尖閣有事の警戒を弛緩させるリベラル系の「安心理論」と米国依存症

c0315619_12451654.jpg日米首脳会談でオバマが尖閣への安保条約適用をコミットした問題について、いわゆるリベラル系はそれを過小評価する論を一斉に上げている。孫崎享や田岡俊治などがそうだ。このコミットがあったからと言って、尖閣での武力衝突の可能性が大きくなったわけではなく、また、米軍が中国軍と即戦闘を始めるということにはならないと言っている。寺島実郎などもこの意見だろう。これらの面々は、従来からずっとこの基調の主張を続けていて、米国は中国と親密で良好な関係を維持することを望んでいるのだから、尖閣などのために中国と戦争する気などさらさらないと言い続けている。かかるリベラル系の言説と論陣は、尖閣での国防の危機を唱えて対中国ナショナリズムを煽り、日米同盟強化と中国撃退を言い散らしている右翼のプロパガンダに対しては、一つの対抗言論となっていて、過熱する右翼系の中国打倒論に冷や水をかける一つの説得力となっている点は間違いない。また、この認識が、全く根拠のないものではなく、米国のリベラル系の意思や展望とも平仄の合ったもので、米国の中のリベラルが、右翼日本と心中して米国が中国との戦争に巻き込まれる事態を懸念していることも事実だろう。孫崎享や寺島実郎の日米関係論や米中関係論は、米国のリベラル派の思惑の代弁でもある。しかし、彼らの「慎重な見方」は、現実の認識において必ずしもリアルとは言えず、主観的願望を投影した「安心理論」になっている点も否めない。



続きの内容をレジまぐ版の方に詳しく公開しました。コメントはこちらにお願いします。ログイン画面はこちらです。


c0315619_12462776.jpg

[PR]
by yoniumuhibi | 2014-04-29 23:30 | Comments(8)
Commented at 2014-04-29 17:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by popper at 2014-04-29 23:21 x
田岡俊次はアメリカにとって集団的自衛権は迷惑とずっといってきたのが、この有様。見通しが全く甘かったのを隠蔽するために弁解を繰り返す。まったく信用できない男。
Commented by ijkl at 2014-04-30 01:07 x
twitterでの御指摘を受けて書き直しました。

別冊宝島から「尖閣・竹島防衛戦」というシミュレーション本が出ていますが、最後は御都合主義で日本が勝つことになっていますが、その途中では先島諸島を中国が占拠する部分があります。ここら辺は、ブログ主の予想と一致しているように思います。加えて、この本では米軍と組んで中国の湾岸諸都市への侵攻も予想されています。また、この本では紛争開始を2016年としていますが、ブログ主の日本が国連安保理の常任理事国入りを果たす2015年の後の2016年と予想とあっています。この本は軍事アドバイザーと自称する人々も監修しているようです。

今回のコミットは、最初の段階(日本側の謀略企画時)から在沖米軍が関わってくるということで、この本や今までのブログ主のシミュレーションとは展開が異なってくると思います。今回の事態を受けて、実際の戦闘がどうなっていくのか、新しいシミュレーションをお聞せ下さい。ただ、局地戦に終わらず、安倍晋三が核を使い、最終的には日本の諸都市が中国の核攻撃を受けるという最終的な結果は、変わらないと思いますけど。
Commented by 熊三 at 2014-04-30 11:29 x
 偏屈老人のツッコミ、外交・軍事シロウトの床屋政談とお聞き流しください。

 ブログ氏の見立ては、「地獄への道は善意で敷き詰められている」という、あらゆる希望的観測を排した決意と、「歴史は繰り返す」という、ほとんど真理にちかい俗説に忠実な殉教者にみえます。第一の決意には全面的に同意します。第二の俗説には若干異論があります。
 現代の日本と、18世紀末の林子平や19世紀の高野長英が置かれた、桁違いの貧富格差と強固な身分制度に疲弊した幕藩社会を比較してみると、「歴史は繰り返す」とはとうてい思えません。彼らはその知性を表現することさえ許されなかった。20世紀帝國憲法下の幸徳秋水にとってもしかりです。ブログ氏の大胆で自由な言論活動も、陰にかくれてそっと石をなげている私自身も、いずれももおとがめなしです。ひどい世の中になったと思う気持ちと、ありがたい、いい世の中になったという気持ちと相半ばです。
Commented by 熊三 at 2014-04-30 11:29 x
 (続き)
 1948年にG.オーウエルの天才が発明した構想を、見事に現代に実現したブログ筆者の力量・努力にあらためて敬意を表します。願わくは、外交・軍事問題の詳細は、権力内部にもゴマンといる軍事オタク、イシバモドキにまかせておけばよい。ブログ氏の才能が、「護憲戦略」の範囲を超えて、戦術のシミュレーションにまで分散するのは少し惜しい気がします。世に倦む日日の仕掛けの有効性と、ブログ氏の人並み優れた科学的知性は実証済みです。いまさらJ-NSAのためになるような、尖閣紛争シミュレーションに踏み込むことには疑問を感じます。僭越ながら一言申し上げました、舞文おゆるしください。

Commented by ヒムカ at 2014-04-30 20:41 x
抑圧された人々が「貧民の救済」を渇望していて、世界のあちらこちらで過剰な暴力が導入されています。米ソ冷戦ではなく、もはや米中ソという三角関係のつばぜり合いの中で工業的先進国は、したたかに計算・洞察しています。「戦争」はありえることと私も考えています。

阿部晋三は世界情勢を認識できずに、オバマ来日において、のほほんと「米国は日本のために戦ってくれるのか」と念を押しました。アメリカの戦略を全く読めていないのです。アメリカが軍事力で中国を威嚇するのは「戦争は割に合わない」と中国の功利主義に訴えるためでしかありません。アメリカは、すっとんでは来ないはず。

世界の天地が大動乱をうかがわせるとき、阿部晋三は痴呆な民族主義で邁進できると謳っているのです。自民党内には、有頂天のアベを止める者がありません。戦力どころか、まずは戦闘意識において日本は大敗必須です。
ブログ主さんの示唆は、明治維新以来から敗戦までを検証してのことと思います。アメリカは、第一次世界大戦では「厳正中立」を守り、ひとり貿易による巨大な利益を収めて経済的繁栄の基を築き、第二次世界大戦では、すでに世界を制覇する目論見であったのです。

Commented by ヒムカ at 2014-04-30 20:43 x
「共同体」そのものが破滅した日本
現在の日本には希望がありません。今だに前近代的な「自分―家族―ムラ」と、自己を中心に重層的な同心円ともいうべき構造のなかで、理性を欠き感情も麻痺させて、政治の指導者に情緒的に依存しています(選挙に行かない人も同罪)。

一昔前、すでに日本は「生産と消費の無際限の拡大」がついに〈定常点〉に向かったのであり、もはや持続可能な社会保障のビジョンが崩壊に向かっていたのに…ついに、「厚生年金基金の解散」が始まりました。
ツケは受給者へ回されるのです。にもかかわらず、日本政府は懲りもせず「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)積立金131兆円」を自在に運用できるように方針を見直すとノタマッテいる。結果、誰が責任を負うのか!
「脱原発」は公約だったのに、昨日阿部はドイツの新聞インタビューで原発は止めることはできないと堂々と答えていました。廃炉の向けた取組を「東電任せ」にして、対処療法をつぎはぎしてきた自民党政権に国民は、逆噴射しないのですか!?
Commented by ijkl at 2014-04-30 23:39 x
確かに熊三さんの言われる通り、尖閣紛争のシミュレーションまでさせてしまって、申し訳ないように思っています。ただ、早い段階(critic5において)で尖閣紛争がどう推移するかを予言して見せたブログ主の力量は、それを回避するための政治的動きを掴み取るためには活かされるべきかと思います。

先のコメントで指摘しました2016年は、その本の中では、台湾の大統領選挙がこの年にあり、独立派が選ばれたときにも緊張が走るとされています。これは、2016年を紛争の年にならしめるための契機の一つに成り得るかも知れません。

また、twitterで、ブログ主が自衛隊が中国湾岸諸都市へミサイル攻撃するところは、先の本では第7艦隊を中心として、米国が直接手を下し、ミサイル攻撃と上海・連雲港に上陸すると予想されています。ここら辺の読みについて聞いてみたい気がします。


カウンターとメール

最新のコメント

ブログ管理人殿のアイデア..
by 齋藤正治 at 08:01
一部の半島専門家は年初か..
by おにぎり at 10:22
プーチンは「あの戦争(ア..
by 愛知 at 06:12
スノーデンのTWによると..
by 長坂 at 00:05
常識的に考えると、アメリ..
by jdt01101 at 10:56
【続き】内藤氏は、シリア..
by tenten at 20:55
「内戦に勝利目前のアサド..
by tenten at 20:34
実にラディカルな推論に心..
by NY金魚 at 16:51
一旦、軍需産業が発達して..
by 七平 at 11:40
内藤さんのtw結構読むの..
by 長坂 at 03:52

Twitter

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング