菅原文太を悼む - ダンディな知識人、確かな知性と重い言葉の英雄

c0315619_18192210.jpg菅原文太が映画やドラマで活躍していた当時は、特に目立って注目する俳優ではなかった。死後、マスコミの報道では、「仁義なき戦い」と「トラック野郎」が主に紹介されるが、それらの作品を映画館で見たことは一度もないし、テレビで見た記憶もない。菅原文太が私の前に颯爽と現れたのは、2012年1月のETV特集『自由民権 東北で始まる』での出演だった。それまで、菅原文太が政治について発言しているという情報には接していたし、亀井静香と昵懇の仲だとか、震災以降は政府への批判を活発にしていたとか聞き及んでいたが、知識人としての菅原文太の中味が、これほどぶ厚いものだとは想像していなかった。NHKの番組を見ながら、その説得力にすっかり圧倒された。NHKのこの企画のシリーズは全12回が放送されたが、前半の明治編が秀逸で、第1回の「福澤諭吉と中江兆民」、第2回の「自由民権 東北で始まる」、第4回の「幸徳秋水と堺利彦」が内容が濃い。その中でも菅原文太が主役を務める第2回は出色の出来で、菅原文太が全国を旅する映像に引き込まれ、座談での言葉の一つ一つに膝を打ち、ずっと感動しながら見入った。菅原文太は文化人ではなく知識人だった。堂々たる知識人であり、何かあれば菅原文太の言葉を聞きたいと思う、そういう貴重な存在だった。その意味で、菅原文太が活躍した時間は短い。わずか3年である。だが、それは尊敬する英雄の3年間だった。



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by yoniumuhibi | 2014-12-05 23:30 | Comments(6)
Commented by tokyoletter at 2014-12-05 20:33 x
内橋克人と、2005年にETV特集で対談していたとき、菅原文太の知性に驚きました。とてもよかった。最悪の時代にころげ落ちようというときに、頼れる人間が、どんどんいなくなる。
Commented by あつい at 2014-12-05 22:38 x
全く同感です。

菅原文太には感謝しかない。

ところで、仁義なき戦いもいいですが、NHKドラマ「ハゲタカ」での菅原文太もおすすめです。
 
Commented by 遠野物語 at 2014-12-06 05:10 x
追悼文有り難うございます。「仁義なき戦い」が文太さんの代表作であること異論のある人はいないと思いますが、次に挙げなくてはならないのは、愛川欣也と組んだ軽薄なだけの「トラック野郎」ではなく、川内民夫と組した「まむしの兄弟」だと思っています。神戸の下町新開地(浅草六区に似た街)を舞台にしたこのシリーズ。ガラが悪すぎるかな。晩年の文太さんの知的なイメージが吹っ飛ぶ、スカトロ映画です。
ところで、衆議院選挙は与党大勝とか。民主党は選挙戦略間違え増したね。今の「無党派層」のかなりの部分は「無党派」なのではなくて「ノンセクト」だと思っています。「反自民非(反)共産」なのです。2009年の「政権交替」の選挙では民主党は左に舵をぐっと切り、社民党をも取り込んだ。共産党も、いつものような供託金献上を目的にしたような闇雲な擁立は節度ある態度で民主党を後押しした。この時の私は喜んで民主党に1票を投じました。その私の選挙区では、自民党、維新、共産党しか立候補がない。自民党には当然入れる気はなく、維新も駄目。残る共産党に票を投じるが、これが金正恩似のアンヴィジュアルな泡沫候補。民主党は維新と連携するのではなく、社民党、生活の党と連携をすべきであったと思います。共産党と言えば、相も変わらぬ夜郎自大。支持者が撒き散らす思考力なき言説には、安倍晋三ほどの不快感はないが、ミヤケンヴィッチ独裁の日共時代を彷彿させる不快感程度は充分感じられる。
Commented by H.A. at 2014-12-06 13:19 x
(先輩の言葉ですが)思想をもち、志操を持っておられたと思います。
Commented by 歌飼谷 霧蔵 at 2014-12-06 14:12 x
外国動画で観来。ブログ主さまのいうよう本当に。すごい。歳重ねてなお、黙り込むのでなく、民衆のために自ら超え出てゆく真の知識人としての最期。
以前ご紹介の幸徳秋水編の時の秋水翻訳者・フランスの第三大学のクリスティーヌ・レヴィの言葉((略)政府が大逆事件で弾圧したからって黙ってしまうのは知識人じゃない)に、番組の出演者共々、観ている私もハッとしました。親族をアウシュビッツで殺されたフランス人の言葉の重み。他方、戦争で弾圧・被爆された側の、筈の、日本人の半数の子孫はや…。 

菅原文太は番組で明治以降も弾圧された人々を東北に追って発掘し、とうとう我が身に繋げようとしたか。
自由民権運動は何故敗北し日本人から消しさられたのか。今また、自分事として問わねばならぬ時代の日本となった。弾圧された人々は何千万といる。今の日本人は子孫としてその息吹を蘇らせ今に繋げられるか。ハイエナ資本の時代、今までの失敗と弾圧をひっくり返す新しい息吹を大勢で紡ぎ出せるか、中国人ともども。日本人の政治力・日本人の超出力や如何。国際化し弾圧側は進化愈々巧妙、民衆影響力大の人物切除に、ピカ飯盛って持病を悪化させ…改憲総仕上げ向け選挙ジェスチャーの前に、ポアする術もや。統計が真実なら物凄い数の人々が事故後…。
Commented by ROM者です。 at 2014-12-06 18:31 x
私は直近の菅原さんの行動ぶりに、もうかなりの年月が経過してますけど、かつての大河ドラマ「獅子の時代」の登場人物・主人公の復活というか、今の時代の危機感と相まってまさに当時の役柄とその後の本人とが、融合かつ深化してこのタイミングで登板して来たんだなという感慨が有りました。
ドラマの最終回の結末で細かい言い回しは覚えていませんけど、彼の生死ははっきりとは示されずに、或る時は民権運動で演説し又或る時は別の労働争議で現れて・・・みたいな内容だったかと記憶しています、今日この瞬間もまたきっと、日本のどこかに出向かれてあの語り口で!?という錯覚があるのです、とてもお亡くなりになったという事が今でもまるで実感が湧きません。


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