樋口直人の「ヘイトスピーチ」論の盲点 - 極右と保守は切り離せるのか

c0315619_16515634.jpg朝日の10/2のオピニオン面(15面)に、「ヘイトスピーチへの処方箋」と題された特集が載っている。そこに、樋口直人、師岡康子、坂口正二郎の3人が登場し、いわゆるヘイトスピーチの法規制について、賛成と反対の両論jから議論が紹介される構成になっている。弁護士の師岡康子が賛成論、憲法学者の坂口正二郎が反対論。二人の主張は賛否の立場の代表で、どちらの議論にも納得させられる。暴力から被害者の人権を守るため、早急に対策をとらなくてはいけない問題でありながら、同じく人権上の懸念から、法整備への踏み込みを簡単に判断できない問題でもある。賛否については別に論じたいが、この企画で注目したのは、「極右を保守から切り離せ」と題した樋口直人の整理と提議であり、違和感を感じた点が二つほどあったので論評したい。45歳の社会学者である。おそらく、今回の論壇デビューの後、朝日や左派の雑誌に頻繁に顔を出し、この系統の専門の論者として活躍することになるだろう。最近の古市憲寿や嘗ての宮台真司を想起させられる。何度も、何十年も見続けて、溜息をつかされてきた光景だ。この手の「若い社会学者」を、マスコミは珍重して商売に使う。この国の市場は「若い社会学者」を消費して喜ぶ。新商品を飽くなく求める。脱構築のアカデミー芸人の世界。最早、批判する体力も気力も失せた。樋口直人がその先入観を否定する新星であることを願うけれど。



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by yoniumuhibi | 2014-10-06 23:30 | Comments(6)
Commented by ゆたか at 2014-10-07 03:18 x
>安倍政権は極右なのか保守なのか。ここが一番重要なポイントだ。樋口直人の説明を聞いていると、安倍晋三を保守の範疇で捉えている

日本国憲法を「みっともない憲法」などと言ってしまう人が首班なんですから、そりゃ極右でしょう。
こんな政権は戦後の憲政史上初めて。

>理想化した「保守」の表象を無理に仕立て上げ、そこに従来の「リベラル」の諸要素を流し込み、新カテゴリーとしての「リベラル保守」の偶像を鋳造(捏造)し、左派論壇で新興宗教のように布教をしている

なるほどです。
言ってみれば、毒薬を糖衣錠にして「毒じゃないよ」と飲ませる類いの詐欺、犯罪ですね。
Commented at 2014-10-07 03:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-10-08 22:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by keitan020211 at 2014-10-09 18:35
排外主義の動きが1990年代に始まっていたとは気付きませんでした。私はいつともなく降って涌いてきたもののように感じていました。よって2000年代の前半であるとも認識していません。
 と言うか、遡ると限がない程に連綿と続いているものであろうというのが私の見方です。

 朝日の耕論の樋口教授の言説については私のブログにおいても批判しています。「切れってそれは無茶でしょう」みたいな感じに見ています。小沢派であった私としては自民党は極右を如何に票の単位に落とし込むかしかないのではないかと思います。
Commented by ヒムカ at 2014-10-10 00:29 x
「錯乱―逸脱」というロジック
樋口直人氏とは、政治的文脈のなかにある境界というものをしっかり読みながら、
>「『リベラル保守』の偶像を鋳造」をやっているのだから盗人猛々しい。
つまり、基礎的知識に乏しい大衆には理解できないものであると読んだ上で、向こう側とこちら側を踏み越えて社会的なフィクションを創造しているのです。
学者である権威を振りかざすように、実態調査を裏付けに語っているらしいけれども…それは、だれも知らない、追及されないであろう分野なのです。その調査内容をみてみると、呆然とするばかりでした。脆弱すぎます。樋口直人とは「在日朝鮮人」の歴史的背景に無頓着、無知が過ぎます。その内容は、とうてい「客観的」「検証的」「科学的」な研究といえるものではありません。
そもそも「在日特権」についての洞察が甘すぎます。実態調査のごく一部から現象の断片を拾い上げて、すべてを読んだつもりになっておられる。
在日朝鮮人は、旧植民地出身者であり、日本の植民地支配に起因する南北分断を現在も抱え込んでいる、いわば国家の溝の中に遺棄されている存在です。民族的、国民的な差異を理由に、さまざまな差別・蔑視の対象とされてきました。
Commented by ヒムカ at 2014-10-10 00:43 x
にもかかわらず、樋口直人は、自分の経験則から一隅の資料を提出して揺るぎない根拠でもあるかのように語っています。これもは、まさに自らへの批判を封殺しようというロジックの構築というものです。
(ことさら左様に日本人は『在日朝鮮人』を知らないのですから、怪しげな措定であればあるほど、難解そうだから「共通了解」にしておこうと、まどろむように寄り添うことが多いのです。)樋口直人氏は何を狙っているのか!
デモクラシーのもとで、まずは自分の身を守るために、現実と自分の距離を測って、シニカルにあれもこれもダメなんだと言いつつ、>「一言で言えば、『保守』を美化し期待する幻想」を振りまいているわけです。中央に踊り出て華やぎたいのでしょうか。卑俗なる欲求が透けて見えます。

1990年代後半の日本『ネオナショナリズム』における「記憶の忘却」、「記憶の抗争」を棚上げにしても安倍晋三支持層から賛同を得たいとは、いかなる社会科学の認識であるのでしょう。暗澹とします。




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