人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小保方晴子事件に沈黙するマスコミ - 倫理不全に寛容な社会風土

小保方晴子事件に沈黙するマスコミ - 倫理不全に寛容な社会風土_c0315619_1282925.jpg不思議なことに、小保方晴子の事件についてのマスコミ報道がすっかり消えている。まさかとは思うが、安倍晋三がマスコミに手を回し、また、早稲田や理研に手を回して、口封じの戒厳令を敷いているのだろうか。小保方晴子とSTAP細胞の発見は、安倍晋三の進める「成長戦略」のプロモーション・シンボルだった。その中味は三つあって、第一に、再生医療への国家を挙げた重点投資が「成長戦略」の目玉になっていたことに関わっている。安倍晋三とマスコミが「成長戦略」を宣伝するときは、必ず再生医療が引き合いに出され、「成長戦略」を正当化し訴求する看板商品になっていた。第二に、「女性の活用」がある。1/20に産業競争力会議が出した「成長戦略進化のための今後の検討方針」では、その第一の課題項目が「女性の活躍推進」になっている。第三に、教育の分野での研究開発投資の戦略的重点化で、「特定国立研究開発法人」を設置して巨額の予算を投入し、年収1億円以上の研究者をゴロゴロ出すことが策定されていた。つまり、安倍晋三の「成長戦略」の柱であるところの、再生医療、女性、研究開発重点投資の三つのキーワードが結節したところに、「小保方晴子のSTAP細胞」の花火の打ち上げあったということになる。実際に、安倍晋三は1/11に理研を視察し、笹井芳樹から説明を受ける場面をマスコミに撮影させて宣伝報道させていた。



続きの内容をレジまぐ版の方に詳しく公開しました。コメントはこちらにお願いします。ログイン画面はこちらです。


小保方晴子事件に沈黙するマスコミ - 倫理不全に寛容な社会風土_c0315619_15333878.jpg

by yoniumuhibi | 2014-03-25 23:30 | Comments(35)
Commented by 梅子 at 2014-03-25 17:16 x
ブログランキング上位独占の快挙おめでとうございます。

さて、このトピックの件ですが、一部週刊誌を除いて本当に全く報道されなくなりましたね。テレビのワイドショーなどは冒頭からマレーシア航空機事件を長々と報道していますが、ミステリアスではありますが日本はほとんど関係なく、政治的な意味合いも今のところ不明な事件に時間を割く意味がわかりません。が、もう今の日本のメディアはほぼ安倍政権の大本営発表の場と化していることを考えれば不思議でもありません。
以前も書きましたが、政権と理研は協力してwin-winの関係を目指し、このSTAP細胞作成成功?を最大限利用しようとしていたようです。1月終わりのメディア向け発表に向け一ヶ月かかって準備していたと聞きますから、この1月の安倍の視察の頃にはもうそれは決まっていました。誰のアイディアか知りませんが、若く美しい女性研究者がカラフルに彩られ、キャラクターが描かれた自由な雰囲気の研究室で「世紀の大発見」をするという一般国民に訴えやすく華やかな物語を作ろうとしたのが今ははっきりわかります。
Commented by 梅子 at 2014-03-25 17:25 x
政権はこれを「第三の矢である」「日本は世界に冠たる技術大国になるのだ」「それは安倍政権だからこそなし得たことだ」と人気取りに使える。メディアもネットもその賞賛で溢れかえる。理研は特定国立研究開発法人に指定され研究費も大幅に増額、おまけに文科省官僚は天下り先がさらに増え、公務員でもないから高額の給料も貰えると関係者一同いい事尽くめ。納税者はたまったものではありませんが。

ところが小保方の研究そのものがどうも怪しいものであることがバレてきて、その巻き添えで理研のガバナンス欠如や早大の学位審査のあり方まで問題発覚してしまいました。
以前だったら、こういうこともメディアは報道していたと思うのですが、今回驚くほど報道がなされていない。決して国民の関心がなく、視聴率や売り上げに結びつかないことが原因ではないことが、今回のブログランキングでもわかります。皆の関心はあるのに、政府に都合が悪いことは報道しないことになっているようです。本当に日本という国は大丈夫だろうかと不安です。
Commented by あつい at 2014-03-25 18:23 x
>小保方晴子とSTAP細胞の発見は、安倍晋三の進める「成長戦略」
>のプロモーション・シンボルだった。その中味は三つあって、

これは全くその通りだろう。

しかしそれをTwitterの11jigenという人物や、2chの生物板などの住人が不正を暴いて、叩き潰した。

今後もこうやって地道に戦い続ける他ない。
 
Commented by 希望の街 at 2014-03-25 19:59 x
世に倦むさん
 小保方事件、日本社会の抱える矛盾の集約点に位置する大問題。これを得意の丸山真男流の分析で読み解くという今回の一連の記事は圧巻だった。初発において論文の剽窃・捏造を暴いたのが、無名のネットユーザーであったのと同じように、問題の真相に切り込み、体系的分析を加えたのがネットブロガーであるというのも、今回の問題の特徴的なところ。今後とも御活躍を。
Commented by ろうのう at 2014-03-25 20:58 x
やはり今回の事件も安倍が裏で手をひいていたんですね。

野依を除く存命中の自然科学系ノーベル賞受賞者は是非批判の声を上げてほしいです。それと早大の自然科学系で良心のある方々も。
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-25 22:42 x
「ES細胞を混入させ、それを「STAP細胞」の作製だとウソをついていた。2ch生物版の面々の推測どおり」世に倦むさんのツイート通りだとすると、2chに投稿された世にも不思議な文章も無視できなくなり、解析の対象となるのではないか。妄想めいた文章でありながら、細部に関係者しか知りえない秘密の暴露がある(ES細胞の混入など)私は、あれを読むと頭痛に加えて吐き気まで催す。一貫して倫理観の欠如した自己正当化の世界。それを歪んだレンズを通して見て、現実的な平衡感覚を失うような不穏な気分になる。

良心の異常な欠如
他者に対する冷淡さや共感のなさ
慢性的に平然と嘘をつく
行動に対する責任が全く取れない
罪悪感が全く無い
過大な自尊心で自己中心的
口の達者さと表面的な魅力
上記はサイコパスの特徴(ウィキペディアより)
Commented by 割烹着 at 2014-03-25 23:05 x
今回の出来事によって、日本の科学技術に対する信頼が失われた。
こんなお粗末なねつ造がまかり通ってしまうとは!
今回の出来事によって、日本人の倫理観に対する信頼も毀損された。
あんなに高い社会的地位にいる者が、こんな低次元の不正を平気で行い、しかもこの期に及んでなお、その行為を擁護する者が大勢いるなんて!
そのうえ、今回の出来事によって、日本社会の女性差別的な傾向もあらわになった。
女なんてこの程度だという蔑視に基づく同情(しかも差別に気づいてさえいない)が、21世紀の先進国でこれほどあからさまに示されるとは!
そして、そのような外からの目に対し、我々が鈍感であることにこそ、危機感を覚える。
Commented by 長坂 at 2014-03-26 01:49 x
依頼したものとは違うネズミ(失礼マウス)から作った細胞を渡すって、、、悪質度に驚愕!
情報は小出しにして時間を稼ぎ、問題は理研の体質とメディアに言わせ責任をうやむやにしている間に、晴子はこっそり海外へってことになりかねない。

降圧剤のディオバンのデータ改ざんが問題になったと思ったら、今度はアルツハイマーの早期発見を目指す国家プロジェクトで、データ改ざん疑惑だそうです。捏造論文って特に驚く事じゃないんですねえ、こういう世界では。小粒の晴子がゴロゴロ。勇気ある内部告
発者が一縷の望み。
Commented by ゆたか at 2014-03-26 05:58 x
>朝日とか日経は、きちんと取材班作って、真面目に調べて特集記事を連載したらどうなんだ

ほんとですね。
ノーベル賞級とまで世を騒がせた発見が捏造なら、ノーベル賞級の詐欺事件ですから。

その尻馬に乗った各紙には、騒がせた分を補うだけの検証記事を書く、道義的責任があるでしょう。
Commented by Columbites at 2014-03-26 10:32 x
小保方氏は「再生細胞が好きでたまらない」というモチベーションから研究されたのでしょうか?残念ですが,彼女からは研究対象に対する純粋なenthusiasmをまったく感じません.

理系の研究者の中には,かつての昆虫少年や恐竜マニアのなれの果てというべき方が数多くおられます.誤解のないように言いますが,この純粋なエンスー度は何物にも代え難い重要な資質です.

早稲田などが怪しげな国家戦略に飛びつかず,教育機関としての見識を持って地道にエンスーを育てていたなら,手段と目的を取り違えても違和感を感じない人物は輩出しなかったし,それを推奨するような風潮ははびこらなかったように思います.
Commented by 長坂 at 2014-03-26 10:56 x
朝刊の文春の広告だと、晴子はすでに日本にはいないのか!?一枚も二枚も上手、用意周到。立ち読みして来ます。
Commented by 梅子 at 2014-03-26 11:10 x
検証記事と言えば、以前書きましたが韓国のファンウソク事件に対するサンケイ記事がありましたね。そのまま今回の小保方事件に当てはまる内容で笑えましたが。
そのサンケイが3月6日に「発表後初めて小保方本人によるSTAP細胞作製に成功」という飛ばし記事を書いてるんですよね。「飛ばし」はサンケイのお家芸なので今さら驚かないとしても韓国の不正事件だとはりきって検証し少しはまともな記事を書くサンケイが安倍政権を守るためか何か知りませんが、平気で「飛ばし」を書く。今現在もあれが誤報だったというサンケイのお詫びはありませんね。こういうメディアのあり方ももっと批判されて良いと思います。
まあいろいろあからさまになり、これほど多くの問題を露呈してくれた小保方氏に対しては私は最近敬語をつけたくなるほどありがたく思うようになりました。(笑)実は私自身理研にこれほどの問題があるとは知らなかったものですから。
Commented at 2014-03-26 11:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-26 14:40 x
政権が発足して2年目。そろそろ国民に成長戦略をアピールできる起爆剤がほしかった官邸側、特定国立研究開発法人になりたい理研、天下り先を確保したい官僚。三者の利害関係と思惑が一致する中で、「リケジョ」という役割を演じる駒としての小保方氏、共同研究者たちの個人的な野心が複雑に絡み合う構図がある。

この構図の中で、損な役割を押し付けられた可哀想な小保方さんという同情論を語る人は、彼女が自由意志を奪われ、自分の意に沿わぬ研究(もどき)をさせられていたとでもいうのであろうか。この権力構造に抵抗して危ういゲームから降りる自由は、彼女にはあったはずだ。そのことで理研でのポジションや華々しい脚光は失うが、地に足をつけた生き方を選択することはできた。その結果、別の虚構のヒロインが生まれたかもしれないが、自分自身の人生を汚さずにはすんだ。我々は、大きな岐路で賢明な選択をできなかった場合、社会的に抹殺されることすらあることを、肝に銘じなければならない。

アメリカなら、自分が不利にならぬよう、理研、小保方氏、笹井氏が、三者三様にお互いを訴える事態になっていただろう。ここまで関係者の沈黙が続くのは、日本的な現象と言えるだろう。
Commented by 梅子 at 2014-03-26 16:20 x
申し訳ありません。間違えました。
(誤)敬語→(正)敬称です。
今まで呼び捨てでしたが、これだけいろいろ露呈してくれた功績?で敬称くらいつけてよいかなと。さすがに敬語は使えません。(笑)
Commented by 梅子 at 2014-03-26 16:30 x
一番上の安倍、野依らが映っている写真は噂のスパコン京ですね。
まるで中国の兵馬俑かアシモフ原作の映画「アイロボット」を思わせる光景です。
これに対する蓮舫の「2番じゃだめなんですか」が何度も何度も何年にも渡ってテレビで放映され続けました。もちろん民主党にはいろいろ問題がありましたが、今あれこれ知った後だと、あの台詞は正しかったのだということがやっとわかりました。
何と理研はこの20年の間に(その間ずっと日本の景気が後退していたにも関わらず)規模が5倍になっているそうで、「世界一を目指す」と言えばどれだけでも予算を引っ張って来られる法人だったようです。驚くべきことです。いろんな利権も絡んでいたでしょうし、官僚の暗躍もあったでしょう。
Commented by 梅子 at 2014-03-26 16:38 x
さてそういうことで第三の矢は不発に終わったのですが、じゃあ第三の矢はどうなるのでしょうか。
安倍が言う第一の矢は国債の日銀買い入れという禁じ手を使っての「次元の違う金融緩和」でした。第二の矢は毎度お馴染みの公共投資、もちろん財源は国債。つまりアベノミクスとか何とか言っても内容はタコが自分の足を食っているようなものです。取り合えず株価が上がったりして(それは世界的に景気が回復し株価上昇したせいもあるのですが)安倍の支持率は高いままとなっています。
しかし、いずれ国債は返済せねばならず、少子高齢化も止まらず、日本はこれからどうやっていくつもりなのでしょうか。そう言えば、このSTAP細胞がおかしなことになってから、安倍の口から「第三の矢」という言葉を聞いていないような気がします。最初は「第二第三の小保方さんが誕生するよう云々」と言ってましたがね。
Commented by 希望の街 at 2014-03-26 20:04 x
 安倍の意図とは違って「第2、第3の小保方さんが誕生する」でしょう。薄っぺらい知識を持った金と名声を目当てとした研究者が、という意味ですが。思うに、禁欲的な形象として典型的であった日本の研究者の信頼も、地に落ちた感じです。小保方事件は、それを照射したにすぎないのかもしれません。放たれた「第三の矢」は、そうした輩を蟻のように引付けながら、成長戦略が目指すところとは別のところへと飛んでいくでしょう。
Commented by haku at 2014-03-27 08:40 x
理研が「科学者の楽園」だった頃、自前で稼いでいた。だんだん政府の金が入り始めて、今では収入のほとんどが政府がらみの金。金を入れると口も出したくなる。基礎研究といっても、如何に他者の金から自由になれるかがやはり大事なのか。理研を創った先哲は最初からそのことが分かっていたのですね。
Commented by haruka at 2014-03-27 21:49 x


私がこの国に危うさを感じたのは京大カンニング事件でした。
大学側が責められ、当人に対しては擁護が多かったのには驚きました。
人間は誰でも自分に甘く、心理学的にも同じ行動をとる人に寛容になる傾向があります。
結局、カンニングもコピペもそういうことなんだと思いました。
先日、どこかの記事で「犯罪者に寛容な国に…」的な記事がありました。
その集まりに元官僚がいるのですが、その人は学生時代何度も補導されて、
大目に見てもらった経験から、「誰でも間違いは犯すのだから…誰もが犯罪者に成り得る紙一重」というのが理由でした。
もちろん誰もが間違いを犯すことは無いとは言えないでしょう。
しかし、何度も補導されるというのは誰もが成り得る程度とは違うと思いました。
結局、そういう不正を行なった人間が国を動かす上にいて増殖していくと国がダメになっていくんだと思いました。
Commented by 通りすがり at 2014-03-28 00:37 x
大学発ベンチャーのセルシード株の乱高下も、STAP細胞の発表と関連しているのだとか。
安倍政権にとって、これも追い風になるはずだったのだろう。一番ホットな学問分野のベンチャーなのだから。
変な方向に進んで行っている昨今の日本の風潮を感じる。
Commented by なな at 2014-03-28 12:20 x
私は50代の小保方さんと同年代の娘を持つただのおばさんですが、この投稿文に賛同します。
ウソは大嫌いですから。

Commented by 柿右衛門 at 2014-03-28 17:03 x
今回の捏造問題を矮小化・パロディ化しようとする動きが根強くある中で、そのような動きと一線を画すべき朝日新聞が、軽薄な風潮に相乗りするかのように、不適切な記事を掲載し、小保方氏側に謝罪するというオウンゴールをやらかした。記者の記事でないとはいえ、その無責任さ、緊張感のなさには、失望せざるを得ない。

週刊文春で、生物学者の福岡伸一氏が、STAP細胞とES細胞、iPS細胞との違いについて素人にもわかりやすい説明をしている。これを読むと、当事者を登場させず、論文の不正についての謝罪もない理研の対応が、いかに不誠実なものであるかがわかる。STAPの存在の有無について、科学コミュニティーに丸投げするというその態度。これは、タイムトラベルが理論的に可能だとして、その設計図を書いてきた人間がいて、デタラメな箇所がいっぱいあるにも関わらず、誰かがタイムトラベルを作るのを待っている、ような状態に私には思われるのだ。何かが「ない」ということを証明するのは、「ある」ということを証明する以上に難しい。そんなことに、他の誠実な科学者たちの貴重な研究時間を使わせるな。
今回の件で、わざわざ山中教授まで引っぱり出されたことにも、憤りを感じている。
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-28 17:45 x
すでに指摘されているが、世に倦むさんが、捏造問題を「倫理」と「「格差」の両面から論じたことは、着眼点がよくタイムリーであった。こうした問題提起に賛同する人がいるということは、やはり今の日本が内面から崩壊している危機感を持っている人が多いということだろう。

財界の長老は、「せめて精神だけでも足腰の強い国民になっていれば、日本の復権もあったかもしれないが、もはや絶望的だろう」と言っているらしい。その責任の一端はあんたにもありますよ、ということはさて置いても、ブログ主さんがツイートされている通り、製造業に代表されるモノづくりの精神、工夫や研究を厭わない勤勉さ、真面目さといった日本人の美質を見直す時期にきている。市民が健全な倫理規範と良心を持って、社会にコミットしていくことが必要だ。

浅田真央が絶賛されたのは、その技術の高さだけではない。ソチのSPでの失敗を、「取り返しのつかないことをやった」と自分で断罪し、国民が注目する中でテレビカメラに向かって一人で答え、最後に自らの実力で汚名を返上した。この正々堂々とした態度、毅然とした精神に、国民が熱狂したのだ。日本人は、高貴な精神やノブレス・オブリージュに飢えている。
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-29 00:17 x
ずっと小保方擁護論を唱えている某氏のツイッターを見られたい。
若山教授を批判し、袴田冤罪事件と小保方氏を同列に論じ、支離滅裂であるが、だんだん旗色が悪くなってきたことを感じ始めたせいか、次はどうやって論理をすりかえるか、逆ギレしつつどうやって読者を煙に巻こうとしているかを、リアルタイムで我々に見せてくれる格好の材料となっている。
しかし、小保方氏のことを、反対勢力から魔女狩りにあっている科学の殉教者みたいに語ったり、早大の博士論文を批判した東浩紀を東大出身だから批判するのだと罵ってみたり。的外れもいいところ。自らの非を決して認めようせず、何でもゴリ押しする人間が日本中に大量発生しているが、ここにもひとり
Commented by いち研究者 at 2014-03-29 00:38 x
私もこの一連の記事の趣旨に賛同します。このような日本社会の崩壊とパラレルな事象として,大学の崩壊があると思います。
国立大学法人化によって,予算配分権や評価権をテコに文科省の国立大学への支配が強化されました。そして最近,「大学のガバナンス強化」の名の下に,大学を学長の独断で運営できるようにする「改革」が,文科省の旗振りで進められています。この帰結は,世に倦む日日さんがいつかツイッターで書かれていた,「知識人のいない社会」,少なくとも「大学には知識人のいない社会」でしょう(今でも少ないでしょうが)。
最近の「大学のガバナンス強化」の結果起こる弊害としては,次のことがあるでしょう:(続く)
Commented by いち研究者 at 2014-03-29 00:39 x
(続き)
○大学構成員の総意によって大学が動くのではなく,学長個人の判断で大学が動くことになるので,大学を特定の方向に動かしたいと思えば,学長個人に影響を与えれば良いことになる。結果,コネや政官財の様々な圧力が大学に極めて大きな影響を与えるようになり,大学が容易に外部から操縦されるようになる。
○学長権限の強大化によって,上記の問題を警戒する研究者が,大学から放逐されるか,少なくとも周縁部に追いやられ,大学において全く影響力を発揮できなくなる。資金源を絶たれ,後継者も育てられなくなり,政官財など外部からの要求に唯々諾々と従うエセ研究者のみが増殖する。
○特定の利益に関わる外部組織に大学が操縦されると,通常の研究の結果その外部組織の利益に反する結論を出すような研究者が迫害されることになる。これまでも外部からの圧力はあったが,大学がそうした研究者を守る機能を失う。(以上,一言で言って大学の自治の崩壊)
(続く)
Commented by いち研究者 at 2014-03-29 00:40 x
○大学を操縦しようとする外部の勢力は,外部の要求に唯々諾々と従う人物をトップに据えたいが,多くの研究者の意識は(少なくとも今の時点では),研究者・研究機関としての独立を保ちたいと考えている。そこで,広範な研究者層と大学上層部の間に大きな溝ができるが,上層部は強大な権力を持つ一方で一般の研究者層は何ら権限や異議申立の方策がないため,せいぜい愚痴や不平を述べるくらいしかできない。
○このような大学に,人材養成機関・真理探究の場としてのまともな機能は到底果たせない。目先の利く学生は,研究者の窮状(単にポスドクなど経済的に困窮するという意味だけでなく,人間として,研究者としての尊厳が全く踏みにじられるということ)を見て,研究者を目指そうとは思わなくなる(今でも,主に経済的窮状の面で,優秀な学生はあまり研究者を目指さない)。
Commented by いち研究者 at 2014-03-29 00:41 x
(続き)
こうして,通常の意味での「研究者」が周縁に追いやられた大学で,権限と地位を独占するのが,ごく一部の官僚研究者とそれに群がる人々であり,恐らくやがては政官財が土足で大学を占拠する,すなわち大学上層部を占めるようになるでしょう。山形大学では,文科省の元事務次官が学長になりましたが,そのうち,法人化前の国立大学であれば事務局長止まりだった,全国を渡り歩く役人達が,各地の学長になり(その時には理事長と名前を変えているかも知れない),国立大学は単なる国策遂行機関と化すのでしょう。多くのオボガタが,その異常さに自分たちも気付かず,まっとうな研究者以外からは異常とも思われない世の中になるのでしょう。大学が,「社会」から一旦離れた場所にあって真理を探究するのではなく,格差社会・貴族社会の単なる縮図でしかなくなるのでしょう。(続く)
Commented by いち研究者 at 2014-03-29 00:41 x
(続き)最近ネットに出ている,「大学のガバナンス強化」と関連した2つの大学の学長選考を巡る記事は,上記の悪弊を想起させるものです。

・福岡教育大学の学長選を考える会
https://ja-jp.facebook.com/gakuchousen?ref=stream
・京大総長選考をめぐるクリスマスの乱
http://togetter.com/li/607116

大学の内部の状況はなかなか大学の外には分かりづらく,また大学の内部の人間は,問題を分かりやすく伝える言葉に余りにも乏しいです(これは専門性追究の副作用でもあります)。私はまったく途方に暮れる日々です。世に倦む日日さんには,今の日本の大学はどう見えているのでしょうか。(終)
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-29 16:56 x
>大学が,「社会」から一旦離れた場所にあって真理を探究するのではなく,格差社会・貴族社会の単なる縮図でしかなくなるのでしょう。

いち研究者さんが、現場で実感しているとおり
「大学院重点化政策によるポスドクの大量発生→ポスト不足による高学歴プア増加→優秀層の大学院進学希望者の減少→競争低下による大学院進学者の質の劣化」という流れで、研究者をめざすことに何の魅力もなくなるような負のスパイラルが起こっている。しかし身近なところでは、研究者を目指す学生には、親が大学教員というケースが多いと私自身は感じており、この世界でも世襲制が浸透していくのではないかと危惧している。
大学院重点化政策は現職教員のポスト確保のため、文科省官僚は、国公立大学に天下り。国家百年の計ではなく、自分たちの既得権益を死守するために政策決定することが多すぎる最近の日本。この老害的思考回路をなんとかせねば、日本の若者に未来はない。私は、これも世代間闘争の一種だと考える。大きな問題なので、小保方問題とは別に、世に倦む日々さんに、取り上げていただきたい。
Commented by 柿右衛門 at 2014-03-29 20:02 x
いち研究者氏が紹介された『京大総長選考をめぐるクリスマスの乱』を読んだ。これは、大学をグローバル社会における勝ち組人材養成所にしたい大学経営者側の意図と、低成長時代において持続可能型社会を作り、限られた資源をシェアする社会を目指す大学人の価値観の対立軸もひとつにはあると思った。金の力を盾に大学運営を意のままにしたい国にとって、後者のような価値観を持つ大学人は危険分子であり、学長選に投票権を持っていること自体、許せないのだろう。

大学改革を一気に進めたい意識が強すぎて、必要な議論がされていない。これは、小泉構造改革の大学バージョンだ。大学における貴族層(正規教員)と奴隷層(非正規教員)の二極化は、一般社会での貴族層(勝ち組)と奴隷層(負け組)の二極化にかぶって見える。中間層は空洞化し、有名無実となり、やがては、上層が下層から搾取するビジネスモデルも崩壊する。その先の社会には、ニヒリズムしか残らない。「日本の崩壊と大学の崩壊はパラレルな現象」という、いち研究者さんの意見は正しい。

ひとまず理研優遇法案は先送りとなった。ネットの力が、この決定に影響したことは疑いようがない。
Commented by ヒムカ at 2014-04-01 23:31 x
「最終報告、承服できない」
小保方晴子氏が弁護士を通じて発表した不服申し立てに唖然とした。
>「ねつ造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。」
育ちかねた未熟な自我に呆然としますが、なによりもご本人の傍若無人ぶりに驚く。
朝日新聞、毎日新聞を読むと「捏造」と結論したと報道している。

また、先ほど読みましたが以下も参考になりました。
Wmの憂鬱、小保方さん不正認定に不服、理研の不正調査規定の欠陥【日経バイオテクONLINE 号外】(2014年4月1日 19:30)

博士論文の冒頭部分「BACKGROUND」約20ページ分がコピー・アンド・ペーストであると早々にバレていたのだが、早大は、覚悟を決めたかのように「不正の有無を本格的に調査すると宣言」しているけれど…いまさら「断片的社会工学」によって、断片的な修繕でやりくりできると高をくくっているところが、そもそもが、これが早大の実態だ。
Commented by ヒムカ at 2014-04-01 23:35 x
早稲田大学は世界ランキングでは、とうてい上位には位置しないのだが、日本国内では勝ち組のように振る舞う連中が、私には鼻についていた。
ウィキから引用>「The Times Higher Education Supplement (THES) 2012-13 では、世界第351-400位、アジア順位第52位、国内順位第12位にランクインした。」

いやいや、私は断じて学歴偏重ではありません。が、この度の事件は、日本の教育の荒廃、危機を如実に表わしていると思う。小保方晴子氏の背景から邪推してみると…早稲田大学とは中学受験から邁進しながら選択したもののようである。自分の属する高校、大学より格の高い学校に対しては劣等感を抱き、下の方には優越感をもつ。つまり、彼女の人生は「劣等感」と「優越感」のはざまで揺れて一喜一憂を繰り返してきたのではないか。未熟な自我は、与えられるものの過剰のなかで狂ってしまったのではないだろうか?

私ごとだが…ミュンヘン大学の構内で遭遇した日本人学生が、自己紹介でいきなり「オレ、東大なんだ」ときた。また「俺、京大なんだよ」とい御仁もいた。そんな時、私の返事は決まっている。「それで?」。
Commented by ヒムカ at 2014-04-01 23:39 x
日本では学歴詐称が枚挙にいとまがない。留学といっても「正規留学」は滅多におらず、大抵は単位修得のための「交換留学生」なのだけれども、帰国すると堂々と「○○大学マスターコース終了」などと言っている。

話が脱線するが…例えば桜内文城衆議院議員。著書「従軍慰安婦」の英訳本を「捏造」であると発言して〈名誉棄損〉で訴えられているが…それは自身がハーバード大学J.F.ケネディ政治大学院修士課程修したとの経歴を披歴しながらのものである。さも英語に堪能である振りをしているものの、これは「リッタウアー・フェロー」(MMP・MPA)であって、彼は[大蔵省→財務省]入省により、ご褒美で留学したにすぎないし…どう見ても「歴史学」の専門用語を習得しているとは見えないから、実のところ読んでいないのではないか?しかし、日本人は、欧米の学位終了と聞いただけで圧倒される。田舎者ではないか!
「科学」に敬意をはらい、知識人を羨望する日本人は奥ゆかしいともいえるが…無知のために不断に動いている「世界」への感覚があまりに鈍いために断崖に立ってしまった。

『世に倦む日日』さんは、理性の名において、公然と、大胆な覚悟をもって告発されています。頭が垂れます。


メールと過去ログ

since 2004.9.1

ご意見・ご感想




Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16
今まで、宗教2世の問題に..
by さかき at 10:31

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング