ウクライナ情勢とデフォルトの視点 - ウクライナの国益とは何か

c0315619_16225770.jpgウクライナ問題について現時点で率直に所感を述べると、やはり、米国の実力と威光の衰えを強く印象づけられる。オバマはプーチンに対して警告は発したが、何の圧力もかけることができず、ロシア軍によるクリミア占領を阻止することができなかった。6年前のグルジア戦争(南オセチア紛争)を思い出すと、ブッシュ政権末期だったが、ロシア海軍がグルジアの港湾封鎖に出たのに対抗して、米国は人道支援の名目でイージス艦を派遣、黒海にNATO艦隊を引き入れ、ロシア艦隊と一触即発の睨み合いをするという場面があった。2008年8月の出来事だ。現実に交戦する事態には至らなかったが、軍事行動を講じてロシアに圧力をかけている。ロシアによる国際法違反の主権侵害という点では、南オセチアに侵攻した6年前よりも、今回の方がバイオレーションの度は露骨で甚だしいだろう。南オセチアのときは、実際にロシア寄りの現地住民がサーカシビリに迫害を受けていて、先に軍事挑発を仕掛けたのはグルジアの方だった。今回、戦闘と流血はないものの、ロシア軍によるウクライナ領への先制越境侵入は明白で、国際法上、ロシアの行動を正当化できる余地はない。しかし、ロシア軍による素早いクリミア全土占領を前に、米国(NATO)は何の軍事的措置にも出ることなく、最初から軍事のオプションは放棄した姿勢だった。地中海を守備する第六艦隊を動かさなかった。6年前との彼我のコントラストを強く思わざるを得ない。



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by yoniumuhibi | 2014-03-05 23:30 | Comments(1)
Commented by NY金魚 at 2014-03-06 14:37 x
ウクライナにあるソ連の原発が爆発して四半世紀。そのせいもあってソ連の方は崩壊したのかもしれないけど、以来ウクライナという国家は重い精神病に陥った感じがします。地図で見ると、キエフとチェルノブイリはたった100km。ちなみに東京と福島は200km強。オレンジ革命で少し正気を取りもどしたようにも見えますが、結局ロシアとEUに挟まれた精神分裂症状態がひどくなっただけかもしれないと思うようになりました。ぼくのウクライナ情報は、MoMAでのアーティストの写真展などから憶測するしかないのですが、どの作品を観ても猛烈に暗く、原発事故が原因で重い精神病を患ってしまったとしか見えないのです。フクシマと東京の関係などより猛烈にデタッチメントの多いウクライナとロシア。世に倦む日日さんのウクライナ政府無責任論も、極右政権への非難もよくわかりますが、MoMAのウクライナ作家の作品を見るにつれ、そこの国民に深い同情を感じている自分がいます。願わくば軍事介入のない解決となりますように。そしてなによりフクシマを抱えた日本という国家が、さらなる精神病に患わぬことを、心から。


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