職にある者である。日本のテレビ局の取材の中で答えたもので、立場上、決して無責任な発言とは言えない。新ガイドラインについては詳細に熟知していて、むしろ企画とか設計の段階から口出ししていて、新ガイドラインの草案をリードする権力を持った者たちである。ハンドラーズの権力を持っている。だからこそ、アーミテージやマイケル・グリーンのようにマスコミに登場し、自衛隊はこうすべきだ 、日本はああせよと指令を垂れるのだ。おそらく、特に共和党系のオースリンは、安倍晋三と個人的に面識があるだろう。安倍晋三が無役の旗本退屈男だった2008年から2012年までの記録を調べれば、二人がプライベートに接触している証拠が掘り出せると思われる。日本の安全保障政策というのは、安倍晋三が自民党政権で法案を提出するにせよ、前原誠司と長島昭久が民主党政権で法案を準備するにせよ、同じように同志であり上司であるハンドラーズの指示を仰ぎ、教育と示唆を受け、さらに、森本聡や岡本行夫や宮家邦彦が共同作業のテーブルに参加し、仲間で一緒に立案構築するのである。寺島実郎はテレビのコメントで、この一団のことを「日米同盟でメシを食っている人たち」と呼ぶ。日米同盟真理教の前衛であり幹部たち。安保法制の議論でもっと関心づけないといけないのは、この法制の鳥瞰図だ。

c0315619_160385.jpg誰が何のために作ったものかということだ。それは、共産党がやっているようなミクロ的なアプローチで、自衛隊の内部資料の暴露という形でも論議できるけれど、マスコミ報道で公になっているジャパンハンドラーズの発言という、マクロ的なアプローチからでも国会に論点を持ち込めるし、その方が世論の刺激には効果が大きいだろう。前の記事で、外国人特派員協会はぜひアッシャーとオースリンを招いて記者会見を開いて欲しいと提案したが、本来なら、この二人を国会に参考人招致して証言させるのが一番いいのだ。トヨタの豊田章男やタカタの清水博は米議会の公聴会に呼ばれている。ネットを見ると、南部義典が、安保法案の審議でアーミテージを国会に参考人招致せよと言っていた。正論だ。アーミテージ本人を呼んで、立法背景の根本的部分を質して明らかにする必要があると言っている。まったく同感だ。採決の前にこのプロセスが必要だ。こうした意見がマスコミ論者や国会議員から出ないことがそもそも不思議だ。何のための言論の府であり、何のための国権の最高機関なのか分からない。ジャパンハンドラーズの権力は、この国を恣意的に支配し、堂々と君臨する姿を見せながら、タブー扱いされ、アンタッチャブルな特権的存在にされている。責任が問われない。本来、主権国家でこんなことが許されてよいはずがなく、国会で説明責任を果たさせるべきで、野党議員の質問に答えさせるべきなのだ。

c0315619_1604994.jpg中国との戦争について、かれこれ3年ほど前からBlogで具体的な予測を書いている。尖閣国有の騒動の後、2012年の8月末から「尖閣有事のシミュレーション」を書き始め、それからずっと似たようなことを言い続けてきた。2012年8月はまだ安倍政権になる前で、秘密保護法の制定も、J-NSAの設置も、集団的自衛権の解釈改憲もなかった。3年の間に、それらの戦争法制が整備発動された。秘密保護法も、J-NSA設置も、十分に戦争法制と呼べるもので、まさしく戦争法制シリーズの一部である。道徳教育もそうだ。いつの時点だったか、2013年の早い頃だったかと記憶するが、日中の軍事衝突が起きるのは2016年6月頃だろうという予言を言い、今に至るまでその見方を変えていない。そのときは、安保法案は地上にまだ影も形もなかった。3年前、こんな滅茶苦茶な戦争法案が国会に出され、滅茶苦茶な説明がされていると、誰が予想していただろう。そのことを考えると、3年後に徴兵制や核開発が現実になっていたとしても不思議ではないし、戦争が始まっていたとしてもおかしくない。今回の新ガイドラインと安保法制の中身は、ずっと前から「日米同盟でメシを食う人たち」によって予定が組まれていたものである。何度も言うように、国策としての戦争は国家をあげてヒト・モノ・カネの準備をして進め、謀略のスタートボタンで開戦に至るもので、現在は戦争への途上の一過程にすぎない。アーミテージの頭の中では、2年後、3年後のプランは具体的に描かれているのだ。

c0315619_161135.jpg私が2016年6月を開戦時期として予測した理由は、この年の7月に参院選があり、安倍晋三は「憲法改正」を争点にした衆参ダブル選挙を仕掛けてきて、衆参で3分の2を取って、そのまま国民投票をするだろうと考えたからだった。9条改定を問う選挙で大勝するため、ダブル選の直前に中国との間で軍事衝突を起こし、中国憎悪のナショナリズムを高揚させるのではないかと、そう踏んだのである。もう一つの理由は、2015年10月の国連安保理非常任理事国の選挙で、ここで日本が当選すると、2016年から2年間、安保理事会の一席を占めることになる。安倍晋三とジャパンハンドラーズはこの機会を狙っているのではないかと、そう直観したのだ。例えば、2016年の4月頃、南シナ海で中国と関係国との間で紛争が起こる。そこに自衛隊も出撃して当事国になる。紛争が国連安保理に持ち込まれ、日本が中国非難の急先鋒として立ち、嘗てのイラク戦争時のパウエルのように、あれやこれやの(捏造した)「証拠写真」を出して中国を糾弾し、非難決議案を連発する。無論、拒否権があるから採択はされないが、安保理事会で中国を窮地に追い詰め、南シナ海での日中の一触即発の空気を作り、そして、6月にドカンと謀略作戦(南シナ海事変)を敢行するのである。国内が「暴支膺懲」の火の玉になる中、そのままダブル選挙突入。そんなシミュレーションを2013年初め頃につらつら考え、BlogとTWに書き、右翼と左翼から陰謀論と誹られて嘲笑されてきた。

法案についての国民の理解を深めるため、法案の正体を明らかにするため、参院の委員会にデビッド・アッシャーとマイケル・オースリンを参考人招致することを提案したい。野党は実現に動いて欲しい。
 

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by yoniumuhibi | 2015-07-30 23:30 | Comments(6)
Commented by NY金魚 at 2015-07-30 20:21 x
「日本が完全にアメリカになる」最終段階が、集団的自衛権の行使容認だと思います。グローバリズムとはきっと「全世界がアメリカになる」ことで、対立する中国もロシアもイランも、イスラム国ですら、すべてが戦闘的アメリカ思考に翻弄されてしまうということです。即ち「戦争」の売買によって儲ける。このブログ引用の「報ステ」で語られているように、アミテージとナイの子分であるオースリンとアッシャーが、その先達セールスマンとして売り込みの口上をしています。聴いてあげましょう。
● マイケル・グリーン「イスラム国の勢力を押し返し、撃退することは、日本の〈利益〉だ」
● アッシャー「将来(イラクに)コソボのときのような平和維持軍が必要になる。日本がその役割を果たしてくれることを望む.」
● オースリン「南シナ海では日本はひとりで戦争しなさい。自衛隊が海外で自由に戦争できたら…(儲かりまっせ!)」
Commented by 愛知 at 2015-07-31 23:05 x
報ステ(7/31)は、いったい何をしてるのか。週末金曜日に安保法案に賛成の岡本行夫を呼んで、好き放題に言わせて。貴下、何度もご紹介の昨年12/9の目から鱗が落ちるようなビデオは何だったのか。無策・無能の極み外務省OBが過去の内閣法制局を無能呼ばわり。盗人猛々しいにもほどがある。7/31の放送は、ノーベル賞受賞者を含めた学者、法案反対の市民に対する罵倒と侮蔑でしかなかった。放送事故の範囲。古館は、「中国の脅威」と大声出して。中国批判の文脈ではなかったが、おかしなところだけ大声で。12/9のビデオは露払いか。岡本の論理はデタラメ。亡国のリスクを国民負担(税)と強権符作。ジャブジャブ金を出させたのは内閣法制局じゃなくて外務省だろ。盗聴ジャブジャブも外務省の仕業じゃないのか。
Commented by at 2015-08-01 00:39 x
何故マスコミも野党も無視するのでしょう?主様が新めて表出されたことに希望が託されます。私もある党にその事を通報?しました。党が表出するかは解りません。地元の野党党員に伝えようとネット検索しましたが、無いのですね電話番号やメルアドなど。夫々会員に入らないと意見やこうした想いを受けようとしていない、迷惑なんでしょうね、きっと。声が届かない政治って、声をを聞かない民主主義って部族・民族に適さないのでしょうね?グローバル資本主義には。
戦争は消費?北欧の社会主義やブータンの幸福主義がG7や戦勝国の国連に反映されていないんですよね?あくまでも一部の富裕層の幸福追求にこの世が支配されるのでしょうか?人の幸せとは何ですか?安倍が「国民の命を守る」と壮語する国家とは何なのでしょう?
地球は今、世界的に見れば民族・王家・宗派の戦国時代と言ってもいいような気がします。それは歴史的に「国民国家」を希求し形成してきた事実をアウフヘーベンし、宇宙ステーションで人類が生き延びようとする地球実験なのでしょうか?それは私の生死とどんな関係があるのでしょう?取敢えず私の子孫にこの国家は何をしようとしているのか気になります。あまりにも安易な安倍の思い付きで、その言葉を下書きする官僚の質の低下を嘆かざるを得ませんが、全く思想と言えないですよね。中世を超えて来た筈なのに地球規模でまた戦国時代?
Commented by 長坂 at 2015-08-01 10:33 x
いつもシンゾー君を助けてくれる喧嘩の強いアソウ君。実はシンゾー君の家の電話を盗聴していました。そしてその会話の中身を4人の本当の親友(英、豪、加、ニュージー君)にぜ〜んぶバラしていました。怒って抗議するかと思ったら、「これからも小遣い半分あげるから夜露死苦いやヨロシク」だって。めでたし。

ドイツ、フランスは大使呼び出し厳重抗議。日本政府はキャロラインを呼び付けるのかな?
Commented by 私は黙らない at 2015-08-04 06:52 x
アーミテージらのいる戦略国際問題研究所(CSIS)のウィキをみて、驚いた。「日本から多くの将来有望な若手官僚や政治家がCSISに出向して学んでくる慣習がある。」小泉進次郎もその一人。日本では、日本財団の下部組織、東京財団と協力関係にあり、稲盛和夫が、自身の財団から寄付をしている。別のサイトの情報によると、民主党では、前原誠司、長島昭久がCSIS、マイケルグリーンとゆるぎない人脈をもっていると。確か、稲盛和夫は前原の後援者だったはず。なるほど。安倍もマイケルグリーンと、ブッシュ時代、頻繁に連絡をとりあっていたとある。
民主党が反安保法案で腰が据わらないのも当然だ。かの国の右派シンクタンクで薫陶を受けた者のみが、日本の首相になれるシステムなのだろうか。
米従属一本足外交は、危ないと思う。アメリカが絶対的な覇権を誇っていた時代とはもう違う。その現実を直視しないといけないと思う。アメリカに従属していると、外務省は楽なのだ。いわれるがままにしていればよいから。この点で、安倍と外務省の思惑は一致する。あっ、そういえば、内閣法制局長官も、外務省出身だ。
ジャパンハンドラーを国会によんで是非本音をききたい。その映像を、国民は直視するべきと思う。
Commented by at 2015-08-06 01:14 x
国会は何をしているのでしょう?山本太郎が言っていましたが、国会を開催していることで一日あたり3億円の税金が私たちのお金が使われて散るのです。9月27日まで実のない国会が延期されればいくら遣うことになるのでしょう?おちゃらけた国会質疑の茶番劇にですよ!主様が表出されたオースリンの件でも野党に届かないはずはないのに!小沢一郎は何をしているのでしょう?命を賭してでも私達を守って欲しいです。米国の脅威なのでしょうか?角栄氏などの事実から・・・それにも増して国会議員として選ばれた、総理を始め教養も品格も高潔な思想も持ち合わせない人々が立法府に居ることが驚愕です。各々何処の選挙区なのですか?滋賀県の自民連は対応を考えているようですが、今のところ私たちにできることは選挙なのではないでしょうか?やはり国会議員には資格試験を課すべきです、少なくてもポツダム宣言をサンフランシスコ条約を憲法を、明治以降の日本の政治史の事実を理解ではなく知識としてお持ちになることが、政治家としての誠実さなのではないのでしょうか?戦争法案に対する高校生のデモも彼方此方で在るようですが、SEALDSの皆とともに内閣解散後の衆参総選挙に投票に行けば、(不正選挙がなされない限り)必ず選ばれた者達は、世界の憲政史上最悪の今の政権と違って「主権在民」に覚醒し経世済民の国民国家を止揚してくれると思うのですが?
それにしても、右翼も言わないアメリカに対する「恨み」を国会でチラチラと出してきていますよね。「アメリカに言われたのか?」とか。沖縄の翁長知事も辺野古の話は安保条約の根幹に関ると言っていますが、戦争法案と米軍基地返還、自衛隊の国軍化を秤に掛けているのでしょうか?


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